『出雲そば街道 出雲・石見・隠岐・伯耆のそば屋めぐり』
これまで本欄では、武蔵野うどん等都内のうどん店の探訪記を連載してきたが、今回は編集長のご了解のもと出雲そばに関する本の紹介をしてみたい。
『出雲そば街道 出雲・石見・隠岐・伯耆のそば屋めぐり』の発行は2007年6月29日。刊行まもない新刊書である。発行元は島根県出雲市に所在する(有)ワンライン(電話0853-21-0068)で、まさに地元の本であり、うわっつらでない綿密な取材がなされている。全部で79軒の出雲そばの店が紹介されている。全160ページ、定価は1333円+税とリーズナブル。旅行者にとっても、気軽に持っていける本である。目次は以下のとおり。
第一章 島根県のそば屋 52軒
第二章 鳥取県のそば屋 27軒
第三章 出雲そばの手打ち技術
第四章 出雲そば・三瓶そば・隠岐そば・大山そば
第五章 そば小咄
本書には合計79店の出雲蕎麦の店が登場する。どの店をここで紹介するか迷ってしまう。女優の黒木瞳さんが、エッセイのなかで「松江城の近くにあるお蕎麦屋さん」の素朴で歯ごたえのある出雲蕎麦の味・・」と、松江の旅を回想していたことを思い出した(松江観光協会編・発行『和の心 日本の美 松江 三十六人の松江物語』2007年)。さて、その店はどこだろうとページをめくっていく。黒木瞳さんに強い印象を残したのは、本書の42ページに登場する「八雲庵」ではなかろうかと思った。「八雲庵」は、松江城、小泉八雲記念館、武家屋敷と松江の観光スポットに隣接している。店の構えもレトロな木造建築。人気メニューは「鴨なんばん」。
『出雲そば街道』をみていると、「八雲庵」以外にも行きたい店はたくさんある。てんぷら、ネギ、大根おろし、とろろ、玉子、海苔、鶏肉や鴨肉とおいしそうな具の数々。そして、なによりも少々黒っぽい蕎麦が興味を惹く。本書第三章には、出雲そばができるまでの工程が写真入で詳述されている。その最初の部分の「製粉」の項を見ると、“黒っぽい色”の理由がわかる。玄そばから殻を除いた「丸抜き」と磨いた(ほこり、土、へた等を取り除いた)「玄そば」を50%ずつ混ぜて石臼で挽いて、出雲そばのそば粉ができあがる。「玄そば」の殻は、少々黒い。
これまで本欄では、武蔵野うどん等都内のうどん店の探訪記を連載してきたが、今回は編集長のご了解のもと出雲そばに関する本の紹介をしてみたい。
『出雲そば街道 出雲・石見・隠岐・伯耆のそば屋めぐり』の発行は2007年6月29日。刊行まもない新刊書である。発行元は島根県出雲市に所在する(有)ワンライン(電話0853-21-0068)で、まさに地元の本であり、うわっつらでない綿密な取材がなされている。全部で79軒の出雲そばの店が紹介されている。全160ページ、定価は1333円+税とリーズナブル。旅行者にとっても、気軽に持っていける本である。目次は以下のとおり。
第一章 島根県のそば屋 52軒
第二章 鳥取県のそば屋 27軒
第三章 出雲そばの手打ち技術
第四章 出雲そば・三瓶そば・隠岐そば・大山そば
第五章 そば小咄
本書には合計79店の出雲蕎麦の店が登場する。どの店をここで紹介するか迷ってしまう。女優の黒木瞳さんが、エッセイのなかで「松江城の近くにあるお蕎麦屋さん」の素朴で歯ごたえのある出雲蕎麦の味・・」と、松江の旅を回想していたことを思い出した(松江観光協会編・発行『和の心 日本の美 松江 三十六人の松江物語』2007年)。さて、その店はどこだろうとページをめくっていく。黒木瞳さんに強い印象を残したのは、本書の42ページに登場する「八雲庵」ではなかろうかと思った。「八雲庵」は、松江城、小泉八雲記念館、武家屋敷と松江の観光スポットに隣接している。店の構えもレトロな木造建築。人気メニューは「鴨なんばん」。
『出雲そば街道』をみていると、「八雲庵」以外にも行きたい店はたくさんある。てんぷら、ネギ、大根おろし、とろろ、玉子、海苔、鶏肉や鴨肉とおいしそうな具の数々。そして、なによりも少々黒っぽい蕎麦が興味を惹く。本書第三章には、出雲そばができるまでの工程が写真入で詳述されている。その最初の部分の「製粉」の項を見ると、“黒っぽい色”の理由がわかる。玄そばから殻を除いた「丸抜き」と磨いた(ほこり、土、へた等を取り除いた)「玄そば」を50%ずつ混ぜて石臼で挽いて、出雲そばのそば粉ができあがる。「玄そば」の殻は、少々黒い。