タイムカンを今さら開けてみる

　今から10年前に、カップヌードルを缶詰にして十年間保存できるという触れ込みで発売された、日清食品の「TimeCan」を開封してみました。



　10年前に興味本位で購入してから、年に一回くらいその存在を思い出しては、「ああ、食べるの忘れないようにしないとなぁ」と気持ちを新たにしていたのですが、ようやく10年目となる2010年がやってきましたよ。

　ただ、実はこの商品、一部の缶に不備がある可能性があったため、自主回収になっているんですよね。

　タイムカン回収について｜日清食品

　ググってみますと、やっぱり中身が劣化していてとても食べられないというような情報もちらほら見受けられます。

　しかも、缶の裏側を見てみると……。



　しまった！　缶の不備は別にしても、賞味期限も普通に過ぎている！
　うーん。これはやっぱり、食べるのは止めといたほうが良さそうですかね。

　とはいえ、日清に送り返したとしてもせいぜい数百円のリターンでしかないので、とにかく開けてみることにします。

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　えいや、っと蓋を開けてみると、中はほぼまるまるカップヌードル。それと、小さなカードが一枚が封入されています。



　カードは20世紀辞典と名付けられており、私のはアポロの月面着陸について記載されています。裏面は、カップヌードルの発明者である、安藤百福氏の紹介。

　

　このカード、いろんな種類があるんでしょうけど、今さら集めることもできないし、ちょっと微妙ですね。20世紀の懐かしさを演出したいんでしょうけど、アポロって私の生まれる前の出来事なので、あまり懐かしさとかは全く沸かないのですが……。人類にとっての大きな足跡であることは事実なんですけどね。

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　缶の直径とカップヌードルの直径の差があまりないので、取り出すのにちょっと苦労してしまいました。



　カップヌードル自体は、多分、今のものと同じなんじゃないかと思います。いかんせん、カップヌードルなんてここ数年食べていないもので、異なっている部分があったとしてもよくわからないんですけどね。



　蓋を開けてみたところ。エビ、肉、卵と、中身もやっぱり、今のカップヌードルと（多分）同じ*1。これがタイムカンのカップヌードルであることを示すのは、蓋の裏側の印刷だけですね。

　においを嗅いでみますが、なんとなく変なにおいもするような、そうでもないような、微妙な感じです。カップ麺なんて普段ほとんど食べていないので、これが普通だと言われればそんな気もしますし、異常だと言われればそんな気もしますし、正直よくわかりません。不具合があると言うのも、一部の缶にその可能性があるというだけで、中には大丈夫なものもあるのかもしれませんので、もしかしたらこれはアタリの缶なのかもしれませんしね。
　缶の不具合とか、賞味期限を過ぎているとかの情報を除外して、単純に食べものとして目の前の物体を見た場合、個人的にはGoサインを出せそうな気がします。私、基本的に、賞味期限切れのものを食べても腹を壊したという覚えがないもので、どうしても甘く見ちゃうんですよね。

　普段はあまり食べませんが、それでも私はラーメン好きなもので、目の前にカップラーメンがちょこんと置いてありますと、やっぱり食べてみたいという欲求も出てきたのですが……、うーん、どうしよう。
　とりあえず作ってみてから考えてみることにして、ヤカンでお湯を沸かしてカップに注ぎ、3分間待ってみます。



　見た目は普通。においも普通。これ、食べても大丈夫なんじゃないかなぁ。
　ダメそうなら吐けばいいやと思い、意を決して一口二口食べてみましたが、味もにおいも、特に問題なさそうな感じ。結局そのまま、あれよあれよという間に完食してしまいました。げふー。まあ、死ぬようなことはないでしょ。

　食べ終わってみますと、結局普通のカップヌードルを食べただけで、10年間も引っ張った割には、案外つまらないオチだったかなぁと思います。十年一昔とは言いますが、カップヌードル自体、誕生から40年近く現役で売られ続けているわけで、あまりタイムカプセル的な懐かしさみたいなものはありませんでしたね。不具合による劣化との戦いという、本来の楽しみとは別な部分がクローズアップされてしまったのも残念でした。

　しかし日清には、この失敗に懲りずに、また10年保存計画みたいなのをやっても面白いと思いますけどね。スタンダードなカップヌードルだけじゃなくて、限定品みたいな変り種や、過去のカップヌードルの復刻版みたいなのも何種類かラインナップしておけば、「ああ、こんなカップヌードルもあったなぁ」と、十年後の感慨も一入になるのではないかと思います。
　普段はカップ麺は食べないんですけど、近いうちに、今売られているカップヌードルも食べてみようかと思います。もしかしたら、今回食べた10年前のと全然違っていたりするかもしれませんしね。

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　一応、注意しておきます。
　私は大丈夫でしたが*2、まだ未開封のタイムカンを持っていたとしても、基本的には食べないでおく方が無難だと思います。
　どうしても食べたいという方は、安全には充分に注意を払い、あくまでも自己責任ということでお願いします。体調を崩しても、日清にクレームをつけたりしないでね。

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*1　後で知ったのですが、肉は変わっていたみたいですね。

*2　食べてから半日くらい経ちましたが、今のところ、とりたてて大きな問題は発生しておりません。食後、なんとなく胸焼けがしているような気持ち悪さを覚えたような気もしましたけど、プラシーボ効果（この場合はノーシーボと言うべきかな）の範疇じゃないかと思います。