岩切天平の甍

親愛なる友へ

ジャスミン

2007年05月30日 | Weblog

 ジャスミンの花が咲いて、風が吹くと家の中まで匂う。
賃貸でささやかだけど、庭のある暮らしは気に入っている。
芽が出て、花が咲いて、実ができて、種が出来る。
それはまるで、人の一生が植物の姿を借りて繰り返されているようで、
不純なこころ無く、咲き、交わり、子孫をつくる 美しい営みに「人もこんな風に生きられたら」 と思うことがある。
あと何回この花が咲くのを眺めることが出来るだろうかと考えると、いやが上にも日々へのいとおしさが増す。

仕事で、たまに何億円もする高級マンションを訪ねることがある。
地上三十階からのセントラルパークの眺めもリバーサイドからのマンハッタンの夜景も見事ではあるけれど、何か寂しい気持ちがしてしまう。
遠すぎて、きらめく様な命の営みが感じられないのだ。
ここに住んだらきっとけんかしてしまうだろうなと思ってしまう。

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