そんなに難しいことじゃないと考え、昨日、行動を起こした。
市ヶ谷で有楽町線から都営新宿線に乗換え浜町で下車。
マンションの7階の小さな事務所だった。
社長が頭を掻きながら「全て自分一人でやっているもんですから、すいませんね、どうぞ」と中に迎え入れてくれる。小さな事務所を恥じるようなよくあるセリフだった。
「演技なんかできますか? 役者の経験とか勉強は?」
「いえ、経験はありません。演技とかセリフとなるとちょっと、難しいですね」
「そうか、わかった。じゃ、スチールの方がいいな。旅の温泉めぐりの老夫婦、なんて、どうでしょう?」
「……あ、はい、いいですね。老というのが気になりますが(笑)、そういうCM、僕にぴったしカンカンです」と、乗り気の返事。
「じゃ、写真を撮りますから」
表に出され玄関のベージュのドアを背景に撮影が始まった。
「今、僕はカメラマン」と社長が笑いながら言う。「はい、笑って」
と、言われたが照れてしまってうまく笑えない。頬がピクピク、痙攣。
20枚くらい撮り、なんとか終了。ふ~~。
「あなたの飄々とした表情がいい。この世界はね、男前とかそういったものは関係ない。個性があればいいんです。いずれオーデイションがあります。それで20回のうち19回は落とされると思っていてください。そんなに簡単な世界じゃありませんから。遊びのつもりでやってください」
「はい、そのつもりです。なければないで構いませんから」
―――飄々……、男前とか……関係ない。個性があればいいんです――
うむ。要するに、変わった顔のほうが面白みがあっていい。ふむ。
でも、なにか複雑な言葉だったが、吹っ切れた。
数多い趣味の中の一つを実現するため、CMタレント、ん? いやいや、そんな大袈裟なものではない。その他大勢のエキストラでいい!!
人生遣り残しのないように。
↑うむ。うむ。意味深だね~?、、、、この言葉。。!^ ^;;
やっぱし、これ止めて、あくなき挑戦に挑む!!!
この方がいいかな?笑。