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かわずの呟き

ヒキガエルになるかアマガエルなるか、それは定かでないが、日々思いついたことを、書きつけてみようと思う

二十四節気と七十二候について

2015-06-09 | 気ままなる日々の記録

ものの本によると、我が国には「24節気」と「72候」というものがあって大自然の営みとしての季節の移り変わりに身を寄せ、季節の移り変わりに伴っていろいろな表情を見せる自然界を注意深く眺め、心をわくわくさせて毎日を送っていたようである。これから「気候」と云う言葉も生まれたほど24節気も72候も生活に溶け込んでいたようである。

オソマツ君の母親が大陰暦で一年を過ごしていたことは以前に紹介しましたが。多分「24節気」も「72候」も知っていたと思われます。これらが確立したのは、江戸時代であったとか。テレビもラジオもなく、夕食後は庭に出て月を眺め、田植えの済んだ田圃から聞こえてくる蛙の鳴き声を聞きながら翌日の晴雨を占い、仕事の計画をたて、それに合わせて早く床に就いたことと思われます。実はオソマツ君は「24節気」も「72候」も言葉を聞いたことがある程度で、具体的には何も知りません。最近そのことが残念に思えるようになりました。明治政府が何を急いだのか西暦を採用したり、江戸時代からの世界に誇れる我が国の生活文化を容赦なく捨ててしまったことが軽率の極みに思われます。

ここで、今頃の節気と候を書いてみます。

7節気「立夏」 『19候』(蛙始鳴;かわずはじめてなく)(5月5日から5月9日ごろ)

         『20候』(蚯蚓出:みみずいずる)((5月10日~5月15日ごろ)

        『21候』(筍生:たけのこじょうず)(5月16日~5月20日ごろ)

8節気「小満」 『22候」(蚕起食桑:かいこおきてくわをはむ)(5月21日~25日ごろ)

         『23候』(紅花栄:べにばなさかう)(紅花が盛んに咲く)

         『24候』(麦秋至:ばくしゅういたる)(麦にとって、実りの秋)(5月31日~6月4日ごろ)

    9節気「芒種」 「芒とは、イネ科の植物の穂先にある針のような突起のこと。芒種とはこの芒のある穀物の種をまく時季のことであり、田植えの目安とされた。ご存知の通り、昔の田植えは、単なる農作業ではなく、田の神様をお迎えしお祀りする一大行事でした。その名残は伊勢神宮の神事としての早乙女によるお田植え神事にのこされています。

          『25候』(螳螂生:かまきりしょうず)(6月5日~6月10日ごろ)            

     『26候』(腐草為蛍:ふそうほたるとなる)(6月11日~6月15日ごろ)

今日は6月10日、もし旧暦であればそろそろ、蛍が見られるか、と胸おどる季節である。蛍は幼虫時代清流に住み、カワニナとかいう巻貝の肉を食べて大きくなる。従って、カワニナの住む清流のくさむらでないと、観察できない。清流で過ごした蛍の幼虫は、大きくなると川から這い出し、腐った草の葉の中で蛹になり、やがて、蛍となって舞いだす。昔の人が腐 草の中から蛍が出てくると思ったのも、よく理解できる。むしろ、よく観察していたなあと称賛に値する。以下省略。

 これらの「候」を読んでいると、蛙が鳴き始める日から、みみずや筍まで自然界から受けている恩恵に感謝しつつ、それらの日にちをよく覚えていた我が国の先輩たちの生活ぶりに頭が下がる思いがする。高層ビルの上に住み冷暖房に身を包み地球温暖化を心配している今日の都会文明が如何に軽率な文明であるかということに気づかされます。

《参考文献:中経文庫;「イラストで楽しむ日本の72候」》