百醜千拙草

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山葉さんのおかげ

2021-10-19 | Weblog
五年に一度のピアノコンクールの最高峰、ショパン コンクールが大詰めを迎えています。年齢制限や厳しい応募資格を満たす必要があることもあり、すでに選りすぐられたトップクラスの人々しか参加できません。参加者を見てみると7月に始まった予備選には約140名ほどが参加、その中で日本人は30名、本土中国と並んで最大勢力。台湾や中国系カナダ人などを含めると、中国系はその二倍ぐらいはいると思いますが。ついで地元ポーランドが16人、韓国14人など。今月から本選が始まり今年は日本人5名が第三ステージの23名の中に進みました。反田恭平さん、角野隼人さん、古海行子さん、小林愛実さんと進藤美優さんです。小林愛美さんは前回ファイナル進出者、反田さんは日本トップの評判、角野さんは人気のYoutuber。第三次予選の様子を見てみましたけど、みんないいです。
そして週末に第三ステージが終わり、反田さんと小林愛美さんの二人がファイナルの12人に入りました。あと数分でファイナルが始まります。日本人優勝者はまだ出たことがないので期待が高まります。

あいにく、私はショパンはあまり聞かないのでよくわからないし、みんなうまいのはよくわかるので優劣の評価は全くできませんけど、一流のプロの人は指使いをみているだけで、美しいと思いますね。とくに反田さんは手の動きは武術の達人のようです。しかし、ショパンのピアノ曲ばかりを聞いていると(そもそもそう好きというわけでもないので)ちょっと食傷気味です。私にはショパンというのは食後のデザートを楽しむように聞くのがあっています。一日2回のセッションで四人ずつ、合計八時間を何日も聴き続ける審査員はすごいですね。きっと好きな人は3食がケーキでも平気なのかも知れません。

楽器の選択は、演奏者のほとんどの人がスタインウェイを選びました。上の三次予選まで行った日本人演奏者は全員スタインウェイです。パラパラ私が見た中では、スタインウェイを選ばなかった少数派のうち、4人がカワイ(Shigeru Kawai)、4人がFazioli、2人がヤマハを選んでいました。スタインウェイはダイナミックできらびやかな感じがショパンと相性がいいのだと思います。高級ピアノとして最近評価を上げているFazioliは低音から高音までのバランスがとてもいいように思います。カワイは繊細な音がいい感じ。もっともカワイもヤマハもスタインウェイをお手本にグランドピアノを作っているようですが。

しかし、これだけ多くの優秀な日本人音楽家や中国人音楽家が国際的に活躍しているのは、多分ヤマハのおかげでしょう。ヤマハの量産ピアノや音楽振興事業のおかげで日本人は音楽に親しむ機会が増え、それが音楽家の裾野を広げました。ヤマハやスズキがなかったら、今日、日本人音楽家が世界的に活躍することはなかっただろうと思います。いまでは中国が独自に高品質のグランドピアノを生産するようになったそうで、チャイコフスキーコンクールでは実際に中国人参加者によって使われたようです。そのうちショパンコンクールにも中国製ピアノが登場するかも知れません。

追記。ファイナルステージの最初の午後のセッションが始まりました。ファイナルは二つのピアノコンチェルトのうちのどちらかを弾くことになりますが、一人目、二人目は一番を選びました。歴史的に一番を弾いた人が優勝した率が高いらしいです。現在、中休みを挟んで三人目の反田さんの演奏が始まったところです。反田さんもやはり一番を選びました。オーケストラの人も大変ですね。

つい最後まで聞いてしまいました。聴衆はスタンディングオベーション、指揮者も大満足の様子。本人も満足の出来栄えの様子。反田さん、これで少なくとも入賞は間違いなしではないでしょうか。

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