今年のカープはしっかりと戦ってくれたよ！

　今となっては4日前の話となってしまいましたが、カープが16年ぶりにセ・リーグの3位以上を決めました。それと同時に、導入7年目にして初のクライマックスシリーズ進出も決定。例年ならこの時期はもう、タイトル争いだとか、若手の誰それがヒットを打っただとか、個人レベルの活躍だけが楽しみだったのですが、今年はまだ日本一を目指した戦いが残っています。長く低迷していたカープですが、久しぶりの上位進出で、まだまだ楽しませてもらえそうです。カープファンやってて、本当に良かったー。今年は仕事がクソ忙しくて、ぜんぜん試合を観にいけなかったのが本当に悔やまれますよ。

　思い返してみれば、春先は例年以上にグダグダな試合っぷりだったんですよね。栗原、東出、前田、エルドレッド、ニック、石原辺りの主力野手が故障で不在。丸や廣瀬、松山などが頑張っていたものの、得点力不足は深刻な状態でした。
　頼みの投手陣も昨年より低調で、柱のマエケンはあちこち不調を訴えて何度かローテを飛ばしたし、野村も不調で一時離脱。後ろの今村やミコライオも不安定で、終盤での逆転負けも多かったです。
　去年上位だったドラゴンズとスワローズも故障者多発で低迷してくれたおかげで、ベイスターズも含めた下位4球団が団子状態となり、一応3位が狙える圏内には留まっていました。でも、今年の前半戦は、内容的には野村監督が就任してからもっとも酷い状態だったんじゃないかという気もします。

　そんな状態から浮上するきっかけとなったのが、なんと言っても途中加入のキラですね。デビュー戦となったベイスターズ3連戦で4本塁打を放ったのは出来過ぎだったとしても、長打力のある打者が中軸に座ったことで、周囲の打者にまで好影響を与えました。8月はルイス、9月はエルドレッドと、それまでイマイチだった他の外国人打者も調子を上げ、リーグ最下位だった得点数を、一気にリーグ中位くらいまで引き上げてしまいました。
　打線の上昇と歩調を合わせるように、投手陣も復活。前半戦頑張ってくれたバリントンと大竹は少しお疲れモードになりましたが、マエケンと野村は夏場から調子を上げて白星を重ねます。さらに大きかったのが、横山と永川の復活ですね。特に永川は制球力が驚くほど安定し、かつての四球を連発していたときとはまるで別人です。これで不安だった中継ぎがぐっと安定。ミコライオと合わせて、終盤の勝ちパターンを確立することができました。今村はどこかにいっちゃいましたけどね。

　そんなこんなで、8月は14勝12敗1分、そして9月は怒涛の7連勝を含む15勝7敗1分と大きく勝ち越し。9月の成績は、野村監督が就任して以来、10勝12敗、6勝16敗1分、6勝17敗1分と、常に負け越してきたのですが、勝負の9月に調子を上げて、ドラゴンズを振り切ることに成功しました。
　昨年まで9月に失速していた最大の理由は、選手層の薄さによる疲労の蓄積や怪我人の増加などによる部分が大きかったのではなかろうかと思います。そして、選手層という意味では、今年もさほど改善されていたわけでもありません。それでも9月にこういった闘い方ができたのは、苦しい時期でも主力選手に負担をかけすぎず、なるべくチーム全員の力をフル活用しようとした野村監督の手腕も大きかったと思います。

　ここ十数年のカープを見ていて、それほど強くないのは確かだけど、かといってここまで負けるほど弱くもないよなぁ、という思いを、常に抱いていました。優勝するのは無理だったとしても、それでも実力以上に負けすぎているのではないか、と。
　しかし今年のカープは、実力なりの結果を出してくれたのではないかと思います。まだ負け越しているし、けして威張れるような成績でもありません。チームとして足りない部分はたくさんあります。それでも、それでも持てる力を遺憾なく発揮し、今のカープにできる野球をしっかりとやりきっている。勝ち負けは時の運ですが、勝っても負けても納得のいく試合を多くしてくれている。そのことを、本当に嬉しく思います。

　リーグ戦も残り3試合ですが、一応、わずかながら2位の可能性も残しています。その先のクライマックスシリーズ、さらには日本シリーズまで含め、最後までしっかりと戦い抜いてもらいたいですね。今の勢いを考えれば、日本一というのも、けして夢物語ではないと思います。