雑居空間
趣味のあれこれを、やたらめったらフットスタンプ




 有言実行三姉妹シュシュトリアンの24年越しの追っかけ視聴。1993年5月2日放送の第17話は「まくら大王、夢見るぞ」です。



 夜、寝付けずに、羊を数える月子。その数、一万と3匹まで到達しますが、それでも寝入ることができません。
 そんなとき、さながら仮面ライダーに出てくる怪人のような風貌の羊男が、月子の部屋に乱入してきます。必死に抵抗する月子ですが、手に取った雑誌を羊男に食べられてしまい、絶体絶命の大ピンチです。
 助けを求める月子の叫びに反応して、窓から入ってきたのは謎のおっさん。こちらは全身タイツにマントと、スーパーマンのパチモンのような格好をしています。怪しい外見とは裏腹にキレのあるアクションを見せる謎のおっさんは、激しい格闘の末、羊男を部屋からたたき出してしまいました。強いな。
「あなたのヒーロー、安藤です。あなたの夢に現れて、必ず安眠をお約束します」
 うっとりしたような表情で名前を尋ねる月子に対し、男は安藤と名乗ります。月子は安藤に抱きつこうとしますが、その瞬間、安藤は消え去ってしまいます。辺りを見回すと、そこには安藤の衣装を着た、メガネの子供が倒れ込んでいます。
 その子供は窓から去ってしまいます。後を追おうとする月子ですが、しがみついたのは、部屋においてあった巨大な羊のぬいぐるみ。そう、今までのはすべて夢だったのです。
「またあの夢か」
 どうやら、この夢を見たのは、今回が初めてではないようです。カレンダーの5月1日に丸をつける月子ですが、カレンダーには、4月18日からずっと丸印が付けられています。実に2週間もこの夢を見続けているんですね。
 ちなみに、夢に出て着た大人安藤を演じているのは、普段シュシュトリアンのフェイクスタントを担当している大道寺俊典。顔の見えないシーンで、シュシュトリアン雪子を演じているのがこの人です。道理でいい動きをしているわけだ。

「博人くん、まだ寝てるの?」
「月子さん?」
「何言ってるの、あなたの母よ」
 所変わって、安藤家。寝ぼけた少年が母親に起こされているのですが、この少年こそ、月子の夢に出てきた安藤博人少年です。この博人も、月子のことを夢で見ていたようです。
 この母親は、今となっては死語ですけど、いわゆる教育ママゴンです。部屋の壁には、「東大へ一直線」だとか、「大きく咲かそう東大合格の花」だとか、「目的地までの道はひとつ それは東大合格」だとか、とにかく東大合格へ向けて必死で取り組んでいるようですね。ただ、今日も早朝模試(そんなのあるの?)があるので母親はやたらはりきっているようですが、一度起きたはずの博人はまたベッドで横になってしまっています。まだ小学生くらいだろうし、なかなかそこまで勉強には打ち込めませんよね。
 どうでもいい話ですが、この母親を演じている阿知波悟美が柴田理恵によく似ているので、どうしても別のキャラに見えて仕方がないんですよね。正確には、当時このシリーズで柴田理恵が演じていた三軒茶屋のおばさんとか、ETおばさんとかにはそれほど似ていないんですけど、もう少し後の時代の、落ち着いた感じの柴田理恵にそっくりなんですよね。声は似ていないので混同するところまでは行きませんけど、登場するたびにアレ? と思ってしまいます。

 山吹家では、月子の不眠問題について盛り上がっています。両親は、羊を数えても眠れないなら、パンダを数えなさいだとか、ネズミのほうがかわいいだとか、どこまで本気で言っているんでかよくわからないアドバイスを送っています。
 ただまあ、月子が問題視しているのは、眠れないことよりも、夢の中に毎回同じ人物が出てくると言うこと。両親はまるで当てにならないので、そのことは通学途中に、雪子と花子に相談します。
 夢は昼間気になっていることが夜出てくるものだということなので、夢に出てくる子に見覚えがないかと考えてみます。するとその子は、本を読みながら歩いていた為に自転車にぶつかって転んだ少年に似ているということに気がつきます。月子が本を拾ってあげたのですが、その子はランドセルを手に取ると、何も言わずに慌てて去っていったのです。その子こそ、まごうことなき、安藤博人少年ですね。
 「月子お姉ちゃんって、年下の男の子が趣味だったりして」なんて花子にからかわれたりもしましたが、雪子もそのうち出てこなくなるだろうと話して、この話はなんとなく終わっていきます。まあ、今のところは事件と言うほどの事件でもありませんしね。

 安藤家では、博人の部屋を母親が掃除しています。その際、博人が赤ん坊の頃から使っている枕を大事にしていることにブツクサ言っています。この枕を抱えると、すぐにぐーぐー眠りについてしまうのだとか。
 しかしこの母親は、博人を勉強に集中させるため、その枕を捨ててしまいます。うわー、ひでー。これをきっかけに子供の性格が歪んじゃってもおかしくないよ、これ。勉強せずに眠っちゃうことが不満なんでしょうけど、安眠を約束してくれる枕って、かなりの便利アイテムだと思うけどなぁ。

 篠山、加納、荒木の三人組の前でポーズを取る月子。写真撮影されながら、花子とは違って大人の魅力だとかなんとか言われて、まんざらでもない様子です。雪子も花子も同じようなシーンがありましたけど、3人とも結構おだてに弱いよね。
 月子は、その様子を木の陰からながめていた博人少年に気付きますが、博人もそれに気付いてすぐに逃げ出してしまいました。月子が三人組に博人のことを尋ねると、「渡り鳥の安藤」だと教えてくれました。塾をいくつも掛け持ちして、塾から塾へとハシゴしていくから渡り鳥。荒木には「勉強ばっかりしていて、バカにならないのかなぁ」、加納には「趣味は眠ることだっていう変なヤツ」とか言われちゃってますけど、お前が言うなというツッコミは一応入れつつも、三人組の感覚の方がまあまあ常識的ですかね。

 帰宅した博人におやつを勧める母親ですが、博人はちょっと寝てから食べると、部屋へ入っていきます。しかしながら、博人が眠るためのマストアイテムである枕は、既に捨てられてしまっているのです。慌ててゴミ捨て場へ向かう博人ですが、既にゴミは回収されてしまった後です。
 しかしそのころ、ゴミの集積所では怪しい目玉が光っていました。
「目覚めよ、安藤博人の枕」
 その声に応じて、博人の枕が目を覚まします。怪しい目玉は、あらゆる枕を治める枕の王、枕大王だと名乗ります。
 博人の枕は、赤ん坊の頃から博人のためにいい夢を見させてやったり、博人を大好きな月子の夢にまでもぐり込ませてやってたりしていたのです。それなのに、無残に捨てられてしまった。博人の枕を気の毒に思った枕大王は、博人の枕の敵討ちを約束するのでありました。
 そうか、月子の夢に博人が出てきたのは、この枕の力だったのか。長い時間を経た物が付喪神になるという話はありますけど、わずか十数年程度でそれだけの力を持つなんて、かなりやる枕ですね。

 博人は部屋で、「四当五落」の鉢巻を絞めて勉強に臨みます。「四当五落」とは、4時間睡眠で勉強すれば合格するけど、5時間も寝てしまっては合格しないと言う意味の言葉です。いやいや、ちゃんと睡眠もとらないと、頭も働かなくなっちゃいますがな。特に成長期である小学生なんて、しっかり寝ないと成長に悪影響を及ぼしかねません。
 母親が部屋を去りますが、博人もこんなんでやる気が出てくるわけがありません。ベッドに腰を下ろし、枕を抱いて眠りたいとぼやきます。
 そのとき、窓をノックする音がします。窓を開けると、捨てられたはずの枕が飛び込んでくるではありませんか。しかも博人に向かって、「夢の中で月子さんとデートさせてやるぜ」と話しかけるのです。

 その頃、月子はベッドの中で、パンダの数を数えていました。パンダを1万匹まで数えていたのですが、その夜の夢に、博人は登場しませんでした。どこかさびしそうに、カレンダーの5月2日にバツを書き込みます。
 出てこないなら出てこないでなんかさびしいとは言え、出てこなくなったのなら良かったじゃないかという話になりかけたのですが、そうは問屋がおろしません。ベッドの下からフライドチキン男がもぞもぞと這い出てきたのです。
 フライドチキン男が妖怪の気配を察知して辺りをパトロールしていたところ、オロオロしている安藤の母親に出会いました。どうしたのかと尋ねてみれば、博人が枕を抱いて眠ったまま、頭の近くでガラガラを鳴らそうが、目覚まし時計を鳴らそうが、起きなくなってしまったというのです。
 フライドチキン男の推測では、古い品物は意思を持つというので、古い枕が博人を夢の世界に連れて行ってしまったのだろう、とのこと。夢の中とは言え、助けてもらった博人のことを、月子はどうしても放っておけないようです。



「はい、ネケン。ゾーリンゲンは刃物、履物は草履ね、床を箒でハイデルベルク」
 フライドチキン男と三姉妹は、ストレートに安藤家を訪ねていきます。ただし、フライドチキン男の肩書きは、眠りと夢の第一人者・オーストリアの心理学者、ドクトル・フロイト・ユングです。
 フライドチキン男の風貌と相まって猛烈にうさんくさいのですが、博人の母は特に疑う風でもなく、あっさりと博人の部屋へと案内してくれます。子供の一大事ですから、藁にもすがりたい気持ちなんですかね。

 部屋に入ったフライドチキン男は博人を診察し、完全にレム睡眠に入っていることを確認します。あれ? そんなことわかるの?
 雪子が枕を引き剥がそうとしますが、上手くいきません。博人を救う方法はただ一つ、お酉様の霊力で博人の夢の中に飛び、枕妖怪をやっつけること。ただし、もし失敗すれば博人は眠ったまま衰弱していき、シュシュトリアンも博人の夢の中から出られなくなってしまうという、危険と隣り合わせのリスキーな方法なのです。
 それでも行きますか? と、フライドチキン男はいつになくシリアスに尋ねますが、月子の腹は決まっています。雪子、花子もそれに同調。フライドチキン男がステッキを振ると、三姉妹は博人の夢の中へと送り込まれました。

 飛んだ先は、山吹家。ただし、冒頭の夢のシーンでもそうだったんですけど、夢の中であることを強調するように、画面全体に紫色のフィルターがかかっています。
 慎重に家の中に入ってみると、朝食が並んだテーブルに、サラリーマン風の格好をした博人が座り、新聞を読んでいます。その隣の席には博人の枕が置かれ、博人は時折、ペットにするように枕をなでています。

「おーい、お前もこっちに来て、一緒に食べなさい」
「はーい」
 博人が奥に向かって呼びかけると(奥と言うほどキッチンにスペースはないのですが、まあ、夢なんでその辺は大目に見てください)、若妻風の月子がやってきます。
「お前の糠漬けも、母に負けないくらいおいしくなったよ」
「やだー、月子、うれしい」
 このラブラブオーラ全開の夢月子に対して、「ちょっと待ってよ!」と、本物月子がクレームをつけます。博人は三姉妹の出現に気付きますが、夢月子は博人の肩を抱き、しなだれかかります。
 この辺り、石橋桂の若妻演技が良いんですよね。花子はよく小学生に見えないと言われますけど、月子は老けていると言うより、かなり団地妻顔をしてるんですよね。最近も、「SEIYUのCM美女・石橋けいは懐かしの特撮『シュシュトリアン』のヒロインだった」みたいな感じで取り上げられていましたけど、この頃から主婦役のハマリ具合の片鱗を見せていたんですね。

「これ、どういうこと?」
「あなたそんなことやってて空しくならないの?」
「目をさましない、安藤君」
 三姉妹の説得にも、夢の世界に浸っている博人は耳を貸しません。勉強漬けの生活に完全に嫌気が差して、夢の世界で楽しく過ごすと決意してしまっているのです。
 そこへ枕が飛び上がり、博人の夢の邪魔はさせないと、三姉妹に襲い掛かります。三姉妹もシュシュトリアンに変身して応戦です。

「乙女盛りに命をかけて」
「風に逆らう三姉妹」
「花と散ろうか、咲かせよか」
「「「有言実行三姉妹、シュシュトリアン」」」

 ここでなぜか、紫色のフィルターがなくなります。そして周囲はいつもの家の中ではなく、真っ白い空間に机やソファー、テレビなどを配置した謎空間に変貌を遂げます。まあ、家の中ではあまり激しいアクションシーンを撮れないからなんでしょうけど、夢の中だから何でもアリだよね。

「戦え、仲間たち!」
 枕の呼びかけで、どこからか大量の枕が登場し、シュシュトリアンに襲い掛かります。ただ、いかんせん枕なんで、ぶつかられてもあんまりダメージはなさそうなんですけどね。
「修学旅行で慣れてんのよ!」
 とんできた枕を投げ返し、逆に博人の枕にどんどんぶつけていきます。集中砲火を浴びた博人の枕は、「いてー」と情けない声をあげて墜落してしまいました。枕の悲しさか、戦闘能力はほとんどなかったようですね。

 枕に駆け寄る博人に、シュシュトリアンは説教をかまします。
「古人曰く、『夢に富する』」
 夢の中でどんなに良いことがあっても、目覚めてみれば何の役にも立たないという言葉なのですが……。でもこの言葉、聞いたことがなかったんでちょっとググってみたのですが、ほとんどシュシュトリアン関係のサイトしか引っかからないんですよね。一般的な言葉として、本当に存在するの? 辞書サイトとかでも出てこないんだけど……。

 しかし、シュシュトリアンの説教に心が揺らぎかけた博人に、「そんなことないぞ!」と、枕が呼びかけます。そして枕が光ったかと思うと、博人の枕に乗り移っていた枕大王が姿を現します。
 体から蕎麦殻を噴出す“蕎麦殻攻撃”をしたり、手足が生えているので普通に格闘もこなしたり、何がどう効いているのかよくわからないけど羽毛を飛ばして相手を翻弄する“羽枕地獄”を使ったり、流石に並の枕とは格が違うところを見せてくれます。「夢の中の俺様は無敵なのだ」と、余裕の高笑いです。

 しかしここで、BGMが「思い立ったが吉日!」にチェンジ。完全に攻守が逆転します。
 雪子と花子が紅のバトンをクロスさせて枕大王に椅子をぶつけ、“羽枕地獄”に捕えられていた月子を助け出すと、手足を引っ込めて体当たりする“枕プレス”には、プロレス中継を見て覚えたと言う返し技で蹴り返します。最後はシュシュファイナルで、枕大王は爆発、霧散してしまいます。相手が妖怪だからって、やけに容赦のない攻撃だなぁ。

「現実の世界でまた会いましょう、安藤君」
 月子が博人と握手をすると、それを見ていた夢月子も「安藤君……」とつぶやきながら消えていきました。この夢月子も、博人のことを思っていたということだけは確かなんでしょうね。

 ベッドの上で目覚める博人。長時間眠っていたので、ずいぶんと空腹になっていたようです。「母ー、腹減ったー」とか呼びかけていますけど、母親に対する二人称が「母」なの? Aパートでは「ママ」って呼んでるんだけど……。
 泣きながら飛んでくる母親に、「四当五落」を守れなかったことを詫びる博人でしたが、母親ももうそんなことは気にしていません。
「安藤の母、勉強もいいけど、たまには現実の世界でも夢を見られるように、少しは時間をあげてください」
 月子の言葉に泣いて反省する安藤の母。博人を夢の世界に追いやっていたのは自分かもしれないと、すっかり教育ママゴンぶりは影を潜めてしまっています。しかし、月子まで二人称が「安藤の母」なのか……。シュシュトリアンとしての発言ならアリな気もしますけど、今は変身してないんですよね。
 しかし、当の博人は、すぐに机に向かって勉強を始めています。これには一堂呆れ顔。でもまあ、自分の意思で勉強しているのなら、それはそれで立派なことですよね。勉強するときは勉強する、遊ぶときは遊ぶ、休むときは休む。それが一番です。

 翌朝、朝食の席で、英三郎が飛びっきりの美人とデートをする夢を見たと言い出します。恵は英三郎の足を踏みつけるのですが、話はそれで終わりではありません。あまりにも美人過ぎて驚いて目が覚めると、横にも夢の中の美人がいたのです。夢の中の飛び切りの美人とは、恵のことだったのです。あさからのろける両親に呆れた三姉妹は、揃って「ごちそうさま」と三姉妹が席を立つところで今回はおしまいです。
 ところで、この日は5月3日で休日のはずなのですが、雪子と月子は制服を着ていますね。1日(土)は制服だったけど、2日(日)は私服だったので、休日でも制服を着る派というわけでもないはずなんですけどね。



[次回予告]

 花子です。カーネーションを待っている、母親の皆さん、悪いお知らせです。カーネーションがなくなりました。この事件について、ETおばさんに聞いてみましょう。どういうこと?
「ひ・み・つ」
 次回、有言実行三姉妹シュシュトリアンは、「ETおばさんのカーネーション」。お楽しみに。



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カモナ・マイハウス! (彩太)
2019-06-02 15:32:00
放送当時、シュシュトリアンが終わると、山田邦子さんメインのトーク番組「カモナ・マイハウス!」が放送されてて、阿知波悟美さんもレギュラー出演されてました。
実際の放送の2週間後の番組の中で、邦子さんに「シュシュトリアン出てたねぇ!30分間違えちゃダメだよ!」と突っ込まれていました。
やっぱりあの当時のテレビは、ゆったりしてて良かったですね。
 
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