セージ 2007年05月21日 | Weblog カミさんから庭のセージの花が咲いたら写真を撮ってくれるよう頼まれていた。 彼女の友達に末期の癌と戦うアメリカ人女性がいる。 そのセージは去年マーケットで彼女と一緒に買ったもので、花が咲いたら見せたいという事だった。 「死ぬ準備をしているの。」と語り、メディアの取材も拒まず、生き抜いている様子は、ただ話を聴くだけで、かける言葉さえもみつからない。 こころをこめて写真を撮った。
エイズ・ウォーク 2007年05月20日 | Weblog セントラル・パークでエイズ・ウォークの撮影。 16年くらい前(歳取ってくると話が十年単位になってきてイヤになる)のある日、毎日通っていたイーストビレッジの名画座から映画を見終えて出て来ると、歩道にHIV患者とおぼしき少女が段ボールの上に横たわって眠っていた。 Tシャツとショートパンツから伸びた白い手足ににじむように黒い斑点がひろがっていた。 その日のノートにはこう書いてある。 「部屋に帰って僕は、震える手でカメラを取り上げ、床に転がったギターケースをのぞきこんだ。 広角レンズに付け替え、ふらふらと早足で映画館の前に戻った。 自分が何をしているのかすら解らないままに、まるで犯罪者のようにカメラを彼女に向けた。 ファインダーの中で、彼女はギターケースよりも小さかった。」 いいのか,悪いのか。今でも答えは出ないままだ。
延期 2007年05月19日 | Weblog 盲目の人々に会う。 とてもとても素敵な時間を過ごしたのだけれど、 放送前なので、残念だけど、今はまだここに書けない。 六月上旬の放送予定なので、それが過ぎたら、是非報告したいと思う。
おざなり 2007年05月18日 | Weblog 11歳のK君の家を訪ねる。 放送前なので詳細は書けないけど、日本から来たタレントとK君の暮らしを案内してもらう。 残念なことに、我々が準備不足だったために、彼のご機嫌をそこねてしまった。 「へーえ、すごいねぇー」だなんて、大人たちがおざなりの会話で子供に接すると、拒否反応を引き起こす。 一対一の人間として真剣に接しないと、純粋な彼らには反って見透かされてしまう。 バカにされたような気になるのは当然だろう。 自分の子供時代を思い返すとよくわかる。 わけ知り顔は、本当にイヤだったっけなぁ。
音楽の時間 2007年05月17日 | Weblog 小学校の音楽の授業におじゃまする。 Heave-Ho Meloddiesという陽気な曲の合奏、船乗りの歌だ。 男の子が一人、前に進み出て、オーシャンドラム(日本では小豆を使ってやる)で波の音を奏でる。木琴のイントロが始まり、歌に鉄琴、コーラスがからむ。で、最後にまた波の音のソロがフェイドアウトして終わり。 子供たちの透明な歌声と、飾り気のない楽器の鳴らし方にいたく感動してしまった。 もちろんおせじにも上手ではないのだけど、彼らの無欲な純粋さが、そのまま音に映って、えもいわれぬ美しい響きに、涙が出そうになる。 いつかテレビで見た、小沢征爾が日本の田舎の高校生たちの合唱を聴いてはらはらと涙を流していた場面を思い出した。 あれはこんな感じだったのか。
マクド 2007年05月16日 | Weblog シカゴからルート66に沿って南西に一時間半、レキシントンという田舎街へやって来た。 見渡す限りのコーン畑、映画ペーパームーンの世界へ、 と思いきや、ああ、ここにも黄色いMのマークが…
日本へ帰ったユミちゃんへ 2007年05月14日 | Weblog 連絡ありがとう。 とても嬉しいよ。 僕が4年くらい前に腸に癌を見つけた時、 医者に「もう半年も発見が遅れていたら、生きちゃいなかっただろうよ。」と言われて、ああ、これが自分の人生だったんだなと思ったことがありました。これでおしまいだったんだと。 人はいつかやって来る筈の理想の時を自分の人生なんだと思いがちだけど、 実はそこに向かってバタバタともがいている「今」こそが、いつでもいちばん素敵な時なんだと思います。 君と一緒に仕事をした日々は、今も僕の中に宝石の様に輝いていて、いつでも頬笑ませてくれる。ホントに楽しかったね。 また会いましょう。 http://www.youtube.com/watch?v=GbL4JKfLf4I&mode=related&search=
テレビ 2007年05月13日 | Weblog ネットでぶらぶらしていたら、YouTubeで情熱大陸のチャーというのをみつけた。 テレビの作り手が被写体のレベルについて行けずに、陳腐な感じがする。 夕方、旅写真家のT君来訪。映画監督原一男のドキュメンタリービデオを見せてくれた。これまた同じような印象を持つ。テレビがみっともない。