峠を越えてもまだ先がある

谷 和也 シニアの挑戦 ゆっくりマイペースで

シーボルト

2012年01月29日 | 語学いろいろ

  幕末の日本とオランダ交流に名を残した1人として、シーボルト(Philipp Franz von Siebold 1796.21866.10.18)がよく知られている。長崎の蘭商館付け医師というほか一説に日本研究の使命もあったとか。鎖国政策で出島内に活動が制限されていた中で「江戸参府」という参勤交代に似た制度を利用。彼は道中ゆっくり様々な研究をしたようだ。

 長崎から江戸を往復するのに3カ月以上。事実、一行57人の日程は1826215日から77日に帰着するまで143日かかっている(『シーボルト』吉川弘文館・板沢武雄著)。江戸に着いた時には、滞在延長を願い出たほど。結果的には却下されたが、彼の研究意欲を示すエピソードではないか。

 
 ドイツ人でありながら、ずっと“オランダ人”を装った。通詞
(通訳)らも怪しんだ。しかし「自分のオランダ語は高地の訛りが強く、平地の言葉とは少し違う」という意味の釈明をし、平然としていた。帰国前、持ち出し禁止の地図がみつかる「シーボルト事件」が起きた。彼自身は日本人を愛し、日本文化を世界に紹介した。その功績は今も讃えられている。

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