89歳の日々

home: http://kutani-mfg.jp

酷暑の夏は だらだら読書

2010-09-08 19:56:55 | 読書
  大好きなシホンケーキを焼きました。お皿もロングランのものです。

台風は先程、石川県に入ったと言いますが、しとしと雨がふるばかりで、
風はそよともしません。そんな台風もあるのでしょうか?

歴史的な?正しくは記録的な猛暑とアナウンサーが毎日言っていましたが、
台風のおかげでやっと涼しくなりましたね。如何お過ごしでしたか?

私は会社の仕事を終えると、食事を作り(食後の食洗機に入れるのは夫がして)
後は、ぼんやり2人でテレビを見たり(毎週の自動予約も役に立っています)
その後は、下記のような、だらだら乱読をしていました。
 
「竜馬がゆく」文庫版8巻 司馬遼太郎著
「許されざる者 上・下」辻原登著 
「一週間」井上ひさし著

「竜馬がゆく」 
テレビで見ると、詳しく知りたいので、長い物語だから読むのはどうかな?
と思いながら、1998年の新装文庫版8巻を再読。前に読んでから12年経ちました・・
面白いのでついつい読んでしまう。
以前から 剣は立つが学もない竜馬が如何して、明治維新の根幹になるような
“船中八策“を書いたかが不思議で、本当に彼が書いたのかと疑う程でした。

今度読み返して、
(1)彼が武士の下のクラスの郷士階級で、しかも脱藩浪人であった。
  家は半分商人だったので、当時としては階級や身分に余り縛られない考えを
  持ち、どこへでも気軽に遍歴出来た事。
(2)当時海外の知識に最も優れた人々から進んで学んだ事。
  *1853年江戸で千葉道場に入門し、すぐ進歩的な学者・佐久間象山の
   門下に入っている。(しかも千葉道場では最高級の免許を受ける)
  *故郷に帰ってからは、土佐に帰って居たジョン万次郎から、
   海外事情を細大漏らさず聞いて「漂巽紀略」を書いた河田小龍に通った。
*1862年 再度江戸に上り幕府の高官勝海舟の弟子になる。
   勝は竜馬を「落ち着いて何となく冒しがたい威厳があって、よい男だったよ」
   と語っているが遣米使節でもあった海舟は開明の士であった。

(3)何処へでも行って有能な士を訪ねてい、親しくなっている。
   江戸から関西方面は船でも行っているが、薩摩、長州、越前藩等に
   何度も何度も大方は歩いて行っている。実地に広い見聞が出来
   遠方から訪ねた竜馬は、お互いに胸襟を開いて親しくなったのではないか。
   それらの人脈を生かして、歴史的な事柄が出来たのでしょう。
(4)オランダから帰った西周が講義していたという「万国公法」を懐に入れて
   熟読していた。

これらの事から、さまざまな生きた知識を身につけ、竜馬は薩長同盟、
大政奉還に関わり、明治憲法の基にもなるような船中八策、を手がける事に
なったのかと思われました。多分人にも愛された人物だったのでしょう。


「許されざる者」
 和歌山県の医師・大石誠之助がモデル。彼は印度やアメリカにも行った
 社会主義者でクリスチャン。彼は、天皇の暗殺を企てたと、
 でっち上げられた大逆事件で、幸徳秋水らと刑死させられた人です。

小説では大逆事件以前の事で、盛り沢山の事柄が進行し面白く書かれている。
主人公の医者も元藩主の美しい奥方と外国にのがれるという、
ハッピーエンドです。

日露戦争の事も書かれ、森鴎外は「脚気はビールス説」を固守した事など知る。
戦死者以上に脚気で亡くなった兵士が多かったそうです。
大石誠之助について、もっと大逆事件との関わりを知りたかったと思いますが、
関わりもないのを事件にしたのが、大逆事件かも知れません。


「一週間」井上ひさし著
井上ひさし最後の長編小説。
ソビエトの捕虜収容所で日本の軍人の元上官達の最低の人間性。
日本人は20世紀になっても人権も何も無い、無能な国民だったので
しょうか?おぞましい事です。

でも美味しいロシア料理の詳細なレシピー等は、料理研究家の奥様から
聞かれたのでしょう。(少しのロシア語も?)
彼女の父親は衆議院議員・米原昶氏で、日本共産党代表としてプラハに
赴任し、彼女もそこに暮らしロシア語も学びました。

物語の主人公は戦後シベリアの捕虜収容所に入っていて、日本人向けの
新聞発行の部署に配され、たまたま脱走に失敗した元軍医から
若きレーニンの手紙を預かります。

スターリンは少数民族をバラバラに移住させたり、差別した事で知られていますが
その手紙には、レーニンがカルムイクという少数民族の出身と告白されているので、
これは体制を揺るがすような問題なのです。

(実際、ウズベキスタンに行った時に、スターリン時代にソビエトの国境近くの韓国人2万人ほどが着のみ、着のまま遠くウズベキスタンに連れて来られて住んでいる話を聞きました)

ソビエト側では何としてもレーニンの手紙を主人公から奪い返さなければ
ならないと、スリル満点に進めらる物語です。

今日は定休日ですが、夕方、これだけ書きましたらすっかり疲れました
我ながらご苦労さまな事です!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿