はな兄の1分で読めるエッセー

ふと脳裏に浮かんだ雑感を気ままに綴った日記

入院の話の続きで恐縮ですが

2022-01-27 17:11:05 | 入院

病院というのは

不思議で。

入院している家族や友人の

お見舞いで来た時と

その人がその後、たまたまその病院に入院することになったとして

患者の一人として

その病院内を見るときと

景色が

全く違って見えてしまう。

もちろん

外見は

待合室も病室もトイレも売店も

看護師さんの顔ぶれも

見舞いに訪れた時と変わらないのに

患者になって

寝間着姿になるや

なんだか

全てのひとつひとつの風景が

岡本太郎の『座ることを拒否するイス』のように

こちらに

プレッシャーをかけてくるような嫌なものに見えてくる。

 

 

夜中。

静まりかえっている。

空気が冷たい。

 

 

トイレに行くと

個室から

プォ~ン!

という屁の音が響き渡る。

「ああなぜ、俺はここにいるんだろう。なぜ夜中に

他人の屁の音を聞かなきゃならないんだろう」

空しい気持ちになる。

同年代の人々は

合コンだの飲み会だのコンパだのと

楽しくやってるだろうに。

 

中古のビーカーを股間に当て

おしっこをする。

情けない。

採取した尿は

トイレの中にある分析装置みたいな器械に

ジョボジョボと流しいれる。

トイレのスリッパのペタペタ響く音も

哀感を演出する。

 

 

 

「早く退院したい」

 

それ以外のことは考えられなくなる。

時代からも取り残されているような気さえしてくる。

 

 

 


突然の入院

2022-01-27 12:35:38 | 病気

円楽さんが脳梗塞で緊急入院という。

 

私もインスリン注射をしてるときは

半年に一度の割合で

病院に担ぎ込まれた。

 

ひとえに

糖尿病に対する浅はかな認識のせいなのだが。

まず

風邪を引く。

免疫がないせいか症状は重い。

下痢がひどく

まったく食欲がない。

だから

「おとといから

何も食べてないから、血糖も上がってないだろう」

と早合点をするわけだ。

一応、血糖を計る器械で計ってみたら

と言われるかもしれないが

あれはめんどくさい。

トイレとの往復以外は寝込んでいるから

そんな気がうせてしまう。

つーことで

血糖を計らず

血糖値は挙がってないはずだと

思い込み

インスリン注射を怠る。

二日後

意識がもうろう。

おかしい。

そうだ。血糖値を。

と、小錦より重い腰を上げ

死ぬほどかったるい気持ちのまま

血糖値を計る道具をゆっくりとそろえる。

血糖値が出た。

 

あれぇ!

 

hi   の文字が表示されている。

これはハイレベルの『ハイ』を表している。

もはや数値で表す範囲を超えているということだ。

げげっ。

だが気づいたときはもう遅い。

一生懸命普段より多めのインスリンを注射して

しばらくして検査しても

hiの文字が消えない。

 

焦りと吐き気と意識朦朧のなか

母に救急車の依頼の電話を頼むのだが

そんなときでも

父親はこうだ。

「なんでトイレのドアを開けたままにしてるの」

「トイレから出たら、ちゃんと閉めて、電気も消しときなさい」

おいおいこっちは

ヒーコラ言ってぶっ倒れてる状態なのに

なんやねん。

四六時中、吐きそうだからこそ

速攻で入れるように電気はつけたままにして

トイレの裏側でしゃがみこんでいるというのに。

俺のカラダよりも

トイレの電気代の方が気になるんかい。

 

というわけで誰にも心配されないまま

空しく救急車で近所の病院へ運ばれるのだった。

 

点滴でインスリンを注入して

3日ほどで退院する。

病名は『糖尿病性ケトアシドーシス』

これがけっこうきついんですよ。

インスリン注射をしてる人は

1度や2度は経験してると思う。

 

女流棋士の室谷由紀さんも昨年末

緊急入院したらしいが

すぐに退院し、対局もこなしている。

よかったのう。

 

手術が終わっても

終わりじゃない。

苦しい。

ほんとにホッとするのは

喉の奥へと続く酸素吸入器の管を

鼻から引っこ抜かれるときで

あの瞬間は

実にうれしいんですよねえ。

室谷さん。

手術をした人じゃないと解らない。

 

 

 

 


木南晴夏が来ないかな

2022-01-27 04:44:04 | ベーカリー店

私の妹夫婦は

横浜の戸塚駅近くで

 

『ぷちらぱん』という店を営んでいる。

手造りベーカリー店である。

 

実をいうと

私はまだ一度も訪れたことがないのだから

我ながら呆れてしまう。

 

いずれは行こうと思うのだが

パンを買うために

茨城から横浜まで行くなんて

と躊躇してるうちに

30年がたってしまった。

 

聞くところによると

ラスクが流行した時に

当店のラスクは

スマッシュヒットしたらしいので

おいしいんだろう。

一応、店の主である義弟はドイツで修業したので

ドイツパンと掲げている。

しかし

いまどき

いろいろな分野に職人と呼ばれる人はいるが

パン職人ほど

頑固はいないでしょうな。

「今これが流行っているから」

「日本人の味覚にはこうしたほうが」

と私を含めてアドバイスしても

「俺はそういう軽佻浮薄な意見に左右されないんだ」

「本物のドイツの伝統にのっとった納得のゆくものを作るのだ」

「俺が客の舌にあわせるのではなく、客の方が俺の作るパンを愛するように

味覚のレベルが上がればいいのだ」

若い頃は頑としてこの姿勢を変えなかった。

 

ところがさあ。

やはりそうもいかないんじゃないの。

現実は。

というわけで

最近は作りたいものと客が欲してるものの

一致するようなそこそこのパンで

手堅い商売をしてるようである。

 

私が一番好きなパンは

さいの目型のチーズがゴロゴロ入った

小さなラグビーボールの形の

シンプルなパンで

いくらでも食べられる。

 

子どもの頃

新幹線の車内販売のサンドイッチには憧れましたねえ。

なあに、べつに特段豪華というわけではない。

薄っぺらなキュウリのやつ、玉子サンド、薄っぺらなハム

がコンパクトな長方形の紙の小箱に収められている。

ところが

けっこうこれが当時の値段としちゃ高かったような気がする。

ガッツ石松が上京した時

チャンピオンになったら

ランニングの際、いつも香りだけをかいで通り過ぎる

あの喫茶店のコーヒーをがぶ飲みしたい

というのがモチベーションの一つになったと聞いたことがあるが

私の場合は

いっぱしに稼げるようになったら

わざわざ新幹線でサンドイッチを

20個ぐらい購入して

腹いっぱい食らいたいと

思ったものです。ハイ。

 

というわけで。

いつか

木南晴夏が

『ぷちらぱん』に

来ないかしら。

 

 

 

 

 


今のお気に入り

2022-01-27 02:38:55 | 食べ物

『出前一丁』が大好きだが

3回に1回は

『ラ王・ゆず塩』である。

具に合うのはなんといっても白菜

今が旬の野菜だ。

大きめのサイズの四分の一切れが

60円。

安い。

地元の笠間産の白菜は素晴らしく

黄緑の堅い皮がなくて

全体が、ふつうの白菜における

クリーム色の中心部のいわば『白菜のヒレ部分』でできている。

 

 

鍋に水を入れ

白だしと砂糖と味の素とコショウを少しずつ入れる。

豚こま切れ肉を入れる。

細切りにした白菜を鍋からあふれんばかりに入れる。

小葱も色どりに入れる。

小袋のスープを鍋のスープの味を見ながら少しずつ入れる。

 

麺を投入。

ほぐれたらすぐ火を止める。

麺はまだ5分ぐらいしか火が通ってないが

鍋に移し替えたり、また

上に乗っかってる具の白菜を食べてる間に

麺はちょうどいいかたさになってゆくからだ。

 

酸味と塩味のバランスが絶妙。

旨し!

 

白菜は旨いねえ。

 

パソコンやるときの友の、飴で気に入ってるのが

『たたかうマヌカハニー』という飴だ。

今、コンビニでもスーパーでも

200円ぐらいで売っている。

嫌な甘さではないので

くせになってしまう。

 

ただし

乳幼児は、はちみつはいけないらしいので

この飴はどうなんだろう。

蜂のパワーで

オミクロンをやっつけてくれないかなあ。


訪問猫

2022-01-27 00:58:32 | 動物

寒い~。

 

ぶるぶるぶる・・・。

 

 

うちは一日中

庭に出るダイニングルームのサッシが10センチほど開いている。

だから

常に入り込む寒風によって、

暖房効果が得られない。

が、仕方がない。

乗りかかった船ならぬ

乗りかかった猫だ。

猫たちが出入りできるようにするためだ。

 

黒の面積が広い黒白ママ猫と

白の面積が広い白黒子猫である。

子猫はたぶんメスだと思う。

二階の昼間は暖かい和室にいる。

夜中になると、巨漢のキジトラ猫が

サッシの開いたところにいて

「にゃ~ご。にゃ~ご」と鳴いて

親子猫を迎にくる。

最近

ママ猫のカラダの側面に

500円玉より大きな脱毛箇所があり

むき出しの皮膚に

赤チンみたいなのが塗られている。

片耳の先端部が不自然に縮れている。

火傷かなんかしたんだろうか。

 

先日うちの薄暗い廊下で

ママ猫が傍らで監視をする中で

子猫がなにやらはしゃいでいたので

のぞき込むと

その先に

一羽の小さな灰色のひな鳥がいた。

ひな鳥の真一文字にした口からは血が出ていた。

私はウルトラセブンに出てきた

宇宙で一番気の毒な怪獣の

『ギエロン星獣』を想起した。

裏になったり表になったりむぎゅと

バタバタしながら逃れようとする鳥を

子猫の手がむぎゅと押さえつけた。

 

「きみたち!」

私は声を叫んだ。

「きみたち、いかんじゃないか。ちゃんとごはんはあげているだろ?」

おお、かわいそうに。

なんの鳥だろう。

 

すると子猫は不思議そうな顔で私を見つめて

「なにか?」

と、キョトンとするのみなのである。

 

こりゃだめだ。

私はいたたまれなくなり

自分の部屋に引きこもったが...。

 

 

 

 

翌日

普段使用してない二階のじゅうたん部屋には

灰色の羽が散乱していた。

私は

杉田かおるの『鳥の歌』を口ずさみながら

コロコロを転がしながら、羽をはぎ取っていった。