89歳の日々

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気軽に読める 田辺聖子の「新源氏物語」

2008-09-03 11:14:16 | 読書
 
 初心者にも楽しく読めるという、田辺聖子の「新源氏物語」を読んでの印象です。

 第一には、当時の人々の心配りの細やかさです。
 光源氏は“まめまめしく、沢山の愛人を作っている事で有名な方”ですので勿論その気遣いたるや大変なものです。
 これが彼らにとって、人生の一番大事な事なのかも知れないほどです。

 特別な香を焚き染め、特別に選んだ料紙に特別素晴らしい筆跡で並々ならぬ文章を度々書き送り相手を感動させます。

 それが、愛人とか、お祖母様などの血縁の方々のみならず、他の色々なお年寄り等にも、ねんごろなご挨拶や、お見舞いなどを度々丁寧に書き送っている事に感心します。

 これは、私がお礼状をお出しする所が沢山あり、いつも乱筆乱文で、手早く書いてしまうと言う悪い癖ありますので、特に気が付いた事でしょう。

 第二に不思議に思う事は、当時の最高級官僚は、どんな風に仕事をしていたのでしょうか? 愛人や、時には妻を夜に訪れて、明け方に帰ると 次の日の仕事はどうするのでしょう。官位は名ばかりで余り仕事をしない組織かとも思います。

 第三に彼らの遊芸や芸術、及び仏教に対する打ち込み方。
様々な楽器を演奏する、優美に踊る、様々な工芸や着物等に対する知識。
美貌と姿の良さに加えて、それらへの見識が人物評価になるらしい。
そして最後は仏門に入りたがる。
やんごとない方々は、なかなか大変な時代です!
 (何時の世でも ”楽は下にあり”ですね)

 今日、水曜日は九谷美陶園の定休日ですので、朝もゆっくり起きのんびりBLOGを書いています。

 先日の大阪高島屋の特選ギャラリーでの「色絵コレクションー九谷美陶園展」においで下さった沢山の方々に、光源氏の万分の一でも倣って、心を込めた丁寧なお礼状を書きたいものです。

 九谷美陶園の器を愛して高島屋のギャラリーまでおいで下さった皆様に心から感謝致しました。こんな時には仕事をして居る者の幸せをつくずく感じます。



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2 コメント

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面白く読んでいます (Seccho)
2008-09-05 12:48:12
ブログを職場の昼休みに時々読んでいます。面白いですね。特に読書の感想が。多読で羨ましいこと!
今日の源氏のご感想で、「最後に仏門に入りたがる」というところ、平安時代は末法思想が蔓延していましたから、極楽へ行きたいがために仏門に入りたかったのではないでしょうか。ですから阿弥陀信仰も盛んでした。昨年読んだ司馬さんと誰かの対談だったと思いますが、「阿弥陀仏などは仏様も末も末の位の仏様で、阿弥陀堂などお釈迦さまが聞いたら卒倒するする」との記述がありました。
以下は、私のコーラス「樹林」の常任指揮者で合唱会では知られた先生で、NHKの合唱コンクールの審査員などもしています。話も多岐にわたって面白いですので、お時間でもあればどうぞ。「水のいのち」は、私達の定演でも歌って、非常に美しく、詩もすばらしいものです。ではまた

http://www.davide-hide.com/category/blog/
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鑑賞できたら幸せになれたでしょうに! (mr.leon)
2008-09-14 22:07:13
高島屋さんで?
なにわ在住で生活圏に入れています。
残念でしたわ!!
昨日は近鉄百貨店上六へ画廊まで
九鬼三郎画伯に再会して参りました。
(9月17日まで開催)
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