「ワシが、ワシが、言う者を見てみい。誰も相手にせんじゃろう。ワシはこういう人間なんじゃとしつこーに説明すりゃーするほど疎まれるのに気付かん。大田分けにつける薬はにゃー。あれの周りには僻みっぽい者ばーが集まっとろーが(笑)」
祖父は我の強い人間を冷ややかに分析しては笑ったものである。新政権が誕生してからやたらとこの種の輩が泥の中から出てくるのには閉口する。
生まれも育ちも大きく違う人間の思想を一方的に聞かされるのは甚だ迷惑な話であり、十分な理解が得られると思う方がおかしいのだ。確か金美齢さんが我が町で講演会を開いた際に同様の発言があったことをはっきりと覚えている。
他人の話を聞くことなく己の話ばかりする連中を金さんはバッサリ斬り捨てていたのである。露骨な「押しつけ」に対しては必ず「反発」が起こり「嫌悪感」が生まれることを愚か者は得てして度忘れしている。だから同類と戯れ日々愚痴をこぼし、ツキにも賢者にも見放されるのだ(笑)
台北の食が世界のトップクラスであることは言うまでもない。2度目の訪台で再度食べ歩いて(高級店から庶民が利用する店まで)それをはっきりと確信した。
初めての旅で特に印象に残っているのが青菜のシンプルな炒め物である。味付けは塩、にんにく、コショウと旨味調味料少々だが、野菜のおいしさが前面に出ていた。
私が野菜炒めを作る時には台北で食した味を常にイメージしている。旨味調味料を使わずに醤油に少しオイスターソースを足したものを調味液とする。
小松菜の軸のみサラダ油と塩を加えたお湯でさっとゆでてから豚肉、玉ねぎと炒め塩などで軽く味付けする。葉を投入して調味液を回しかけて完成。強火で手早く加熱することを心がければうまくいくはずだ。
中華料理店に行かずとも家庭で台北の屋台の味を再現することは可能だ。