海賊日記

子育てと趣味の日記

最後の場所

2016年08月02日 22時23分23秒 | Weblog
常連さんだった利用者さんが亡くなった。
利用したその日の夜に容体が急変して救急搬送され、そのまま何もする事なく亡くなったそうだ。

まだ74歳の男性。どんな病気なのかあたしはよくわからないけど、鼻から酸素吸入してたから肺かな?酸素吸入してても普通の半分の量くらいしか吸えてないので常に胸を上下させてた。

でも意識が非常に高い人で、とにかく通所に来たい。今までと同じ生活がしたい。
絶対無理なのに、無理だと思いたくない。呼吸が苦しくなるから興奮したり話したりしちゃいけないのに、とにかく自分の思いを伝えたくてやたらスタッフを捕まえては話してた。
主治医からも「本人の思うように。何があってもいいので」と一筆。

んなこと言って何かあったらあたしらだって困るよね!とよくナースを話をしてましたが。


最後の利用日・・・明らか顔色が悪い。というか表情が悪い。
みんな心配してたんだよね・・そしたら案の定。

10年務めたあたしでも来たその日に亡くなった人は初めてだったのでちょっと驚いた。
「今まで通り」を貫きたくて必死に通所に来てたのに、最後の時は病院になってしまった。

本人には意識はなかったかもしれないけど。でもやっぱり家の中で亡くなりたかったんじゃないかなぁ・・・・


自分の父の時を思い出す。
亡くなる2日前。往診してくれた先生が「危険だ」と言うので救急車で総合病院に運ばれた。
そこの診断でもう今日明日だ、と言われたのに、輸血をお願いした。
先生は「入れてもざるのように流れるだけですよ」と言われたのに、あたしも母もまだこの期に及んで「また持ち直す」と疑ってなかった。

輸血のおかげで父の血色は驚くほど良くなったからだ。入れ続けるわけにはいかないのに。
でもそのおかげで、その時だけ元気になった父と、母は貴重な時間を持って話が沢山出来たようだった。席をはずしていたあたしが病室に戻ると「折角お母さんと二人きりだったのに」なんて初めて聞くような冗談を言うほどに。

本人の「在宅で死を」という希望があっても、家族は少しでも希望が欲しくてやっぱり病院に行ってしまう。
母のお陰で、父は住み慣れた我が家で子ども孫全員に見守られて亡くなることが出来た。



たぶん、誰しも病院で最後を迎えたいとは思ってないだろう。
でも難しい。その判断が。今回の利用者さんのことで、職場でそんな話になった。


人とは違うけど、あたしが追いかけていた河原の地域猫さんも、今日亡くなった。
お世話してる人が入院させてたんだけど、最後は河原で、と連れ帰ってくれた。
匂いや光は病室とはまるで異なるだろう。河原に戻って半日ほどで亡くなったけど、間に合ってほんとに良かった。

大事な相手であるほど難しい選択。
もしもの時、どうするか。自分の時はこうしてほしい、というのは早めに伝えておいた方がいいかな、と思った今日でした。
コメント
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