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『四〇歳からの勉強法』

2006-02-26 12:52:18 | Weblog
ビジネスマンは“勉強”が、必要

現役商社マン三輪裕範(みわ・やすのり)氏の著書『四〇歳からの勉強法』が、話題を呼んでいる。著者は、1957年の生まれ。総合商社伊藤忠商事の調査室長の職にある。神戸大学法学部を卒業、伊藤忠商事に入社。その後ハーバード・ビジネススクールに留学、MBA資格を取得した。TOEICは985点という超好成績。多忙なビジンネスマンの傍ら、これまでに『ハーバード・ビジネススクール』(丸善ライブラリー)、『ニューヨークタイムズ物語』(中公新書)等の多数の著作をものしている。
本書は、以上のような著者の体験に基づいて書かれた”ビジネスマンの勉強法”についての指南書だ。コマギレ時間の利用法、新聞や雑誌との”付き合い方”、本の選び方、英語力習得法等々内容的には多岐に渡る。これらは、項目としての目新しさはないかもしれない。しかし、著者が(学者や評論家でなく)ビジネスマンであり、知的生産を持続し続けている実績を踏まえている。この点が本書の大きな特色であるといえよう。発売後まもなく二刷、三刷が決まる等売れ行は良好のようだ。
景気は良くなってきた。しかし、日本経済の前途は順風満帆とはいえない。中間管理層の一員として多忙な毎日を送るビジネスマンたちも、いつかは50歳になり、55歳、60歳に到達する。そのとき慌てないためには40歳ぐらいから勉強(テーマは自分で選ぶしかない)を続けていかねばならない。漫然と、ゴルフ、カラオケ、ゴマスリの毎日を過ごす。そんなビジネスマンの未来は暗い。
(三輪裕範著『四〇歳からの勉強法』、二〇〇五年、ちくま新書、七〇〇円+税)