岩切天平の甍

親愛なる友へ

中野重治詩集

2008年02月21日 | Weblog

ひょっとしてと思って自宅の本棚を見たら、中野重治の本が一冊あった。中野重治詩集、こんな本を置いて行ったのはきっと詩人のヒデ君だろう。

冗長な文章は、そこに如何に良い事が書かれていてもなかなか他人様には読んでもらえない。
この忙しい世の中ならなおさらだ。
無駄を削ぎ落として削ぎ落として行き着く先が、あるいは詩という形態なのかしら。

プロレタリア詩人を自称する中野重治の詩は解りやすい。

浦島太郎

今宵は雨がふって
ついそこの家ではまた蓄音機をはじめた
童女がはかなげな声をはりあげて「浦島太郎」をうたうのだ
浦島太郎は亀にのり・・・
乙姫様のお気に入り・・・
しらがのじじいとなりにけり・・・
おまえもうたってごらん
そしてこれは誰のことをうたつたものか教えてくれ



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