ギリギリ探偵白書・157

 ギリギリ探偵白書
 「革コートとサングラス・第3話」



 メモ魔の新人調査員ワイルド、いつも以上にやる気のある田中
 そして、神様サザビー。このわけのワカラナイ三人組で調査は
 行われていた。




その調査は最終日を迎えた。

私は朝方に痴漢を捕まえる調査を済ませてから、現場に向かった。


田中   「代表、全容がつかめましたよ」

阿部   「なんだよ。すごいやる気だな」

ワイルド 「(猪)八戒は、お孫さんに惚れちゃったんですよ」

サザビー 「田中、コードネームがついて良かったな」

田中   「さ○りさんが僕のこと、八戒さん!って呼ぶんですよ」


田中はデレデレしながら話し始めた。


田中   「代表、本題です。万引き犯は・・・」


万引き犯は高校生グループが主流であった。
そのグループは朝にパンのトレイを全て持っていってしまったり
学校帰りに集団で毎日、万引きをする。

その上、数人で犯行の瞬間を隠し、一人が万引きをするという手口で。
盗った品物は駅前のファーストフード店で山分けをする。

最も多く盗られた物は化粧品。続いてお菓子であった。


阿部   「そいつらは決まったメンバーなのか?」

田中   「はい、決まっています。全部で8名です」

阿部   「身元は?」

田中   「確認済みです。」

ワイルド 「学校もわかっています。彼氏彼女の名前も大体わかります」

阿部   「あっ、そう。で?落書きは?」

田中   「ほぼ同じメンバーです。ただ、こっちは男が多いっす」

ワイルド 「それが、万引き犯の彼氏とその仲間です」

田中   「オレが説明してるの!!」

阿部   「喧嘩するなよ。それじゃあ、今日はどうなの?」

サザビー 「やるな。今朝、八戒とワイルドが落書き消したから。
      すぐやるぜ。恨みでもあるんじゃないの?」

阿部   「そうか、時間帯は?」

ワイルド 「店が閉まってからですから、10時以降です」

阿部   「24時間じゃないの?コンビニなのに?」

田中   「イイじゃないですか!!コンビニだけど」

サザビー 「11時20分頃だな」

阿部   「なんでわかるんだ?情報でもあるのか?」

サザビー 「まぁ、神だからな。オレは」

全員   「はいはい」


そして、張り込む事、数時間。
落書きが始まった。


阿部   「行くか」

サザビー 「いってらっしゃい」

阿部   「お前も行くんだよ」

サザビー 「・・・八戒、ワイルド、懲らしめてやりなさい!!」

阿部   「黄門様かよっ」


我々は足音を立てずに階下に降りた。

スクーターが3台停めてある。
その横に高校生風のダルそうな子が一人で、座って辺りを見回している。

別の出口より、車を取りに行った田中(=八戒)から合図が来た。


サザビー 「助さん、格さん、懲らしめてやりなさい!!」

車は彼らの逃げ道を塞ぎ、私とワイルド、サザビーはコンビニの横から
飛び出した。

彼らは一網打尽となった。


高校生  「俺らが万引きしたって言う証拠があるのかよっ」

サザビー 「万引きじゃなくて窃盗でしょ。見たいなら見るぅ?証拠」


彼らは一度、万引きで捕まり、学校や家庭で問題となったことを
逆恨みして犯行を続けていたそうだ。

・・・調査は無事、終了した。

その後、猪八戒こと調査スタッフ田中は、時折、そのコンビニに
通っているそうだ。

こちらは、まだまだ終了しないようだ。




        完



 メールマガジン「ギリギリ探偵白書」の復刻版です。

 ギリギリ探偵白書は、過去に行った調査を本人了承のもと掲載しています。
 尚、調査時期や調査対象者・ご依頼者様の個人情報は本人様の請求以外は開示いたしません。
 また、同作品に登場する人物名は全て仮名です。


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