真夜中にドアーのノックを聴いた。こんな時間にケアーさんが血圧の測定に来るはずがないと不思議に思っているとだんだんノックの音が大きくなった。これは一大事とばかりドアーを開けるとその向こうに主人がいた。どうしたのかと問うと「孫の○○からEメールが届いているので見るように」という。「冗談じゃないこんな真夜中に」と思いながら時計を見ると午前3時。
主人は変わった癖がある。夜中にトイレに起きたついでにメールをチェックするのである。そして気になると時間に関係なく一途にそのことばかり思いつめる。老化の一現象と云うことだろうか。今までにも「ニユーヨークからメールが届いている」「孫からメールが来た」と云って起こされたことが2~3回ある。
私は意地が悪い方で素直に見に行かない。真夜中だからと拒否する。明るくなってから一番にみるからと言い訳をする。主人は悪びれた風もなく少しだけ不満そうにして帰って行く。私と云えば少しだけ後悔する。チョットだけでも見ればよかったかな?と。
もう一つ安眠を妨害されることがある。早朝の6時前の電話である。早朝は未だ館内が静かだからいつも以上に響く。その上主人の声は男性としてはイエローボイスとニックネームを貰うほどの高い声。こちらは相手のあることだから我慢して黙認している。(E)
ペンタス 前庭にて。