
今から20年前。
讃寿司(さんすし)という、
地元でも、
名の知られていない寿司屋があった。
そこに、
体格のいいトクというオンナが住みこみで雇われた。
けど、
讃寿司(さんすし)は超ブラックで、
トクに休暇を与えず、
12時間労働をさせた。
そして、
賃金も、
月給、
7万円均一システムやった🙀❗️
また、
讃寿司(さんすし)は、
客に、
フツーよりも高額請求をすることでも知られた。
ある日、
讃寿司(さんすし)の大将がハモに手を噛まれて、
全治3ヶ月の大怪我となる。
更に、
近所に、
回転寿司ができることもあって、
ガチに危機感を持った讃寿司(さんすし)は、
全日本寿司連盟(🤔❓そんなもん聞いたことないけど---🤔🤔)に訴え、
握り一平(2020年9月13日書き込み記事『職人列伝~握り一平』参照)を雇い入れた。
その日も、
トクは、
讃寿司(さんすし)の女将に、
辞めさせてくださいと願い出たが、
女将は、
「なに馬鹿なこと言ってんだい!不忠義カマすんじゃないよ❗️見ろ!今朝仕入れた寿司ネタが驚いてるじゃないか‼️」と、
ガナった!
大将も、
「ここを辞めたら、お前が黙って寿司を隠れ食いしたと言いふらしてやる」と脅した。
トクは、
悲しげに、
あきらめた😢
ある日、
店内で、
寿司ネタを切っている握り一平と二人だけになった。
トクは、
カウンターを拭き掃除していた。
そしたら、
握り一平が、
寿司ネタ切りながら、
「ネタも新しければ、お客の口さまの喜びになります。けど、古びれば、お客の口さまの悲しみとなります。あんたさんは、新しい寿司ネタとして、ここを出るか?古びた寿司ネタとして、ここで済むか?よくよく考えなさって」と呟いた。
トクも拭き掃除しながら、
「出ていきたいのはやまやまですけど、大将と女将さんが---」と言葉を詰まらせた。
握り一平は、
相変わらず寿司ネタ切りながら、
「心にさびを持って考えなさって。ここの大将と女将が、人としてのネタとシャリを持っておられるかどうか?」
トクは手を止めた。
握り一平の視線が投げられる。
そして、
握り一平は、やさしく、
「そろそろ、あがりをいただく頃じゃござんせんか?」と語りかけた。
トクは、
そのまま自室に行き、
荷物をまとめて、
出て行った。