89歳の日々

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「シュリーマン旅行記 清国・日本」も面白い!

2011-12-08 14:49:57 | 読書

 果物と野菜は中央に美味しそうに描けました。
 小さいの絵ですがを手にとってご覧いただきたい采果文様です。
 これもお正月に向けて作り好評なものです。 
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テレビの読書案内かで知った本ですが、シュリーマンは
貿易や銀行業等で十分にお金を蓄えた後でまず世界一周します。

1865年に清国と日本を訪れた部分が文庫本になっていますが、
清国の汚さ、わいろ、様々な酷さが世界の中でも類を見ないと書かれ、
日本に就いてはその反対の賞賛が目立ちます。

彼の凄い処は、北京から万里長城に行った時 その頃はあちこち
壊れていて登るのも歩くのも命がけの様な大変さだったようですが、
(高さ130m以上で60度の傾斜ながら階段は幅7cにも満たない処を
よじ登ったり・・・)其れにも拘らず長さ67cのレンガを2つ背中に
括りつけて持ち帰り長城の建築技法や建築材に就いてごく詳細に
調べて書いている巨人です。

私共も西域で万里の長城が途絶えた最後の所まで行きましたが、
ここは大分藁を入れて作ってあると思ったくらいで彼の観察力の
万分の1も見て来ませんでした。

日本人の清潔好き、賄賂が無く少しのチップも受け取らない社会などを、
彼から見ると丁度今の日本人がブータンを見ているような、西洋と反対に
物質ではない日本の幸せを賞賛しています。
“西洋の結婚難は家具調度を競う為に裕福なものしか結婚できない。
日本に来て生活不可欠と思うものの多くは少しも必要ではなかった“等と。

でも、船頭、人足などが下帯1本で体中に入れ墨をしている(6月)、
銭湯の傍を通る外人を見ようと混浴の男女が真裸のままでシュリーマンの
そばに群がって来る、車引きも下帯だけの裸で殆ど皮膚病にかかっている。
でも広い大名屋敷や寺院の庭園の美しさ等も述べています。

後書きに訳者がアテネのシュリーマン宅を訪れた事が書かれていますが、
8年前 私共夫婦が彼の邸宅を見に行った時は丁度夕方の閉館時間で、
残念ながら入れませんでしたが、その5年後に私共夫婦と妹との3人で
黒海クルーズの折りに、又アテネで念願のシュリーマンの住居を
再訪する事が出来たのです。

彼の細分わたっての意見で作られた家は、良質な材料で凝った造りでした。
最晩年彼が愛した家族と幸せに暮らした処を訪れる事がとうとう出来ました。
現在コイン博物館になっていますが、見たかったアレクサンダーのコインは
見付けられませんでしたが。

私と妹との初めての海外旅行は、36年前アテネから始まり無謀にも
現地の1日ツアーでミケーネに行き、西洋人の中に二人だけの東洋人で
当時は英語もごく不自由ながら、シュリーマンが発見した獅子門や
黄金のマスクを見た感激は今でも鮮明に胸を打ちます。
今度はその時行けなかったオリンピアにも行きました。

其のシュリーマンはトロイの発掘をする前に世界1周旅行の途中に
3ケ月程日本も訪れて、詳細な記録を残したのがこの本です。



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