(ペルセウス座流星群)
今宵、銀河鉄道の夜に訪問していただき、ありがとうございます。
現実の世界に疲弊した皆さまを、夢とロマンの時空にご招待します!
私たちに必ず訪れる「死」
はたして、「死後の世界」は存在するのでしょうか。
今宵、人類の永遠の謎であるテーマについて述べてみたいと思います。
私が辿りついた解答については、次回その2に詳述します。
先日NHK報道スペシャル番組で、臨死体験など人間の死に関するテーマについて、最先端の脳科学で検証するといった非常に興味深い内容の番組が放映されました。
「臨死体験 立花隆思索ドキュメント~死ぬとき心はどうなるのか」です。
先ずは、この番組からご紹介しましょう。
【今、ひとりの脳科学者がこれまでの科学に挑戦状を突きつけています。
彼は天国に行ってきた、そのことは証明できる、と言っていました。
「心が体から離れて天井に浮かび上がり、無数の蝶が飛び交う景色を見た後、
荘厳な門がそびえ立つ世界を訪れ、最後に神聖な存在が居る場所に導かれました……私がお話することは、すべて科学に基づいています。
それはこの世界の成り立ちについてです。
科学では『心』、つまり意識は脳から生み出されると言っています。
そうだと本当に言い切れるのでしょうか。
脳と心に関係があることは認めます。
しかし、脳が心、つまり意識を生み出すという考えは間違いなのです」
みずからの臨死体験を語っていたエベン・アレキサンダー博士(脳神経外科医)のコメントです。
同博士によると、脳が働いていないときにこの臨死体験をしたのだから、脳と心は別の存在だというのです。
エベン・アレキサンダー博士が臨死体験をしたのは、脳を細菌に侵されて昏睡状態に陥ったときのことでした。
これまでは、脳が機能しなくなれば『心』も消える、と考えられてきました。
しかし、その考えは博士が病気から回復し、それまでのデータを洗い流したとき、大きく揺らいだとのこと。
エベン・アレキサンダー博士が昏睡に陥った3日目の画像では、白い炎症が脳全体に見られました。
このとき、博士の脳は炎症による膿で血管が圧迫され、血液が流れなくなっている状態でした。
さらに、生命の維持に欠かせない『脳幹』と呼ばれる奥深い部分まで損傷し、脳波が観測されなくなっていたといいます。
脳の活動が止まり、博士が生還できる確率は2%と診断されたそうです。
エベン・アレキサンダー博士の脳画像は当時、彼が意識も思考も記憶も機能していなかったことを示していました。
そんな状態だった7日の間に博士は臨死体験をしたのです。
立花隆氏は、エベン・アレキサンダー博士に次のように質問しました。
「その7日間、脳は完全に昏睡状態だったのですか」~立花氏
「そうです。脳はまったく働いていませんでした」~博士
「脳が機能しなかったのに、その間のことをなぜ覚えていられたのですか」
~立花氏
「現代の脳科学では、私の体験がどのように起きたのか説明することは全くできません。だからこそ私は長年このテーマと格闘し続けているのです」~博士
エベン・アレキサンダー博士の臨死体験は、従来科学による説明では全く不可能でした。
次に、体外離脱した乳児の事例が紹介されました。
記憶も知識もほとんどない赤ちゃんが、昏睡状態の中、体外離脱し、その時のことを覚えていたというのです。
ジャクソン・バワーズ君(4歳)は産まれてすぐに臨死体験したといいます。
ジャクソン君は、生後1か月でインフルエンザをこじらせて肺に穴があき呼吸ができなくなりました。
集中治療室で蘇生装置につながれ、薬で眠らされていた彼は、何度も命の危険にさらされたそうです。
4か月後、ジャクソン君は奇跡的に回復しました。
そして彼が2歳になった頃、突然、病院での体験を次のように話し始めたというのです。
「僕は死んだんだよ」~ジャクソン君
「死んだ? 何が起きたの?」~母親
「神様のところに行ったんだよ。きれいだったよ」~ジャクソン君
さらに、ジャクソン君は、手術中のことや、救急車に乗ったときの話、父親が付き添ったときの話もしたそうです。
ジャクソン君が2歳になった頃から、この臨死体験を語り始めたそうですが、彼の話は何もかも本当に起きたことばかりだったと母親は証言していました。
「薬で眠らされた生後1~2か月の子が、その時の出来事を覚えていることは、医学的に説明できないと思います。科学的にはありえないことなのです」
~ジャクソン君の担当医のコメントです。
一方、立花隆氏は死を考える手がかりとして「人の心」を知る必要があると考えました。
心の一部でありもっとも重要な「意識」は、現在科学では謎といわれてきました。
ウィスコンシン大学ジュリオ・トノーニ教授(精神医学)は、意識研究に革命を起こしたともいわれる研究者です。
トノーニ教授が提示したのは「意識が脳内で生まれる全く新しいメカニズム」です。
「人間の意識とは、脳神経細胞が複雑に絡み合ったクモの巣のようなもので、
意識はすべて数学的に表現できると私は考えています。
そして意識、つまり脳内の情報はクモの巣よりずっと複雑であると考えています」~トノーニ教授の理論です。
トノーニ教授は、神経細胞の複雑なつながりこそ意識の正体だというのです。
これは「統合情報理論」と呼ばれています。
分かりやすく説明すると、「熱い・寒い・」などの感覚、「楽しい・悲しい」などの感情、「母の言葉・恋人とケンカした」などの記憶、「食べる・本を読む」などの行動のそれぞれが、複雑に絡み合って意識になっているとのこと。
つまり意識は脳内の特定な細胞にあるのではなく、膨大な神経細胞が複雑なつながり方をして、一つに統合されたときに生まれるというのです。
「この理論を調べてみると意識を生み出す方法について、非常に正確に言っているのに気づくでしょう。この理論を使うと脳内での意識について、多くの謎を解明できます。
眠れば意識がなくなることや、脳のどの部分が意識を生み出すのかも、その理由も説明できます。今のところ全て説明可能なのです」~トノーニ教授
さらにトノーニ教授は、意識の大きさを世界で初めて数式で表しました。
極めて複雑な数式は、脳内の神経細胞の数が多くてつながりが複雑であればあるほど、意識の量が大きくなることを表していました。
「私たちは意識の特性を表す数式を作り、それを実際の脳に適用できるようになりました。これによって、脳が実際に科学的に意識を作り出していることがわかったのです。
私たちの脳のある部分が意識を生み出すことは明らかであり、脳こそまさに今あなたの意識を生じさせているものなのです」~ジトノーニ教授
意識研究の最前線とされているトノーニ教授の理論。
これが完全に実証されれば、脳が死ぬと神経細胞のつながりがなくなり、心は消えることになります。
トノーニ教授の理論は、長年人間が追い求めてきた「死ぬとき、心はどうなるのか」という問いに、「心は消える」という答えを提示しています。
しかし、トノーニ教授の理論では、冒頭に記載したエベン・アレキサンダー博士やジャクソン・バワーズ君の臨死体験をうまく説明できません。
100兆ものつながりが生み出す意識の世界は、極めて奥が深く複雑性の極地にあります。
その極みを深めることは、最新の科学でも到底できない大いなる謎にとどまるようです。
では、なぜ人は最後の瞬間、「臨死体験」という神秘体験をするのでしょうか。
ケンタッキー大学医学部脳神経外科ケビン・ネルソン教授は、人間の「神秘的体験」について立花隆氏に次のように述べていました。
「それは脳の辺縁系によるものだと思います。辺縁系がどのように働いているのか詳細には分かりませんが……神秘的な感覚は辺縁系で起こる現象なのです」~ケビン・ネルソン教授
死の間際に、どのようにして神秘体験が起きるのか……ネルソン教授はかかわりが深いと指摘したのは、脳の奥深くにある辺縁系でした。
爬虫類にもあるという、脳の最も古い部分です。
辺縁系は長年の研究によって、睡眠や夢という現象の中心的な役割を担っていることが分かっていました。
死の間際、辺縁系は不思議な働きをします。
辺縁系は神経物質を大量に放出し、人を幸福な気持ちで満たすそうです。
こうして人は死の間際、幸福感に満たされ、それを現実だと信じるような強烈な体験をするというのです。
ネルソン教授は、神秘体験は人が長い進化の過程で獲得した本能に近い現象ではないかと考えています。
「我々の研究で分かったのは、臨死体験をしやすい人は、夢を見やすい脳を持っているということです。興味深いのは、その鍵となる辺縁系が脳の古い部分だということです。
辺縁系は進化の初期段階で生まれた部分です。ですから、神秘体験をする能力は、人間にもともと備わっていたものなのです」~ネルソン教授
立花氏が「なぜ神秘体験をする能力が、人間の心に備わっているのですか」と、鋭い質問をしたところ、ネルソン教授は次のように答えました。
「神秘体験は意識と現実の間で作り出される、感動的で根源的な現象です。
しかし、その詳細は分かりません。
そもそも科学は『どのような仕組みなのか』を追及するものです。
『なぜそのような仕組みが存在するのか』と問われても答えられません。
私たち科学者に言えるのは、どのようにして神秘的な感覚が生じるかだけです。
なぜか? という問いへの答えは、それぞれの人の信念に委ねるしかないのです。
神秘的な体験をするとき脳がどのように働くのかという科学的事実は……誰の信念も変えるものではありません。
脳は必ず神秘的な体験に参加するようにできているのですから。
しかしそれぞれの人が体験した神秘をどう受け止めるのかは……必ずしも科学で証明する必要はないのです。
臨死体験をして亡きお母さんに出会ったとき……それをお母さんの魂と受け止めるのか、お母さんについての記憶だと受け止めるのか、それはその人にしか決められない心の問題です。その人の信念の問題なのです」と。
(結論)
意識は脳内の膨大な神経細胞のつながりによって生まれる。
死の間際、特別な感覚を持ち、神秘的な体験をするように、脳の仕組みができている。
臨死体験は、誰もが死の間際に見る可能性がある奇跡的な夢である。
しかし、人間がなぜ「臨死体験」という神秘的な夢を見ることができる脳の仕組みになっているのか、その理由は最先端の脳科学でもわからないという】
同番組では、「死後の心の問題」や「臨死体験」について、最先端の脳科学者たちに科学的に検証してもらい、真相を解明しようと試みたのですが結局、「それは脳の問題だろう」という曖昧な答だけが残ってしまったようです。
まあ、無理もないお話ですね。
「死」というテーマを追及するのには先ず、「生」という不思議な「生命現象」から解明しなくてはなりません。
「生命現象」を究明するには、地球や月、太陽、そして銀河系などの宇宙創成について、その真相を知らなくては永遠に解答が得られないでしょう。
そんなこと無理だよ、というあなたに私は次のようにアドバイスします。
3次元時空という矮小な物質世界の視点から一歩踏み出してください、と。
「人間の生と死後」という壮大なテーマについて、次回は「河村龍一」の持論を交えながら、皆さまに分かりやすく述べてみたいと思います。
今宵、銀河鉄道の夜に訪問していただき、ありがとうございます。
現実の世界に疲弊した皆さまを、夢とロマンの時空にご招待します!
私たちに必ず訪れる「死」
はたして、「死後の世界」は存在するのでしょうか。
今宵、人類の永遠の謎であるテーマについて述べてみたいと思います。
私が辿りついた解答については、次回その2に詳述します。
先日NHK報道スペシャル番組で、臨死体験など人間の死に関するテーマについて、最先端の脳科学で検証するといった非常に興味深い内容の番組が放映されました。
「臨死体験 立花隆思索ドキュメント~死ぬとき心はどうなるのか」です。
先ずは、この番組からご紹介しましょう。
【今、ひとりの脳科学者がこれまでの科学に挑戦状を突きつけています。
彼は天国に行ってきた、そのことは証明できる、と言っていました。
「心が体から離れて天井に浮かび上がり、無数の蝶が飛び交う景色を見た後、
荘厳な門がそびえ立つ世界を訪れ、最後に神聖な存在が居る場所に導かれました……私がお話することは、すべて科学に基づいています。
それはこの世界の成り立ちについてです。
科学では『心』、つまり意識は脳から生み出されると言っています。
そうだと本当に言い切れるのでしょうか。
脳と心に関係があることは認めます。
しかし、脳が心、つまり意識を生み出すという考えは間違いなのです」
みずからの臨死体験を語っていたエベン・アレキサンダー博士(脳神経外科医)のコメントです。
同博士によると、脳が働いていないときにこの臨死体験をしたのだから、脳と心は別の存在だというのです。
エベン・アレキサンダー博士が臨死体験をしたのは、脳を細菌に侵されて昏睡状態に陥ったときのことでした。
これまでは、脳が機能しなくなれば『心』も消える、と考えられてきました。
しかし、その考えは博士が病気から回復し、それまでのデータを洗い流したとき、大きく揺らいだとのこと。
エベン・アレキサンダー博士が昏睡に陥った3日目の画像では、白い炎症が脳全体に見られました。
このとき、博士の脳は炎症による膿で血管が圧迫され、血液が流れなくなっている状態でした。
さらに、生命の維持に欠かせない『脳幹』と呼ばれる奥深い部分まで損傷し、脳波が観測されなくなっていたといいます。
脳の活動が止まり、博士が生還できる確率は2%と診断されたそうです。
エベン・アレキサンダー博士の脳画像は当時、彼が意識も思考も記憶も機能していなかったことを示していました。
そんな状態だった7日の間に博士は臨死体験をしたのです。
立花隆氏は、エベン・アレキサンダー博士に次のように質問しました。
「その7日間、脳は完全に昏睡状態だったのですか」~立花氏
「そうです。脳はまったく働いていませんでした」~博士
「脳が機能しなかったのに、その間のことをなぜ覚えていられたのですか」
~立花氏
「現代の脳科学では、私の体験がどのように起きたのか説明することは全くできません。だからこそ私は長年このテーマと格闘し続けているのです」~博士
エベン・アレキサンダー博士の臨死体験は、従来科学による説明では全く不可能でした。
次に、体外離脱した乳児の事例が紹介されました。
記憶も知識もほとんどない赤ちゃんが、昏睡状態の中、体外離脱し、その時のことを覚えていたというのです。
ジャクソン・バワーズ君(4歳)は産まれてすぐに臨死体験したといいます。
ジャクソン君は、生後1か月でインフルエンザをこじらせて肺に穴があき呼吸ができなくなりました。
集中治療室で蘇生装置につながれ、薬で眠らされていた彼は、何度も命の危険にさらされたそうです。
4か月後、ジャクソン君は奇跡的に回復しました。
そして彼が2歳になった頃、突然、病院での体験を次のように話し始めたというのです。
「僕は死んだんだよ」~ジャクソン君
「死んだ? 何が起きたの?」~母親
「神様のところに行ったんだよ。きれいだったよ」~ジャクソン君
さらに、ジャクソン君は、手術中のことや、救急車に乗ったときの話、父親が付き添ったときの話もしたそうです。
ジャクソン君が2歳になった頃から、この臨死体験を語り始めたそうですが、彼の話は何もかも本当に起きたことばかりだったと母親は証言していました。
「薬で眠らされた生後1~2か月の子が、その時の出来事を覚えていることは、医学的に説明できないと思います。科学的にはありえないことなのです」
~ジャクソン君の担当医のコメントです。
一方、立花隆氏は死を考える手がかりとして「人の心」を知る必要があると考えました。
心の一部でありもっとも重要な「意識」は、現在科学では謎といわれてきました。
ウィスコンシン大学ジュリオ・トノーニ教授(精神医学)は、意識研究に革命を起こしたともいわれる研究者です。
トノーニ教授が提示したのは「意識が脳内で生まれる全く新しいメカニズム」です。
「人間の意識とは、脳神経細胞が複雑に絡み合ったクモの巣のようなもので、
意識はすべて数学的に表現できると私は考えています。
そして意識、つまり脳内の情報はクモの巣よりずっと複雑であると考えています」~トノーニ教授の理論です。
トノーニ教授は、神経細胞の複雑なつながりこそ意識の正体だというのです。
これは「統合情報理論」と呼ばれています。
分かりやすく説明すると、「熱い・寒い・」などの感覚、「楽しい・悲しい」などの感情、「母の言葉・恋人とケンカした」などの記憶、「食べる・本を読む」などの行動のそれぞれが、複雑に絡み合って意識になっているとのこと。
つまり意識は脳内の特定な細胞にあるのではなく、膨大な神経細胞が複雑なつながり方をして、一つに統合されたときに生まれるというのです。
「この理論を調べてみると意識を生み出す方法について、非常に正確に言っているのに気づくでしょう。この理論を使うと脳内での意識について、多くの謎を解明できます。
眠れば意識がなくなることや、脳のどの部分が意識を生み出すのかも、その理由も説明できます。今のところ全て説明可能なのです」~トノーニ教授
さらにトノーニ教授は、意識の大きさを世界で初めて数式で表しました。
極めて複雑な数式は、脳内の神経細胞の数が多くてつながりが複雑であればあるほど、意識の量が大きくなることを表していました。
「私たちは意識の特性を表す数式を作り、それを実際の脳に適用できるようになりました。これによって、脳が実際に科学的に意識を作り出していることがわかったのです。
私たちの脳のある部分が意識を生み出すことは明らかであり、脳こそまさに今あなたの意識を生じさせているものなのです」~ジトノーニ教授
意識研究の最前線とされているトノーニ教授の理論。
これが完全に実証されれば、脳が死ぬと神経細胞のつながりがなくなり、心は消えることになります。
トノーニ教授の理論は、長年人間が追い求めてきた「死ぬとき、心はどうなるのか」という問いに、「心は消える」という答えを提示しています。
しかし、トノーニ教授の理論では、冒頭に記載したエベン・アレキサンダー博士やジャクソン・バワーズ君の臨死体験をうまく説明できません。
100兆ものつながりが生み出す意識の世界は、極めて奥が深く複雑性の極地にあります。
その極みを深めることは、最新の科学でも到底できない大いなる謎にとどまるようです。
では、なぜ人は最後の瞬間、「臨死体験」という神秘体験をするのでしょうか。
ケンタッキー大学医学部脳神経外科ケビン・ネルソン教授は、人間の「神秘的体験」について立花隆氏に次のように述べていました。
「それは脳の辺縁系によるものだと思います。辺縁系がどのように働いているのか詳細には分かりませんが……神秘的な感覚は辺縁系で起こる現象なのです」~ケビン・ネルソン教授
死の間際に、どのようにして神秘体験が起きるのか……ネルソン教授はかかわりが深いと指摘したのは、脳の奥深くにある辺縁系でした。
爬虫類にもあるという、脳の最も古い部分です。
辺縁系は長年の研究によって、睡眠や夢という現象の中心的な役割を担っていることが分かっていました。
死の間際、辺縁系は不思議な働きをします。
辺縁系は神経物質を大量に放出し、人を幸福な気持ちで満たすそうです。
こうして人は死の間際、幸福感に満たされ、それを現実だと信じるような強烈な体験をするというのです。
ネルソン教授は、神秘体験は人が長い進化の過程で獲得した本能に近い現象ではないかと考えています。
「我々の研究で分かったのは、臨死体験をしやすい人は、夢を見やすい脳を持っているということです。興味深いのは、その鍵となる辺縁系が脳の古い部分だということです。
辺縁系は進化の初期段階で生まれた部分です。ですから、神秘体験をする能力は、人間にもともと備わっていたものなのです」~ネルソン教授
立花氏が「なぜ神秘体験をする能力が、人間の心に備わっているのですか」と、鋭い質問をしたところ、ネルソン教授は次のように答えました。
「神秘体験は意識と現実の間で作り出される、感動的で根源的な現象です。
しかし、その詳細は分かりません。
そもそも科学は『どのような仕組みなのか』を追及するものです。
『なぜそのような仕組みが存在するのか』と問われても答えられません。
私たち科学者に言えるのは、どのようにして神秘的な感覚が生じるかだけです。
なぜか? という問いへの答えは、それぞれの人の信念に委ねるしかないのです。
神秘的な体験をするとき脳がどのように働くのかという科学的事実は……誰の信念も変えるものではありません。
脳は必ず神秘的な体験に参加するようにできているのですから。
しかしそれぞれの人が体験した神秘をどう受け止めるのかは……必ずしも科学で証明する必要はないのです。
臨死体験をして亡きお母さんに出会ったとき……それをお母さんの魂と受け止めるのか、お母さんについての記憶だと受け止めるのか、それはその人にしか決められない心の問題です。その人の信念の問題なのです」と。
(結論)
意識は脳内の膨大な神経細胞のつながりによって生まれる。
死の間際、特別な感覚を持ち、神秘的な体験をするように、脳の仕組みができている。
臨死体験は、誰もが死の間際に見る可能性がある奇跡的な夢である。
しかし、人間がなぜ「臨死体験」という神秘的な夢を見ることができる脳の仕組みになっているのか、その理由は最先端の脳科学でもわからないという】
同番組では、「死後の心の問題」や「臨死体験」について、最先端の脳科学者たちに科学的に検証してもらい、真相を解明しようと試みたのですが結局、「それは脳の問題だろう」という曖昧な答だけが残ってしまったようです。
まあ、無理もないお話ですね。
「死」というテーマを追及するのには先ず、「生」という不思議な「生命現象」から解明しなくてはなりません。
「生命現象」を究明するには、地球や月、太陽、そして銀河系などの宇宙創成について、その真相を知らなくては永遠に解答が得られないでしょう。
そんなこと無理だよ、というあなたに私は次のようにアドバイスします。
3次元時空という矮小な物質世界の視点から一歩踏み出してください、と。
「人間の生と死後」という壮大なテーマについて、次回は「河村龍一」の持論を交えながら、皆さまに分かりやすく述べてみたいと思います。