21-3-4(水)読むのを諦めなさい。超長文（先日のこと）だから。

会社からの帰り道。池袋駅までのちょうど真ん中にエールハウスという瀟洒な看板がある。
照明の落ちた階段を降り、年季の入った木製のドアを押し開けると、そこは大人の雰囲気が漂うジャズバー。店内は薄暗い。
すでに来ていた友人が手を上げた。テーブルには琥珀色のグラスがある。つまみもいくつか頼んだという。
僕は、ＩＷハーパーのソーダ割りとピザを頼んだ。
その日のライブはジャズ。貼り紙に小向萌（女性シンガー）と朝野陽一（男性のギターリスト）の二人。小向って……、最近聞いたことがある？　NoCharge(投げ銭)とある。聞きなれない言葉だ。
なに、これ？　チャージがない代わりにお金を投げてくれということ？　と訊いた。要するにそういうことだという。強制ではないが任意で、金額は500円以上でチップをお願いしますということだった。
店は、詰めても40人入れるかどうかのキャパ。まだ10人ほどしか入っていない。

ライブが始まった。歌もギターもなかなか上手かった。投げ銭は二人で3000円を入れた。
二時間少しいた。店を出る際に、一応領収書くれと言ったら、モタモタしていたので、いくらでもいいから、と言ったら１と書いてよこした。
電車の中で、１円かよ。１の前に500つけても5001円、1000を書き足しても10001円、何か怪しすぎる。税務署にまた笑われる。

家に着いたのは23：30。
パジャマに着替えようとスーツを脱いだ。あれ？　黒皮のカード入れが？　ない!!!　ヤバッ!!
考え付くところすべて探す。慌てる。中には運転免許証、健康保険証、20枚以上のカード類と現金数万円が。
先ほどの店に電話し、事情を説明する。ちょっと待たされる。２分くらい経った。もしもし、と声が返ってきた。ありませんね、と続いた。うわっ!!!　
そうですか、と言って、ほかに考えてみたがない。
もう一度粘って、場所を詳しく話した。今度は1分待たされた。もしもし、声が返ってきた。あのお名前は？　と訊いてきた。柳家金五郎です、と冗談を言う余裕がなかった。自分の本名を言った。そしたら、ありました、と返事が来た。
緊張が解ける。
「どうしますか？」「もうこんな時間だから保管しておいてください、明日取りに行きます」と言ったが、不安になりリダイヤルした。
時計を見たら23:45。

またスーツに着替え、コートにマフラーをし駅まで自転車を飛ばし上り電車に乗った。なんや、なんや、なんや、今日一日は。
結局、家に戻ってきたのは0:55。
カレーライスを腹に放り込み、風呂に入り、就寝したのは2:30zzzzzzzzzz