パーマカルチャーという言葉を耳にしたことがありますか。
永久とか永続的という意味を持つパーマネントと、農業のアグリカルチャーをかけあわせた造語。
カルチャーには文化の意味も込められ、日本語に訳せば『永続的な農業』あるいは『永続的な文化』となります。
このパーマカルチャーを提唱したのはオーストラリア人のビル・モリソン。1970年代前半のことです。70年代と言えば、世界中でヒッピームーブメントが起こっていた時代。
ディープなヒッピーの多くは自由を求めていたのと同時に、プリミティブなライフスタイルへの回帰もビジョンの中に持っていました。
そんなヒッピー文化に影響を受け、オーストラリアの東海岸でパーマカルチャーは生まれ、成長していったに違いありません。 日本でのパーマカルチャーの広がりは、93年にビル・モリソンが書いた『パーマカルチャー―農的暮らしの永久デザイン』が翻訳発行されたことが、大きな一歩となりました。
パーマカルチャーは生態系を基本としています。動物から植物、微生物まで、生態系のなかにはありとあらゆるものが存在している。
それ同士がお互いに、エネルギーとか物質とかでやりとりをしている。お互いがお互いのゴミにならない、ひとつのものが出すものを次に利用する。エサになったりエネルギーになったり。だから結果として、地球では人間以外の生態系にはゴミというものがないわけなんです。
そのシステムを人間の暮らしのシステムになんとか応用できないのかということが、パーマカルチャーの基本的な考えです。
パーマカルチャーを、農業の一種だと考えていらっしゃる方もいる。けれどそうじゃなくて、農業でも衣服でも建築でもなんでも、自分の周りにあるすべての要素がデザインの対象なんです。
すべての要素の関係性やつながりを目指すのがパーマカルチャーの概念なんです。ビル・モリソンさんが言っているのは『最終的な目的は、食べられる森を作ること』。
森というのは、生態系のひとつの象徴。ありとあらゆる生命がいて、それがお互い森の中ではいい関係を保っている。
我々人間のシステムは、例えばコンビニの袋やファーストフード店の紙コップでも、使い終わった後にはゴミになってどこかへ行ってしまうわけです。ゴミが次の生活のシステムのなかで利用されるということはありません。
次の生活のなかで、僕らから出たものがちゃんと有効利用されるようなシステムにしましょう。もちろんリサイクルもしますし、極力資源を使わないようにする。生活のデザインを、地球というものの尺度で考えましょうよ、ということなんです」
パーマカルチャーとは、食も衣も住も、自分の周りのすべての環境をリンクさせたライフスタイルをデザインすること。
50年前のおじいちゃんやおばあちゃんには、生活の知恵がありました。
それが日本のパーマカルチャーなのかもしれません。生活のための知恵、無駄にしないアイデア。我々の世代では忘れてしまったことなんだけれど、今引き継げばまだ間に合うと思うんです。
日本には百姓という言葉があるじゃないですか。百の姓を束ねる人、つまり百の仕事を持っている人という意味があります。自分の生活の周りにあるすべてのデザインをやっていこうと思うと、すべてのことに自分の手を下さないといけないわけです。食べるものも飲むものも着るものも、家もそう。
現代の我々の生活というのは一姓になっているわけですね。農業だけとか建築だけ、衣服だけ、料理だけとか。
自分のできる姓をひとつずつ増やしていくこと。どんな小さなことでもいいと思うんですね。例えばファーストフード店にいったら、紙コップを使わなくてマグカップを使うとか。ちょっとした土地があれば、簡単に育てられる野菜を植えてみるとか。
ちょっとだけ、自分の生活を変えてみること。99も外注していたことを98に減らす。とりあえずのひとつのスタートだと思うんです。
みんなが99を98に減らすことができれば、都市全体から考えれば、ずいぶん変化があるはずです」 人口密度が342人を超える日本では、循環によってすべてをまかなう生活の実現は、非常に難しい。
日々生活していくなかで、利用されることのないゴミはどうしても排出されます。ただゴミをいかに少なくするのかを考え、身の周りの小さなことから実践していくことは難しいことではありません。
パーマカルチャー、それはすべての共生と循環を想定した、地球にとっても私たち人間にとっても居心地のいい生活の提案に他なりません。
美しくて、地球や環境に良い農的暮らしをデザインしていくことが若い人が農業をやるきっかけになると思うし、農と料理と食で一つの循環だと思うのです。
農家の人と料理する人とミュージシャンやアーチストが想いを一つに出来るようなきっかけ作りをこれから仕掛けていけると良いと思うしそれが自分の役割のような気がします。
政治や宗教ではなく芸術そのものが人々を感動させる力を持っていると思うし、こういった事と芸術(音楽、アート、文学など)が融合していく事が世の中を良くしていく事の鍵だと思います。
パーマカルチャーという言葉、ついきのう環境問題等に詳しい妹から教わって、話を聞いていたところです。私も元気になってなにか行動できるように、興味を持ち続けて行きたいと思います。
レストランで調理師の仕事をするのに、農業を意識することが
最近とても多くなりました。
不耕起の米作りなども見て回りたいと考えています。
百姓とはいかないまでも、色々なことにチャレンジして出来ることを増やしていきたいですね。
>僕もいつか、元気になったnannaさんに会えるのを楽しみにしています。
いつか、一緒にイベントでもやれるといいね。
papaさんへ
>百姓とはいかないまでも、色々なことにチャレンジして出来ることを増やしていきたいですね。<
おじいちゃんになっても少年の心を持ち続けていたいですね。
いつか、papaさんともお会いできる事を楽しみにしています。
>
年齢的にも、昔の生活を知っている分、今の環境に疑問だらけです。
子供達のことを考えても、早く手を打ちたい問題が目白押しですものね。
>地球では人間以外の生態系にはゴミというものがない
この言葉は、重いし、説得力がありますね。
明日から、熊本のTAO塾に行って来ます。
http://www.taocomm.net/
農業の話をいっぱいして来ます。
たけさんとも、再びお話が出来る日を心待ちにしていますね。
美風さんのブログから飛んできました。
わたしは東京でOLをしていますが
OLを辞めたらしたいことをきのう2つ手帳に書き留めたところでした。
1つはスターバックスでバリスタになること、
もうひとつはWWOOHerになって農業体験をすることです。
その2つは一体わたしをどこに連れて行ってくれるのだろう・・・と思ったとき、たけさんの文章を読んで、食べられる森つくりの参加者になるんだ!と合点いったところです。
これからもちょくちょく寄らせていただきたいとおもいます。素敵な記事をありがとうございました。
>日本の農業は高齢者が支えているのが現状です。
これからは若い人をいかに農業に引き入れていくかが大きな課題だと思います。
そのために農と料理と食はそれ一つで一つの循環だと言う事をみんなに分かってもらいたいし、そういったイベントもやっていく必要があると思います。
僕も今週末に自然農をやっている友人が11月5日にそれぞれ収穫祭をやります。
11月5日は名古屋のオーガニックレストランとコラボでイベントをやります。
mayuさんへ
はじめまして
女性の方が農業に興味を持ってくれるのは大きな原動力になっていくと思います。
今はまだ無理ですがまずは東海地方からいずれ関東地方の農家の方とも繋がっていって最終的に大きなイベントに繋がるといいですね。
パーマカルチャーはいろいろな人の力があって実現するので力になっていただけると嬉しいです。
人口密度の高い日本だからこそ出来る事が、逆に沢山あるのかもしれませんね。いろいろな可能性に思いを馳せたら、明るい未来が見えるような気がしました。一歩一歩は小さくても、それが積み重なってきっと大きな変化になる。そう信じて、私もコツコツやっていきます。^^
>一歩一歩は小さくても、それが積み重なってきっと大きな変化になる<
そうですね。
里さんがblogを通じてたくさんの方と繋がれたのもきっとこつこつとやってきた積み重ねの結果だと思いますよ。
まずは自分や家庭のあり方や身の回りの友人の関係が大切だと思います。
一つ一つの小さな輪が大きな環になっていくことが大きな原動力になっていくと思います。
ちかぢか、blogでも告知しようと思いますが、知多で自然農をやっている友人が11月5日に「ピンチオブソルト」「空色曲玉」「アリスベジタリアン」さんらとイベントをやります。
僕も行く予定です。
よかったら遊びに来てください。