河村龍一の「月の癒し」~銀河鉄道の夜

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堀慶末被告~「愛知碧南夫婦強殺事件」の裁判で,またしても命拾いか!

2016-08-21 12:13:25 | 日記

今宵、「銀河鉄道の夜」に訪問していただき、ありがとうございます。

「闇サイト殺人事件」が発生してから、今年の8月24日で9年経過します。

 

戦後類例のない残虐非道な殺人事件でしたが、過行く年月とともに人々の記憶が薄れ、やがて事件は風化するでしょう。

しかし、ある理由により、この事件だけは絶対風化させない、させてはならないと、私は今でも強い執念に燃えています。

 

日弁連は、日本の死刑制度全面廃止を実現させるために「死刑廃止検討委員会」を発足させ、その活動の一環として、こともあろうに国民的関心度の高かった「闇サイト殺人事件」最終審を利用しました。

 

この「卑劣極まりない企み」については拙著「闇サイト殺人事件の遺言」に詳述してありますが、私が危惧していたとおり現在の日本では、殺人事件の被害者数が1人の場合、絶対に死刑になりません。

それどころか、2人の被害者数でも死刑にならない、といった判例まで出てきた始末です。

それも、よりによって、またしても「堀慶末被告」が絡んだ(主犯)「愛知碧南夫婦強殺事件」の裁判員裁判だったのですから、呆れてしまいます。

同事件では、堀慶末被告と共に無職の佐藤浩被告と、建築作業員の葉山輝雄被告らが共謀して、碧南市のパチンコ店店長の馬氷(まごおり)一男さん(当時45歳)と、妻の里美さん(当時36歳)を殺害しました。

同事件で殺害された被害者数は2人ですね。

しかし、例によって日弁連の思惑どおり2016年2月5日、同裁判では「夫婦殺害で重要な役割を果たしたが、死刑選択がやむを得ないとは言えない」として、検察側の死刑求刑に対し、葉山輝雄被告に無期懲役の判決が下されてしまったのです。

こうなると、「確信犯」ですね、日弁連の暗躍は!

被害者数が2人では死刑にならない、といった「一部限定した死刑制度廃止」が既に実現されてしまったわけです。

 

じゃあ、いったい何人殺害したら犯人は死刑になるのでしょうか?

その答えですが、将来的には「何人殺害しても絶対、犯人は死刑にならない」という結果になります。

つまり、日弁連が段階的に実現させようとしている「日本の死刑制度全面廃止」になってしまうということです。

 

私は拙著「闇サイト殺人事件の遺言」の刊行後、被害者遺族で故磯谷利恵さんの

磯谷富美子さんにご挨拶をかねてお会いしました。

この時、私は筆舌しがたい「被害者遺族の報復感情と悲しみ」というものに圧倒されてしまいました。

また、同事件発生後の報道番組で、お母さんが号泣しながら最愛の娘を失った悲しみと、犯人たちへの凄まじい怒りの様子が放映されていましたが、その光景を視た瞬間、犯人たちに対するどうしょうもない怒りがこみ上げてきて、絶対こいつらを死刑にさせなくては、という強い義憤に駆られてしまったのです。

ですから、このような残虐非道な事件など二度と発生させないために、社会正義防衛上の観点から「闇サイト殺人事件」だけは絶対、風化させてはならないと決意しました。

 

主犯格の神田司は既に死刑執行されたのですが……堀慶末は未だにのうのうと生き永らえて、余罪が発覚しても悪あがきしている始末です。

 

以前、当ブログでもお伝えしたとおり、2015年12月16日、堀被告の弁護側は判決を不服として控訴、2016年7月5日、初公判で、弁護側は一審判決について「事実誤認がある」などとして死刑回避を訴え、検察側は控訴棄却を求めました。

私の想定どおりの展開になってきましたね。

堀被告は妻の殺害には一切関与していない、つまり、闇サイト殺人事件の被害者故磯谷利恵さんも含めて、過去の殺人事件では「2人しか殺害していない」と、言い逃れるようです。

そして、日弁連側では「愛知碧南夫婦強殺事件」の裁判も利用して、「今後、殺人事件で被害者数が2人の場合、絶対死刑にはならない」といった判例を定着させるつもりでしょう。

またしても、ゴネまくる「堀慶末」は命拾いする結果になってしまうかも知れません。

 

たしかに、死刑制度廃止派の方々の意見も理解出来ます。

いかなる理由があるにせよ、たとえ殺人犯だといえども、「人が人を殺す」といった野蛮な行為は、いずれ人類の文明社会から絶対排除すべきです。

そのような理由から、私は刑務官として勤務するまでは、日本の死刑制度を廃止すべきだという思想を持っていました……。

 

ただ、悲しい事実ですが現在、人類の知的レベルではまだその段階には達していません。

それを証明するような典型的な事件が発生し、国内外で報道されました。

 

【今年の7月26日未明、神奈川県相模原市緑区の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら19人が刺殺され26人が重軽傷を負った事件が発生した。

同事件で逮捕された犯人は元同施設職員植松聖容疑者(26歳)で、植松容疑者は「障害者はいなくなればいいと思った」と供述していた。

また、関係者によると、植松容疑者は2月頃、「重度障害者を殺す」「(施設利用者は)安楽死させるべきだ」などと話していたという】

 

当ブログ読者の皆さまは、この植松容疑者や、堀慶末被告のような者など特殊であり、めったにこの国には存在しないと思いますか?

たとえ殺人犯といえども死刑にせず、彼らの人権を尊重して更生させ、出所後には社会復帰できるようフォローすべきだと思いますか?

 

「俺は出所したら自殺するために、多くの女や子どもを殺してやる……そうすれば死刑になるよな。俺は出所したら必ず殺るよ!」

私が刑務官の現職時代、Dという受刑者が保護房(精神状態が不安定な状態になり、自殺、逃走、他人に危害を加える恐れがある等、極めて危険な受刑者を収容する部屋)という特殊な独居房内から私に対して、大声で笑いながらこのように訴えてきたことがありました。

 

私が勤務してきた刑務所には、このような危険極まりない受刑者が数多く収容されていました。

そして出所後、彼らの再犯により新たに善良な市民の尊い命が失われるといった報道を知る度、この国の法の甘さに強い憤りを感じてきたのです。

彼らの矯正・更生・社会復帰ですか……ラクダが針の穴を通るよりも難しいお話ですね。

 

そういえば、そろそろ前記Dが満期出所の頃ですが、刑務所側では彼の身元引受人を探すのに大変難儀していることでしょう。

 

そこで提案があります。

死刑制度廃止派の方で、どなたでも結構ですから、このDの身元引受人になってほしいのです。

彼のような受刑者でも更生・社会復帰の可能性がある、という方は至急、このブログに連絡してください。

そして、1年間でもいいですから彼の社会復帰に協力してみてはどうでしょうか。

1年間あなたが殺されずに無事……おっと失礼!すいません。

彼が普通の生活を過ごしていたら、私はすぐにでも「死刑廃止派」に転向します。

現在の日本の死刑制度廃止を訴える以上、先ずはあなたが実践で証明してみてください。

 

話は脱線してしまいましたが、例年8月24日になる頃、私は「闇サイト殺人事件」発生当時の怒りが再燃してきてしまいます。

 

来る8月24日、同事件被害者である故磯谷利恵さんのご冥福をお祈りして頂けるよう、心ある読者にお願いいたします。

 

                                     河村龍一