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てっしーずのおでかけ日記

観たこと、聞いたこと、気づいたことを書くよ!

明治のこころ モースが見た庶民のくらし

2014年07月29日 | 都内のおでかけ
明治のこころ モースが見た庶民のくらし
平成25年9月14日(土)~12月8日(日)
江戸東京博物館 1階展示室
http://www.asahi.com/event/morse2013/

非常に地味ですが、面白い展示でした。
エドワード・モースは日本で大森貝塚を発見した人物。
そのモースの貝の研究を紹介するなら、科学博物館での展示になるところですが、実は日本に滞在中の彼は様々なものを収集していたのです。
そうした品々の展示だったのですが、最近見直されている日本の「民芸」の範疇にはいるものだけでなく、ごく日常的な生活用品までずいぶんと節操なく集めているからすごい。
当時、外国人用のお土産品として売られていた写真もずいぶんあったりします。
日本人の日常生活の様子をスケッチ入りで正確に記録していたりもするんですが、日本人って、不思議なやつらだなあ、という思いもずいぶんあってのことなんでしょうね。
なので、いろいろ日本に関する古い品々がそろっているものの、どうしてこんなものをわざわざ残したんだろう、と思うような変なものも満載だったりします。

最近の美術展(だけじゃなくて本やテレビ番組もそうですが)に多い、日本礼賛といったくくりで、なんとか収めようという企画した側の意図を超えているところがあるのが個人的には面白い展示でした。
そりゃあ、明治時代の日本人なんて相当変わって見えたと思いますよ。
それを無理やり「いい話」にしなくてもいいじゃないですか。

モースが発見した大森貝塚は電車の中からはっきり見えるほどむき出しの状態だったそうで、そんなものが誰にも気づかれずにあったということ自体に驚きます。
東大教授になったモースは日本の外国人教授のレベルの低さにびっくりし、改善をはかったということですが、当時はどんなレベルの低い教授たちが存在していたのか個人的には気になります。(ひ)


国宝 興福寺仏頭展

2014年07月25日 | 都内のおでかけ
興福寺創建1300年記念
国宝 興福寺仏頭展
2013年9月3日(火)- 11月24日(日)
東京藝術大学大学美術館
http://butto.exhn.jp/

ニューオータニ美術館の後は上野に移動して、藝大美術館に行ってきました。
見てきたのは興福寺仏頭展。
そのタイトルの通り、仏頭がメインというのだから驚きです。
頭部だけで1メートル近い高さがあるんですから、全体像がそのまま残っていれば、当然ながら東京で見ることなんてできなかったし、お顔をこんな間近で見ることもできなかったわけです。
かろうじて残った頭部を東京まで連れまわして360度どこからでも拝めるようにするというのはずいぶん失礼なことという気もしたんですが、すごかったなあ。

国宝「木造十二神将立像」と国宝「板彫十二神将像」という、もうひとつのメイン展示もあって見どころたっぷり。
特に「木造十二神将立像」はみんな強そう、という悪そうだなあ。
ですが、作者はそれぞれ異なるらしく、その出来栄えにずいぶんと差があるのが面白い。
特に十二神それぞれについている干支が非常にリアルだったり、かなりグズグズなものだったりと差が歴然。
人情として自分の干支がどうしても気になるだけにそれが適当だとがっかりしますよねえ。

それにしても、仏頭の方は頭部しか残らず後頭部にも大きな破損があるのに、顔がきれいなままなのが驚きです。
鼻もまったく欠けていなくて、なんともいえない品格がありました。
そりゃあ人気があるはずですね。

昨年の秋はこの展示も含めて、いろいろいい展示があった上にぐるっとパスも始めていたんだなあ。
大して時間もなかったはずなのに。
もはや記憶もおぼろげですが、その辺の感想もこれからしっかり書いていきたいと思います。
実は、最近、今年初のぐるっとパスを始めたりしているんですが。(ひ)

加山又造と近代絵画の巨匠たち

2014年07月24日 | 都内のおでかけ
セキ美術館名品展
加山又造と近代絵画の巨匠たち
9/28-11/4
ニューオータニ美術館

現在休館中のニューオータニ美術館の昨年秋の展示です。
大倉集古館も休館中だし、写真美術館ももう少しで休館。
寂しい限りですが、ニューオータニ美術館の場合は「休館中」という情報しか出ていなくて、いつ再開するのかわかっていないのが気になります。
確かにホテルに宿泊している人や、ぐるっとパスを使っている人は訪れるけど、純粋に入館料を払って展示だけ見に来るというところまでなかなかし難い美術館ではありますが、地味ながらいい展示が多い美術館でもありました。

観に行ったのは収蔵品展ではなく、道後温泉から近いというセキ美術館の作品の展示。
加山又造の作品を多く所蔵しているということで、企画展のタイトルにも加山又造の名前が入っています。
「夜桜」では大きく描かれた桜以上に、その右横に描かれた金色の炎が印象的。
なぜここに炎が、という不思議な組み合わせですが、実に加山又造らしい幻想的な絵画になっています。
同じ桜でも大観とはずいぶん雰囲気が違う。

「凝」という、猫がじっと蝶を凝視している作品も素晴らしい作品でした。
蝶と猫の目が同じ青で描かれているのですが、猫が蝶をじっと見てとらえようとしている一瞬を描いているようにも見えるし、蝶の方が猫を幻惑しているようにも見える。
絵を見ているこちらの目も青くなっているんじゃないかと心配になってきます。
そういう意味ではベラスケスの絵と共通する要素もあるのかな、ちょっと強引ですが。(ひ)

森村泰昌展

2014年07月23日 | 都内のおでかけ
LAS MENINAS RENACEN DE NOCHE
森村泰昌展
ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る
2013年9月28日 - 12月25日
資生堂ギャラリー
http://www.shiseidogroup.jp/gallery/exhibition/past/past2013_04.html

こちらの展示は11月になってから見てきました。
数々の有名な美術作品や人物をモチーフにして作品を作ってきた森村泰昌が今回取り組んだのはベラスケス。
森村作品は、本物の作品と同一化したかと思うようなときもあれば、ずいぶん違っている姿に思わず笑みを誘われたりと、作品ごとに様々な反応を強いられることになるわけですが、今回のベラスケスははっきりいって、怖い。
元の作品の登場人物たちにそう似ているわけではないものの、異様な迫力だけが特化され、グロテスクさが強調されています。
そんな作品群が狭い展示室を取り囲んでいるからすごい迫力。

今回、再現されているベラスケスの「女官たち」という作品自体すごいものなのにもびっくりしました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%82%B9

描かれた数多くの生気のない人物を見ているうちに、自分もその世界に取り込まれていく気がして仕方ありません。


ところで昨年のこの時期は銀座のギャラリーでスタンプラリーをやっていました。
この資生堂ギャラリーの他、ギンザ・グラフィック・ギャラリー、クリエイション・ギャラリー、ガーディアン・ギャラリーもその対象だったので、足を運んだことのないギャラリーもみてきました。
その中でも印象的だったのは「ヤン・チヒョルト展」。
タイポグラフィーの展示でした。
どこがすごいのか今一つわからなかったんですが、みんな熱心に見ているのが印象的でした。(ひ)


佐藤太清展

2014年07月22日 | 都内のおでかけ
生誕100年
佐藤太清展
2013年10月5日(土)~11月10日(日)
板橋区立美術館
http://www.itabashiartmuseum.jp/art-2013/schedule/e2013-04.html

たどり着くのが大変な割になぜか足を運んでしまう板橋区立美術館。
10月末の土曜日に行ってきました。
佐藤太清という日本画家について、まったく知らずに行ったのですが、美しい花の絵に圧倒されました。
一口に花を描いた日本画と言っても、その描き方は様々なわけですが、佐藤太清の作品は実に上品に美しい。
いろんな日本画家の作品を集めた展示の中に入っていたらあまり印象に残らなかったかもしれません。
こういう美しすぎる作品はすごいなあ、と思っても絵を描くことがまったくなく見るだけのド素人には残念ながら引っかかってこない。
そういう意味では、美しい風景をそのまま見せる写真に近いかも。
本格的に写真をやっている人って、どうやってこんなものを写したんだ、というところで盛り上がったりしてますもんね。

それにしても、この美術展が見ていてなんとなく違和感があったのは板橋区立美術館では実に珍しい個人の作品だけを集めた展示だったからかもしれません。
いつもは狩野派や戦中戦後の東京に関する作品をいろいろと見せてくれる、この美術館がまるで普通の美術館のような(といってはなんですが)展示をしているのが妙におかしい。
おかしいといえば、この美術館はなぜこういう不思議な形の展示スペースなんでしょう。
いろいろ謎だなあ。

そういえば、帰りのバス(成増方面)を待っている間に目にする「隠れ家系美術館」というのぼりが新しくなったみたいです。
http://www.itabashiartmuseum.jp/main/wp-content/uploads/2014/06/DSCN3532.jpg

なるほど。(ひ)

六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト―来たるべき風景のために

2014年07月15日 | 都内のおでかけ
風間サチコ:「六本木クロッシング2013展」アーティストインタビュー(5)


森美術館10周年記念展
六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト―来たるべき風景のために
2013年9月21日(土)-2014年1月13日(月)/ 森美術館53階
http://www.mori.art.museum/contents/roppongix2013/index.html

国立新美術館に行った翌週、今度は同じ六本木の森美術館へ。
それぞれ、AXISギャラリーとFUJIで写真の展示も見たりもしているのですが、そちらの感想は割愛します。
AXISギャラリーは確か展示スペースができたばかりで、写真の公開コンペのようなものが開かれていました。
以前、ここにそれを見た感想を漠然と書いた覚えがありますが、一方的に審査員から批評を受けるだけでなく、アーティスト本人がその場で語れるコンペというのは健全でいいなあと強く思ったのでした。
公開審査が開かれても、審査する側が絶対かのようなコンペが多くて、正直辟易します。
アートでもスポーツでも、「現役のプロ」、「元プロ」を盲目的にありがたがりすぎるんじゃないかという疑問が私の中にはずっとあります。
自分の師匠に当たる人から強く批判されるのは仕方ない(というかありがたい)ことだとしても、その場限りの審査をする人間が、その人の人間性まで否定するような発言をすることが結構ありますからね。

話はようやく森美術館の展示に移りますが、恒例の六本木クロッシングということで、実に森美術館らしい、今の現代アートの作家の作品を広く集めた展示になっています。
多くのアーティストの作品が並んでいましたが、気になったものの感想を少し。

○風間サチコ
一番印象に残ったのはこの人の作品。
確か赤瀬川原平と一緒に展示されていたと思いますが、共通するユーモアの感覚とグロテスクさ、批評性といったものが感じられます。
無人島プロダクションでも昨年展示を見ていますが、あれとこちらはどっちが先だったんだろう。
この文を書く際にブログを拝見させていただきましたが、作品と違わぬアツい(?)内容でいいです。
木版画の、びっしりと描きこまれた大きな作品に圧倒されながらもじっくり目が離せなくなりました。

○丹羽良徳
こちらも政治的な要素を含んでいる作品ですが、「日本共産党にカール・マルクスを掲げるように提案する」という映像作品は本当に面白かった。
タイトルの通り、日本共産党に行き、マルクスの写真(だったか肖像画だったか)を飾るよう提案するというもの。
意外なことに、共産党の人々は戸惑い、なかなか受け入れてくれないんですね。
共産党のことだけでなく、日本の政治集団って、いろいろ微妙だなあ、と考えさせられるし、日本人にとって、思想って何なんだろう、という疑問がわいてきました。(ひ)


アメリカン・ポップ・アート展

2014年07月10日 | 都内のおでかけ
Ryuichi Sakamoto & Robin Scott - The Left Bank (Jaekim's Lakehouse L.I.F.E. Re-Edit)


アメリカン・ポップ・アート展
2013年8月7日(水)~10月21日(月)
国立新美術館 企画展示室2E
http://www.tbs.co.jp/american-pop-art2013/

こちらの展示も10月半ばに見てきました。
「アメリカン・ポップ・アート展」という大きな括りの展示ですが、実はジョン・アンド・キミコ・パワーズ夫妻個人のコレクション展。
現代美術をささえていたパトロンだったというだけあって、有名作家の作品だけに限らず、個人的な贈り物まで含まれていて、意外に素朴な味わい(?)の現代美術まで見られる興味深い内容でした。

展示の目玉となっているアンディ・ウォーホルの「200個のキャンベル・スープ缶」はやはり見るだけで圧倒されました。
当時はこんなものがアートという衝撃が相当強かったんでしょうが、今の時代、しかもキャンベル・スープを日常的に使っているわけではない日本人の私にとっては、キャンベル・スープっていろんな種類があるんだなあ、と感心するものだったりするんですが。
大体、高級スーパーでキャンベル・スープ缶を見たって、ウォーホルをすぐ連想して、アート作品のように考えてしまいますからね。
作品のインパクトとしては、やっぱりVUのレコード・ジャケットのバナナの方が上です、個人的には。

キミコさんの写真を使って制作した「キミコ・パワーズ」も当然気になる作品でした。
こういった人物をモチーフにした作品をウォーホルは相当制作しています。
笠間日動のこういった作品を連想させます。
http://www.nichido-museum.or.jp/collection/cat3/

日本のバブル時代には彼に作品を依頼した人が相当いたんだろうなあ。
当時、アートには全然興味がありませんでしたが、ウォーホルやナム・ジュン・パイクの名前はメディアに飛び交っていた記憶があります。

ウォーホルの残した作品というのは薄っぺらいものばかりなんですが、それでも今見てもおもしろいのはなぜなんでしょう。
どうにも行き詰っている今の時代からみると、あまりにも違和感がありからでしょうか。

ジャスパー・ジョーンズの国旗やアメリカの地図をモチーフにした作品も印象に残りました。
国旗の黒く汚れた感じが非常にいい味わいです。

それにしても、今の時代、「ポップ・アート」という言葉はどこか気恥ずかしい。
「ポップ・ミュージック」という、やはり気恥ずかしいタイトルの曲をすぐに連想してしまうんですが、リーダーだったロビン・スコットは今頃何をしているんでしょうか。(ひ)








野間記念館

2014年07月08日 | 都内のおでかけ
四季礼讃 ~水の流れ~
野間記念館
8月31日~10月20日

先日書いた永青文庫と同じ日に見てきました。
ここに入るのはこれでたぶん二度目です。
展示室は広くありませんが、休憩室でゆっくり休めるのと、料金が500円と安いのに、入館するとスタンプを押してもらえるメンバーズカードはスタンプ2個で次回無料。
つまり3回に一度は無料になるという太っ腹ぶり。

展示の方は水の流れがテーマのいかにも涼しげな展示でした。
個人的には大観より玉堂なので、印象に残った作品としては「渓山月夜」を挙げておきたいと思います。
玉堂の川といえば渓谷とセット。
実際にこの川まで行ってみたいとはとても思えません。

展示の中には確か大観の「生生流転」の複製作品もあったと思いますが、日本画で描かれる川というのは、どうしてこう人生の厳しさを表した教訓的なものが多いんでしょうか。
自然で説教するというのはどうも個人的には違和感があるなあ。

その後、坂道を散歩しつつ関口フランスパンでパンを買って帰ってきました。
帰ってから食べたパンは噂にたがわぬおいしさだったのですが、関口にしか店はないので、また食べるにはここまで散歩に行くしかないなあ。
また秋に行けるだろうか。
スタンプも集めたいし。(ひ)

秋季展 「古代中国の名宝 ―細川護立と東洋学」

2014年07月06日 | 都内のおでかけ
●秋季展 「古代中国の名宝 ―細川護立と東洋学」
2013/10/5(土) ~ 2013/12/8(日)
永青文庫

久々に永青文庫に行ってきました。
リニューアル後は初めて。
10月半ばの、秋のいい気候だったこともあり、この辺りの散策のついでに、ここにも寄りました。
その後の椿山荘での食事がメインという感じだったんですが。
椿山荘は当然ながら結婚式のお客さんで大賑わい。
どこもかしこも混んでいて、食事できる店を探すのに一苦労するくらい。
例の偽装事件の前だったんですが、その後、減ったんですかねえ、お客さんは。
地下鉄の出している「いっとく」というパンフレットでかなり大きく割引しているのを見てびっくりしましたが、大丈夫なんでしょうか。
まあ、大手デパートもかなりの数、入っていたし、やけに安い店は気をつけたほうがいいということでしょうか。

話は全然関係のないところに脱線しましたが、この日は東洋学に関する展示。
東洋文庫ミュージアムができてから、ここはこういう展示が増えているようです。
中国の器には知識も関心も薄いのですが、印象に残ったのは細川護立の書籍のコレクション。
何千冊もの本をどうやって日本に送り、どうやって保管していたんだろうと思ってしまう。

展示鑑賞後ははじめてすぐ近くの別館でお茶を飲んで一休みさせていただきました。
中には細川護煕の作品が展示されていました。
広いスペースとはいえませんが、作品を観ながらゆっくりお茶を飲むことができます。

偽装問題も、都知事選もずいぶん前のことのようですが、どちらもこの展示よりも後の出来事なんだなあ。
がんばって更新します。(ひ)

アンリ・ルソーから始まる 素朴派とアウトサイダーズの世界

2014年07月02日 | 都内のおでかけ
Bill Traylor V3


アンリ・ルソーから始まる 素朴派とアウトサイダーズの世界
2013年09月14日~2013年11月10日
世田谷美術館

昨年秋の世田谷美術館の企画展です。
企画展とはいいつつも、世田谷美術館所蔵の作品で行っている展示。
いわゆるアウトサイダー・アートの作品に加え、素朴な味わいのある作品を幅広く展示しています。
かなり幅広いくくりではあるものの、140展もの、企画展に当てはまる作品があるというのは素晴らしい。
タイトルにあるルソーの他、グランマ・モーゼズ、山下清といった有名どころもしっかり入っています。
個人的に印象に残ったのはチラシの表紙にもなっているビル・トレイラーの作品です。
農場の奴隷として少年時代を過ごしていたところを時代の推移で解放されたものの、社会に適応できず、放浪生活を送り、絵を描いたのは85差異からというんですから、それを聞いただけでもすごい。
http://toyokeizai.net/articles/-/20248?page=2

作品の方はそんな波乱に満ちた人生を感じさせないポップさがあります。
シンプルに見えながらも、見れば見るほどいろんな味わいが感じられる作品はレコードのジャケットだったりするとすごくいいんじゃないかと思えるものでした。
決して若いとは言えない年齢から絵を描き始めながら、すごい量の作品を描いたそうです。
絵の教育といえるものを受けていないアーティストが概して多く作品を残して気がしますが、どうしてなんでしょう。

そして、この展示でもっともインパクトがあったのはやはり久永強。
シベリア抑留の経験のある作者が思い立ち一気に描きあげた40数点の作品は実に恐ろしい作品でした。
ひどい抑留生活がつづくうちに、体力だけでなく、精神的にいかに人間らしい気持ちが失われていくかが分かる回想になっています。
香月泰男のシベリア・シリーズを見て、これは私のシベリアとは違う、と思ったのが、描き始めるきっかけだったそうですが、人のスイッチってなにがきっかけで入るかわかりませんね。(ひ)