アパッチ蹴球団-高校サッカー篇:project“N”- 

しばらく自分のサッカー観や指導を見つめなおしていきたいと思っています。

練習の先に、どんな景色が見えるのか?

2008年10月13日 21時32分24秒 | メンタルの謎
地上波のNHK総合テレビで
北京オリンピックの柔道(JUDO)で
100キロ超級で優勝した石井慧選手の特集をやっていた。



石井選手が国技ともいえる日本の柔道界に身を置きながらも
ヨーロッパや世界で意識されている「JUDO」を意識しながら
練習と研究を重ねた結果、金メダルを手にした過程が、
本人のインタビューと合わせる内容で、
番組が構成されていた。



石井選手が勝利にこだわり、
負けない柔道を常に意識していたことや
5分という時間の幅で最終的に試合に勝つ為の戦術や作戦というものを
考えていたというのはとても勉強になった。



日本の柔道界においては
礼儀に始まり、
相手としっかり組み合って、
技を競い合う、
というのが通例になっていたようだったが、
世界の「JUDO」は相手に組ませずに
いかにポイントを重ね、
試合に勝利するか、
ということを考えるようになってきているとのこと。



もちろん、日本の「柔道」においても、
勝つ為には守備や作戦も必要だろうし、
そのために真摯なトレーニングを選手の方々は
積み重ねているのだとは思う。



石井選手も自分自身のしっかりとした考えに基づいて
斉藤監督とハードな練習を重ねられていた。



映像の中における石井選手自身の言葉で印象的だったのは
『オーバーワークが奇跡を生む』というフレーズ。



練習の過程で追い込んで、追い込んで、追い込むことでこそ、
試合の中で『奇跡』に近いものが生まれる、
ということなのだろうか?



石井選手の言葉を聞きながら、
昔、聞いたプロゴルファーの小林浩美選手の言葉を思い出した。



小林選手は今は選手を引退されて、
協会の仕事をされているようだが、
選手としてアメリカツアーに挑戦されている当時、
なかなか結果が出ず、
精神的にも落ち込んだことが少なくなかったとのこと。



小林選手がゴルフという競技そのものを辞めようと思った時、
ゴルフ以外の世界でとことん自分を追い込んで頑張っている人のことを知り、
『本当に自分は全てやりきったのだろうか?』
『やれることを全部やったといえるのだろうか?』
その都度、何度も自問自答したのだという。



その結果、『まだまだ自分はやりきっていない』と感じ、
競技を辞めずに、アメリカでの挑戦を続けた・・・とのこと。



石井選手も小林選手も
世界という舞台で自分の限界に挑んでいた。



石井選手の金メダルはその過程の先にあった。
石井選手の番組を見た後に、ふと考える。
自分はやりきっているのだろうか?



指導者として。
今、指導している環境は
世界相手に戦う、という場所ではない。



それでも、今いる場所で
限界に挑戦することで
何かが生まれるはず。
何かが変わるはず。
何かが残るはず。
自分は指導者として
自らの限界に挑戦しているのだろうか?



指導者としての未熟さに
原因があるのだと思うが、
今、指導しているチームでは
全力を出し切っている雰囲気にはなっていないのが現実。



練習が始まる前にチーム全体で集合して
その日のテーマを説明したり、
テンションを上げようとしている時に
下を向いている選手、
ニヤニヤしている選手、
あくびをしている選手がいることが時としてある。



もちろん、そういった選手は少数なのだが、
まだまだ、自分の準備の甘さやモチベーションの上げ方に
問題があるのかもしれない。



練習における効率の良さは
選手の集中力につながるとは思うが、
形の上だけで練習の効率の良さを満足していても、
何か足りない気がする。



特に、練習への入り方と練習の終わり方は
その日の練習の成果に大きく影響してくる
と考えている。



今、指導しているチームはプロを養成する場所ではない。
誰一人、プロを目指している選手はいない。
意識が高くないのが普通なのかもしれない。



また、練習も週3回だけなので、
今、指導しているチームの練習においては
石井選手の練習のように
『オーバーワーク』にする所までは行けないかもしれない。



それでも、練習に対する考え方次第では
試合で『奇跡』を起こせるはず。



短い時間でも、選手の気持ちの中に
『やりきる』『追い込む』『出し切る』
という気持ちを持たせることができれば、
選手もチームも少しずつ変わっていく、と信じたい。



新人戦は目の前の試合に集中しながらも、
最終的には地区予選突破というところまでなんとか辿り着きたい、
と考えている。



夏の選手権地区予選で都大会出場チームに
大敗した現状を考えると
新人戦で都大会出場というのは
『奇跡』に近い目標設定だが、
「練習をやりきる」
「自分を出し切る」
「自らを追い込む」
といった意識をもってチームとして練習を重ねていきたい。



足りない部分は選手の自主練で補えることを信じ、
大会を迎えたい。



大会に向けて、
試合に繋がるような練習をしていきたい。
試合での勝ちが見えるような練習をしていきたい。