岩切天平の甍

親愛なる友へ

友遠方ヨリ来タル

2008年09月10日 | Weblog

ええ~っと・・9月10日・・・。
高校時代からの旧友、米澤君から連絡があった。

大手出版社で編集者としても働くロック・ギタリストは、AC/DCの取材でニューヨークに来ているのだと言う。
仕事が終わって会うことになり、ハーレムの老舗、St. Nick's Jazz Pub に誘った。ジャズ・オルガンの敦賀明子が出演していた。

薄暗くひなびた紅いステージのかぶりつきに座る。
真横でつるりんがにこにこと身をくねくね捩りながらブルースを弾いている。
明日は9/11の追悼式典がある。 朝早い中継の仕事だからあまり飲めないなぁ・・でも、なんだかやばいなぁこの雰囲気・・・

・・・ん~? どこかで電話が鳴ってる・・・。ここは何処?
ああ、ウチの玄関に倒れてるんだ。
「はい、もしもし・・・。」
「ぼく、4時半集合って言いませんでしたっけ?」
とプロデューサー氏の低くドスの効いた声。
「ひぇ~っ!す、すいましぇ~ん!!」
スタッフはにやにやしながら見て見ぬふりをしている。
何とか中継には間に合って、ぐったりと家に帰る。

鞄、財布、カメラ、なくした物は無いみたいだなと一息。
録音機?・・ああ、そう言えば夕べ演奏を録音してたんだけっけ。
ふんふん、なかなか良く録れてるじゃない。良かったねぇ、この曲。
それにしてうるさいなこの客、せっかく良く録れてるのに・・・。
ん?なんだこの酔っぱらい俺じゃん!

ヘッドホンを差してボリュームを上げると冷や汗が出て来た。
「どうしているんだい。」と真面目に問いかける友にへらへらと逃げを打つ泥酔者の会話が克明に録音されている。
「おっれはサァ~、おっまえがすっきなんだヨォ~れろれろ。」
最低! とても聞けたもんじゃない。誰にも聞かせられない。

僕にしても世間的にはそれなりのキャリアで(撮影の仕事を始めて20年以上になる)それなりにちゃんと働いている(翌朝を除いて)にもかかわらず、我が友は「そんな事を言っているんじゃない。」と手厳しい。
「オマエは自分の歌をうたっていないじゃないか。俺はお前の歌を聞いてから死ぬよ。」
「・・・。」

まったく、古い友とはありがたい。

誰かを本当に反省させようと思ったら、酔っぱらっている時の会話を録音して聞かせるに限る・・・俺だけか。
つるりんはオルガン弾きながらあの会話を聞いていたのかなぁ・・・。

これはしばらく立ち直れそうに無い。




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
みんな ()
2009-06-20 02:58:08
みんな、もうムスコムスメがあの頃の歳だろうねぇ、いやはや・・・。
返信する
Unknown (Koichi IWAMOTO)
2009-06-18 23:49:34
オレ、留年してテンペーと一緒になって、ひねくれた高校時代の記憶にあるのは学祭とかで当時趣味でやってたカメラで撮影した面々・・・。
謙二はPistols好きなオレを、あんなの音楽じゃないとけなしながらも、ロック談議ができた大事な友。
みんな遠くに行ってしまったけど、遠方にいても近くに思える友。自分だけかな。
当時あんまりしゃべったことがなくても、みんな元気でいてね。
返信する

コメントを投稿