雑居空間
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 有言実行三姉妹シュシュトリアンの24年越しの追っかけ視聴。1993年10月17日放送の第40話は「ウルトラマンに逢いたい」です。



 縁側で夜空を眺める山吹家の三姉妹。そのとき流れ星が流れたので、花子は「ロブスターが食べたい!」、雪子は「恋人欲しい!」と、まあそれなりのお願いをするのですが、月子のお願いは「ウルトラマンに逢いたい!」。昔からツルンとしたしょうゆ顔にあこがれていたのだとか。雪子や花子からは、熱があるだの、ただのオタクだっただのと言われてしまいます。しょうゆ顔だからウルトラマンが好きっていうのは、いわゆる特オタとはまた違う話だとは思いますが、興味のない人からすれば同じくくりになってしまうものなんですかね。
 そんなやり取りをしていると、夜空にまた、ひときわ大きな流れ星が流れていくのでありました。

 その頃、円谷プロの倉庫では、初老の男性が1人、もくもくと怪獣の着ぐるみをメンテしていました。この説明が出てくるのはもう少し後なのですが、彼は円谷プロのメンテナンス担当で、通称怪獣おじさんと呼ばれている人なのです。ちなみに怪獣おじさんを演じているのは、誰あろう、ウルトラマンのハヤタ役でおなじみ、黒部進です。
 そんな時、さっきの大きな流れ星が、円谷プロの敷地内に落下します。怪獣おじさんが慌てて見に行くと、倉庫の暗がりの中に二つの目玉が光ります。そして、「フォフォフォフォフォフォフォ……」という、特撮好きにはおなじみの笑い声が響くのでありました。

 翌日、山吹家の面々はとあるレストランに来ていました。大黒柱である山吹英三郎氏のご厚意で、パーティーが開催されたのです。メインディッシュは、テーブルの中央に鎮座しているロブスター。花子の願い事が叶ったんですね。
 開会に先立ち、英三郎が挨拶を始めるのですが、我慢しきれなくなった花子が早々にロブスターに手を伸ばします。それを見た他の面々もロブスターに掴みかかり激しい取り合いに。それぞれ戦果を挙げるのですが、一番楽しみにしていた花子の手元には、食べるところのない細い足一本しか残らなかったのでありました。
 「ずるい、ずるい!」とわめく花子を尻目に、みんなロブスターに食いつきます。いやいや、もうちょっときちんと分けてあげなさいよ。
 しかし、そんな花子の横に、巨大なはさみがにゅっと現れます。それをみて花子は、「このはさみがね、一番美味しいのよ」とにんまり。しかし、花子以外の面々の表情は凍りつきます。花子が嬉々として食べようとしているそのはさみは、なぜか花子の後ろに立っていた、バルタン星人のものだったのです。
 テーブルの上の料理を吹き飛ばすバルタン星人の姿に、みんな我先にと逃げ出します。そんな中、花子だけはあくまでもロブスターを食べようとバルタン星人のはさみにしがみつきますが、月子がなんとか花子を引き剥がして外へと連れ出します。その逃げ惑う様子を見て、バルタン星人は高笑いを上げるのでした。
 いやいや、なんで英三郎が真っ先に逃げ出してるんだよ。警察官としても、一家の大黒柱としても、まず家族の安全を第一に考えるべきでしょうに……。

 街では洋品店の前で、女性たちがバーゲンに群がっています。赤くて暖かそうなコートを見つけた女性が、購入するためにレジへもって行こうとしますが、そこへ別の女性が現れ、それは私が先に目をつけていたのだと割り込んできます。
 引っ張り合いになり、その勢いで服をかけていたハンガーが転倒。そして、今まで陰に隠れていたガラモンが姿を現します。実は女性たちが奪い合っていた赤いコートは、ガラモンの背中だったのです。
 洋品店前は大パニック。客の女性たちは悲鳴を上げて逃げていきます。
 その様子を見ていたのが怪獣おじさん。「大変なことになったなあ」とつぶやきます。元々円谷プロの着ぐるみだったとは言え、怪獣おじさんにこの事態をどうにかしろと言うのも、無理な注文ですよねぇ。
 ちなみに、ここで登場しているのは、ピグモンではなくガラモンのようです。顔が黒くて目つきが悪く、妙に凶悪な顔をしていますね。ピグモンだったら、もう少し柔和な顔をしているところでしょうか。

 今度はゲームセンターで、篠山、加納、荒木の三人組がゲームに興じています。篠山がプレイしているのは「ぷよぷよ」ですね。加納と荒木は同じゲームをプレイしているように見えますが、それが何なのかは確認できませんでした。
 後ろのほうでは、セガの「それいけ×ココロジー」という筐体が見えます。ちょっと調べてみたところ、心理テストのゲームだそうで、テレビでやっていたのは知っていますけど、こんなゲームまで出ていたんですね。その隣には、ジャレコの「キャプテンフラッグ」という旗上げゲームも確認できます。
 突然、三人組のプレイしている筐体の電源が落ちてしまいます。停電か、と思いきや、他の筐体の電源は落ちていない模様です。ゲーセン全体のBGMが消えて静かになるというのは演出としては正しいんでしょうけど、ゲーセン内の他のゲームが無事である以上、音が完全になくなっちゃうのは、ちょっと違和感を覚えますね。無音の中、後ろで普通にゲームを続けている人たちがなんか面白いです。
 店員を呼ぼうとしていた三人が振り返ってみると、そこにはエレキングがいました。尻尾の先がコンセントに触れているので、そこから電気を吸い取っている、ということなんでしょうか? でも、そのコンセントにはプラグが刺さっているわけじゃないし、篠山たちの筐体の電源だけが落ちるって言うのも、何かおかしいような……。
 三人組はカメラ小僧の本領を発揮して、エレキングをカメラに収め始めます。しかし、カメラのフラッシュに驚いたエレキングは、尻尾を振り回して三人組を攻撃。三人はエレキングの電気攻撃にやられてしまうのでありました。……って、エレキングのマジ攻撃だと命が危なそうなんですけど、大丈夫なんですかね? 元は着ぐるみだから、そんなに強力じゃないのかな?

 バルタン星人から逃げてきた三姉妹。どうやら上手く撒けたようで、ほっと一息つけそうです。ただ、英三郎と恵は一緒じゃないんですけど、そっちは大丈夫なんですかね。英三郎はちゃんと、家族全員の安全を確認しないといかんでしょ。
 しかしそのとき、たまたま目の前にあった中華料理屋からガラスの割れる音がします。そして店主が、「怪獣だ! 怪獣だ、怪獣!」と叫びながら飛び出してきました。
 店に入ってみると、そこにいたのは快獣ブースカ。「バラサ、バラサ」と、ラーメンを食べています。声はちゃんと、オリジナルキャストの高橋和枝です。
 月子が「かわいー」なんて言っていると、警察官が飛び込んできて、タダ食いの現行犯で逮捕するぞ、なんて言い出します。え? タイミングおかしくない? 食べ終わった後で金を払わずに帰ろうとしたらタダ食いでしょうけど、まだ食べている途中なんだし。空のどんぶりが結構重なっているから、ある程度食べちゃってから、お金払えないよ宣言でもしたですかね。
 ブースカに拳銃を突きつける警官に対し、ブースカは悪い怪獣じゃないと、怪獣おじさんが割って入ります。このシチュエーションでおじさんが撃たれちゃうことはまず無いとは言え、拳銃持った警察官を相手に、よく飛びかかっていけるなぁ。
 そして、怪獣おじさんが警察官を抑えている間に、月子がブースカの手を取って、逃げ出すのでありました。

 ブースカと一緒に街中を走る月子。なるべく人目の少ないほうへと逃げていきます。後を追ってきた雪子と花子が囮になって別の方へと走っていったので、警察官もそちらを追跡。どうやら上手く逃げることができたようです。
 ブースカと月子がお互い自己紹介しているところに、雪子と花子も合流します。って、せっかく撒いたのに、こんなに早く合流したら、警官にばれちゃうんじゃないの?
 とにかく、どこかに身を隠さなくてはいけません。それならいいところがあると、ブースカが3人を引っ張っていきます。
 やってきたのはブースカの生まれ故郷、円谷プロです。って、結局ここに戻ってくるのか。そこには既に怪獣おじさんも帰ってきていて、「ブースカ、無事だったのか」なんて言っていますけど、怪獣おじさんの方こそ、公務執行妨害で逮捕されていてもおかしくないんですけどね。

 三姉妹は円谷プロの中へと案内されていきます。
 そしてそのとき、円谷プロに英三郎がやってきました。円谷プロに怪獣が逃げ込んだという情報が入ったというのです。円谷プロの人は「ウチにあるのは怪獣の着ぐるみだけですが」と言いますが、ひとまず中を調べることになりました。
 ちなみに、ここで英三郎の応対をしているのは、当時円谷プロの営業部長だった円谷一夫氏。東映と円谷プロの異色のコラボレーションとなった本エピソードを実現させた立役者です。やや棒読み気味なのはご愛嬌です。
 怪獣の着ぐるみが保管されている怪獣倉庫に案内される英三郎は、吊るされている着ぐるみをチェックしていきます。その着ぐるみの中に混ざって立っていたブースカに何か引っかかるものを感じましたが、脈も無いし、ダラっとしているので、着ぐるみと断定。結局、怪獣が逃げこんだというのはガセネタだと判断して、円谷プロを後にしていきました。
 それを見て、怪獣おじさんが大丈夫だから出ておいでと、着ぐるみに声をかけます。ブースカと共に、テンペラー星人の着ぐるみの中からは雪子、ベル星人の着ぐるみからは花子、そしてゴーロン星人の着ぐるみの中から月子が現れます。いや、別に君たちはそんな隠れ方する必要はなかったでしょ。

 事務所で怪獣おじさんと三姉妹、そしてブースカが一息ついています。テレビでは、ゴモラとダダが人々を襲っているというニュースが流れているのですが、雪子に話しかけられた怪獣おじさんは、笑いながらテレビを消してしまいます。いやいや、円谷プロの着ぐるみが暴れているんだから、そこはもっと関心持っていかなきゃダメでしょう!
 怪獣おじさんは、怪獣たちの修理をしているというより、供養をしているつもりなのだと語ります。怪獣たちは悪役ですが、それでも子供たちに夢を与えてあげているのです。せめて倉庫ではゆっくりしてもらいたいのです。しかし町で怪獣が暴れたら、子供たちが怪獣のことを嫌いになってしまうのではないかと心配しているのです。
 そもそも、なぜ怪獣の着ぐるみが命を持って暴れ出したのか。ブースカは、眠っていたら、お星から命をもらったと言います。あの流れ星に命がいっぱい詰まっていたのです。
 怪獣も悪い奴らじゃないから、落ち着けばブースカのようにちゃんとここに戻ってくると怪獣おじさんは言いますが、既にけっこう暴れちゃっていますからね。
 そこで月子は、怪獣を説得してここに連れてこようと提案します。え、説得?

 花子はガラモンを追って、ショッピングモールを駆けていきます。
 雪子はロープを持ってエレキングに迫ります。投げ縄の要領でエレキングの首にロープを引っ掛けますが、反対に尻尾からの電撃を受けてしまいます。大丈夫なのかな、これ?
 月子とブースカもそれぞれ頑張ったようで、ガラモン、エレキング、ゴモラ、ダダの4体を、川辺に追い込むことに成功しました。ダダは体色の白い部分が濃いグレーになっているので、ちょっと印象が違いますね。ゴモラは何故か真っ赤な体色に白いラインが入っています。後のファイヤーゴモラを先取りしているかのようです。
「怪獣さんたち、怪獣おじさんが心配しているわ。一緒に怪獣倉庫に帰りましょう」
「そうだよ、このまま暴れていちゃ、今まで世話をしてくれていた怪獣おじさんが悲しがるよ」
「怪獣と子供たちは友達よ。ね、仲良くしましょう」
 月子とブースカの説得に、この4体はおとなしくなります。しかしそこに、笑いながらバルタン星人が登場し、「そんな小娘たちを信じるんじゃない!」と一喝。はさみから白い煙を出し、怪獣たちに浴びせます。すると説得に耳を傾けようとしいた怪獣たちは、再び暴れ出してしまったのです。



 川辺にいたはずなのに、なぜか舞台は円谷プロに移動。ゴモラ、ガラモン、エレキング、ダダは、円谷プロの人たちを襲撃します。
 月子がバルタン星人に、どうしてそんな悪さをするのかと訊ねます。バルタン星人は答えて曰く、「バルタン星人は宇宙一の生き物だ。命の星で甦ったからには、ロブスターやエビを平気で食べる野蛮な地球人に代わり、この星を支配するのだ」とのこと。藤子・F・不二夫の「ミノタウロスの皿」的な感情ですかね。あの主人公ももっと軍事力があったなら、ウスを解放するためにズン類と戦ったりしたんでしょうかね。しないか。
 「いつか姿ゆでにして食ってやるから!」と、あくまでもロブスターにこだわる花子に対し、「こっちこそ活け作りにしてやる!」と、バルタン星人が反撃。怪獣軍団と円谷プロの人たち&三姉妹で、揉み合いになってしまいます。
 怪獣おじさんは身を挺して、なんとか三姉妹を逃がします。人目につかないところまで逃げてきた三姉妹は、巨大なウルトラマンの顔のオブジェクトの前で、シュシュトリアンに変身するのでありました。

 円谷プロの駐車場前では、ブースカがバルタン星人に張り倒されてしまいます。怪獣おじさんも「やめろ! やめるんだ!」と叫びますが、自身もエレキングに抑えつけられています。
 と、そこへ飛んでくる、シュシュトリアンのベール。慌てて辺りを見回すバルタン星人。ベールは器用に、屋根の上に立つシュシュトリアンの元へ戻っていきます。

「乙女盛りに命をかけて」
「風に逆らう三姉妹」
「花と散ろうか、咲かせよか」
「「「有言実行三姉妹、シュシュトリアン!」」」

「E.T.曰く、『We are not alone』」

 ここで何故か、E.T.の台詞登場。いや、実は『E.T.』ってまともに観たことがないのでちょっとググってみたのですが、「We are not alone」って、『E.T.』と同じスピルバーグ監督作品である『未知との遭遇』のキャッチフレーズだったんですね。
 いや、『E.T.』にもちゃんとこういう台詞があったのかもしれませんけど、異性人関係では割とよく使われるフレーズみたいで、軽く調べた範囲では、『E.T.』の台詞なのかどうかは確認できませんでした。まあ、雪子がそう言うなら、そうなんでしょうけど。
 いつか地上波で『E.T.』が放送される日が来たなら、確認してみよう。最近は全然放送されませんけどね。

「モロボシダン曰く、『戦いは血を吐きながら続ける悲しいマラソンのようなものだ』」
 シュシュトリアンは前転しながら地面に降り立つと、今度は歩きながら、雪子が二つ目の名台詞。月子と花子は復唱しないし、フライドチキン男の解説も無いので、これはあくまでも雪子の台詞扱いのようです。
 むなしい戦いはやめるよう説得しますが、バルタン星人がそう簡単に言うことを聞くはずもありません。いざ戦闘開始、と思いきや、怪獣軍団はバックステップしたかと思うと、円谷プロの敷地から外へと駆け出してしまいました。
 慌てて後を追うシュシュトリアンとブースカ。道路わきにちょっとした草地が広がっているところで、怪獣軍団はシュシュトリアンを待ち受け、ようやく戦闘開始です。なんでわざわざ場所を移動したんだろう? 人数が多いから、円谷プロの敷地ではちょっと狭かったのかな?

 エレキングの尻尾を掴み、投げ飛ばす雪子。花子は蹴りやチョップでガラモンを転ばすと、倒れたガラモンをくすぐり出します。月子はゴモラとダダの2体を相手にしながら、ゴモラの頭を正面から殴りつけつつ、ダダをガラモンの上に放り投げ、簡単にあしらってしまいます。シュシュトリアンが強いというべきか、怪獣軍団が弱いと言うべきか。どちらかというと、後者ですかね。
 すっかり戦意喪失した4体。ここでようやく、バルタン星人が襲いかかります。しかしバルタン星人に対しても、いきなりの『有言実行・紅つむじ風』で一気に片をつけてしまいます。
 喜ぶシュシュトリアンとブースカ。しかしバルタン星人はまだ倒れたわけではありません。いきなり巨大化して、シュシュトリアンに迫ってくるのでありました。このあたりはウルトラマンというより、完全に戦隊シリーズのノリですね。

 ここで、巨大化したバルタン星人をみつけ、篠山、加納、荒木の三人がカメラを構えます。これ、たったこれだけのカットだったんですけど、後で何か意味を持ってくるんですかね?

 シュシュトリアンもなんとか戦おうとするのですが、巨大化したバルタン星人ははさみからバルタンミサイルを発射。これには流石のシュシュトリアンも、逃げ惑うばかりです。サイズが違いすぎますから、ちょっと手が出せませんね。
「こんなときテレビなら、ウルトラマンが来てくれるのに」
 月子がもらした言葉に、雪子も最初は「来てくれるわけないでしょ!」と否定します。しかしバルタン星人の猛攻になす術のないシュシュトリアンは、「助けて! ウルトラマン!」と、救いを求める声をあげるのでした。

 そのとき怪獣おじさんは、円谷プロの駐車場で、ひとり逡巡していました。
「これを使ったら、もう地球にはいられない。しかし……」
 しかし、彼はヒーローなのです。助けを求める声があるなら、かならず駆けつけてくれるのです。
 怪獣おじさんは胸ポケットからベーターカプセルを取り出すと、フラッシュビームを焚きます。そして赤い背景を背負い、あの変身エフェクトに、あの変身BGMで、ウルトラマンに変身したのです。

「あ! ウルトラマン!」
「あ!」
「出た……」
 嬉しそうに歓声を上げる月子に対し、信じられないといった表情の雪子と花子の表情が対照的ですね。特に花子の「出た……」という台詞、味があって好きです。

 ウルトラマンはバルタン星人と格闘を始めます。はさみからの一撃を喰らって膝を付くシーンもありましたが、ストマックへの膝蹴りから延髄へのチョップでバルタン星人をダウンさせます。
「シュシュトリアン、私と一緒に戦おう」
 特に苦戦もしていないようですが、ここでウルトラマンからシュシュトリアンへ、共闘の呼びかけです。とはいえサイズが違いすぎます。そこでウルトラマンは、カラータイマーから謎の光を発して、シュシュトリアンを巨大化させたのです。
「わーい。ウルトラマン様とツーショット」
 巨大化した雪子はウルトラマンの腕を取ってゴキゲンですが、「そんなことしている場合じゃないでしょ!」と、花子から当然のツッコミ。ま、そういうのは後にしといてね。

 巨大化したシュシュトリアンを目の当たりにし、篠山、加納、荒木の三人組も大興奮。シャッターチャンスとばかりにカメラを構えるのですが、ブースカが「撮っちゃダメ!」と、これを阻止します。
 でもこのシーン、これだけ目立つことやっているんだから、三人組以外にも写真を撮っている人は大勢いそうですけどね。

 まあとにかく、まずはバルタン星人を何とかしなくてはいけません。
 4vs1、しかもそのうちの一人はウルトラマンではありますが、バルタン星人は案外善戦します。ウルトラマンを叩き、雪子と花子が二人がかりで押さえようとしても振り払い、月子もビルへ向かって突き飛ばしていきます。ビルにぶつかりそうになった月子は、何とか寸前で回避。流石に本家ウルトラマンみたいに、ビルをぶっ壊してしまうわけにはいかないんでしょうかね。世界観的にも、撮影的にも。

「私のスペシウム光線と、シュシュトリアンの技を合わせるのだ」
 ウルトラマンの提案に、シュシュトリアンは紅のバトンを組み合わせ、かがみ込みます。
「ウルトラスペシウムシュシュファイナル!」
 シュシュトリアンの背後に立ったウルトラマンが発したスペシウム光線を、紅のバトンで増幅し、バルタン星人へと浴びせます。なんとなく、レオとアストラのウルトラダブルフラッシャーに似ていますね。
 このバルタン星人にはスペルゲン反射鏡は付いていなかったようで、ウルトラスペシウムシュシュファイナルをまともに喰らい、その場に転倒します。爆発四散してしまわなかったのは、不思議コメディ時空だからでしょうか。助かったね、バルタン星人。

「この星は、怪獣たちには狭すぎます。私がM78 星雲にある、怪獣の星へ連れていってあげます」
 その提案にうなずくシュシュトリアン。ウルトラマンが手を回すと、ゴモラ、ダダ、エレキング、ガラモン、そしてブースカの姿が消えました。そしてウルトラマンも、バルタン星人を抱きかかえ、そのままどこかへと去っていったのです。
 呆然とする篠山、加納、荒木の三人組と、いつの間にか元の大きさに戻っていたシュシュトリアン。嵐のように事件は解決したのでありました。
「ウルトラマン様……」
 虚空に消えたウルトラマンに、月子は尊敬の念を込めて、つぶやくのでした。

 後日、再び円谷プロを訪れた月子。円谷プロの人に怪獣おじさんのことを尋ねますが、あの事件以来、姿が見えなくなってしまったというのです。
 円谷プロの人は「故郷へでも帰ってしまったのかなぁ」なんて言っていますが……。まあ、そんな感じではありますよね。
 怪獣倉庫の中に入った月子。そこで一瞬、怪獣おじさんとブースカの姿が見えたような気がしたのですが、その幻はすぐに消えてしまいました。一抹の寂しさを胸に抱きながら、月子は倉庫を後にします。
「あのおじさん、ひょっとして……」
 ふと空を見上げた月子の目には、ウルトラの星の輝きが、はっきりと見えたのでありました。



[次回予告]

 シュシュトリアンの活動が忙しすぎて、私たちの成績が落ちてきた。特に花子は、あの三バカより悪くなって、スーパーヒロインの宿命とは言っても、このままではいけないわ。
 こうなったら、私たち山吹三姉妹は、シュシュトリアンとしての活動を一時休んで、勉強に専念します。
 でもこんなときに限って……。

 次回の有言実行三姉妹シュシュトリアンは、「消えた十二支」。お楽しみに。



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