
キノシタという大工さんがいた。
マサルという一人息子に、
自分の後を継がせようと、
いろいろ仕込んだが、
根が甘えているマサルは、
なかなか、
上達しなかった。
それで、
自分の師匠格のヨン親方に、
マサルを預けることにした。
ヨン親方は、
四拍子建築という独特の技法で、
早く、
丹念に、
仕上げてしまう。
けど、
生まれながらの重度の顔面麻痺と、
口が痺れていることからの発音障害があった。
そういう事情を、
マサルに説明したキノシタは、
こう結んだ。
「ヨン親方を絶対に、笑いものにしてはならない‼️」
マサルが、
そのヨン親方のところに修行に来た時、
ヨン親方の顔は、
変わることのない笑顔やった。
茶髪七三分けにしめ縄鉢巻している、
弟のヨイヨイが、
ヨン親方の支え役やった。
そして、
8人体制の家作りをしていた。
作業にかかる前、
ヨン親方が、
扇子を出して、
四拍子の舞を踊った。
それを、
弟のヨイヨイが、
じっと目で追いながらメモ書きして、
「ヨン親方が、きょうフローリング完成させると言ってるマァしぃ~っ❗️」と言った。
マサルは吹き🤣そうになった。
ヨイヨイのしゃべり方もさることながら、
ヨン親方に対しても、
なんで、
しゃべるか書類指示すればエエのに、
踊るんやろか😵❓
けど、
親父から、
「笑うな!」ときつく言われていたので、
こらえた。
ヨン親方は、
釘打ちからカンナから、
全部四拍子で綺麗に仕上げる😳
そして、
うれしい時は、
[喜]のマークシール。
怒っている時は、
[怒]のマークシール。
哀しい時は、
[哀]のマークシール。
可笑しい時は、
[楽天]のマークシールを、
変わることのない笑顔表情の頬に貼り付けた。
そして、
タバコ🚬を吸ってる時は、
[喫煙中]のマークシールが、
頬に貼られている。
マサルは、
タバコ吸ってるときは、
見た目でわかるのに、
なんで[喫煙中]マーク貼るんやろか?と、
吹き🤣そうになったが、
こらえた。
しばらくして、
ヨン親方と弟子のあんちゃんの足に、
台に乗せてたレンガが落ちた!
あんちゃんは、
「あいたた‼️」と叫んだ!
ヨン親方は、
すぐに[痛]シールを頬に貼り、
「痛いヨォ~ん!痛いヨォ~ん!アンヨが痛いヨォ~ん!!」と叫んだ。
思わず吹いて🤣しまったマサルに、
ヨン親方は、
頬に[怒]マークを複数貼り付けて、
「許さないヨォ~ん❗️」と叫んで、
カンナで、
マサルの頭からを叩いた😳!
痛がるマサルをシカトしたヨン親方は、
そばにあった水の入ったバケツに、
マサルの頭を突っ込んで、
「お前は死刑だヨォ~ん❗️」と叫んだ。
更に、
ノコギリを手に持ったヨン親方は、
「お前を引いちゃうヨォ~ん❗️」と叫んだ。
マサルは冥土に送られると思ってパニくった。
そこに、
ヨイヨイが、
急いで扇子を二つ持って来て、
その一つをマサルに渡して、
「ヨイヨイの真似して踊るマァしぃ~っ❗️でないと、体が二つにされちゃうマァしぃ~っ❗️」と言って来たので、
マサルは、
疑問の余地もなくヨイヨイに従って、
たどたどしく、
扇子を持って、
ヨイヨイと一緒に、
四拍子の舞を踊った。
それを見ていたモンたちは、
「あれはお詫びの舞や。マサルさん、ヨイヨイあんさんにかわいがられて」と口にした。
ヨン親方は、
この二人の舞を見て、
顔中に貼ってた[怒]シールを取って、
代わりに、
[終]シールを頬に貼って、
仕事に戻った。
こう言う訳で、
マサルは、
空前絶後の恐怖体験を味わったが、
ただ、
ヨン親方の四拍子建築の腕は、
一級やと、
絶賛している‼️