古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

泣かない女はいない       長嶋有

2018-02-14 14:25:11 | 長嶋有
河出文庫。


題名はなにかと思ったら、ボブ・マーリーのNO WOMAN NO CRY


から。



主人公、睦美が好きになった男がそのうたをカラオケでうたうのだ。


長嶋氏のこの作品は要素が幾重にもなり、独特のグルーブ感を生み



出している。



その作品は読み応えがあり、日常を描きつつ、そこだけでは終わら


ない世界を構築していく。


恋って不思議だ…女を変える。


女性の視点に立ち、女を演じきる。書いている間は少なくとも、女子



であったのではあるまいか。


「泣かない女はいない」………「文藝」2004年


「センスなし」……「文藝」2003年夏号
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日記 2・13

2018-02-13 14:59:51 | 日記
とうとうパソコンがおかしくなった。で、二日前に


山田にもっていくと、即入院ではなく、死んでいる


という。あなたはもう死んでいます、宣告されてし


まい五年の付き合いだったNECともお別れして、買


いなおしました。今度のは、FMV君です。初期設定が



タイヘンですよお、四時間かかりますよお、と口のく




さいスタッフがおどかすから、覚悟してたけど、簡単



に終了。使えてます。貯金をはたいて、奮発していいの


を買っただけあって、前の安いNECくんとはけた違いに早


いです。いやー、怪我の功名ですね。音楽も音はいいし、


いうことなしですぞ。



午前中に届いて、音楽、アルバム1400枚以上を移行



して、今終わったから、まあ、やっぱり、結局、四時間


はかかったかな。でも、頼むほどじゃないですね。



あとで、書評も、うpしましょうかね。とりあえずは日記


で。
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最果てのアーケード   小川洋子

2018-02-09 14:21:42 | 小川洋子
講談社  2011年


兔夫人……アーケード街の眼球の店、しばしば小川作品に登場する


それじゃあやっていけないだろう、という商売。小説のなかでは


繁盛している。


にくるラビトといううさぎをかっている夫人について描かれる。


ラビトがいるはずの乳母車にはラビトはいなかった。


その後、Rちゃんがしんだと同じころにラビトというあだ名の


少年が亡くなったと紳士おじさんから聞く。


人さらいの時計……動くところを見るとさらわれるとウワサのある


大時計。


私は知らない人を尾行する、その人が父の背中のような気がして


、そして、大学の助手のひとはセミナーでコミュニケーション


の講座でトンチンカンなコウモリの話しをし、私に最後にバイオリ


ンで、「愛のあいさつ」エルガーをひいてくれとたのんだ。


また、ある日は、チャリで転んだ野菜売りのおじいさんの後をつける。


小川女史の話はやっぱりどこかヘンである。そこが魅力かな。
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妊娠カレンダー     小川洋子

2018-02-09 11:34:03 | 小川洋子
文春文庫  平成2年


姉が妊娠したことによって揺らぐ日常の中で、


染色体を破壊するというグレープフルーツの


ジャムをつくり、それを姉はむさぼるように


食べる。つくる方もつくる方だが、くう方も


くう方だ。これを意地悪と言って片づけてし


まうわけにはいかないだろう。もっと根深い


病巣的なものがそこにはあるのか?


破戒されてしまうというテーマ、失われてし


まうというテーマの中では、我々は、ここに


肉のつながりのあるものにしかわからない憎


悪みたいなものがあるのかな、と思ったりする。


姉を不幸にしたいという無意識の欲求……ふふふ、


とうすら笑いを浮かべて奇形を望むその恐怖。


誰にでもある病巣をこのひとは熟知しているの


だ。


ほか、ドミトリイ、夕暮れの給食室と雨のプール


所収。
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シュミじゃないんだ    三浦しをん

2018-02-08 08:18:08 | 三浦しをん
新書堂   2006年


ボーイズ・ラブの書評。


テーマを各回で決めて論じている。


あとりさんの貴重なカットも載っている。


あとりさんは2004年、34歳、永眠。


やはり、このくらいボーイズラブを愛さないと


モノにはならないということがよく分かりました。


腐女子のバイブルじゃないですかね。


といっても、ボクはオカマじゃないです。違いま


すって、オカマじゃないですって(-_-;)。



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穴     小山田浩子

2018-02-07 03:52:12 | 小山田浩子
新潮文庫。



穴に落ちるといっても、胸の高さくらいの


ビミョーな深さ、それが滑稽で笑わせる。


その穴というのも幻のような動物のなのである。


ひと夏の幻影を描いたともいうべき作品。


はじめ、ちょっと、と思ったが、膝突き合わせて



読んでみると、これがなかなか面白い。


ちょっとした滑稽味というか、ユーモアもあって、


とてもよかった。


寡作のひとみたいで、穴以降、作品集が出ていない


のが残念でもあるが。


同郷のよしみとしては、この芥川賞作家にずっと注



目していきたいですね。

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インド怪人紀行   ゲッツ板谷

2018-02-06 10:40:23 | ゲッツ板谷
インドの紀行記であると同時に、ウェイトをし



めるのが、同行するカモちゃん、ナベちゃん、ハック、



といった面々のものがたりである。



それが、この本の厚みを増し、豊かにしている。



インドは過度に人間臭いところらしい、人間臭い面々が



ドラマを繰り広げる。



ひとつのショーにまで昇華されているのだ、あるいは、



コントか。


いや、けど、ゲッツ板谷氏ってひとはひとを飽きさせ


ないエンターテイナーライターだぜ、ホント。
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イカ干しは日向の匂い   武田花

2018-02-05 20:31:42 | 武田花
角川春樹事務所。



なぁんかのんびりした片田舎の風景。


ちょっとずらした視線、ほのぼのとした気分に


させてくれる写真とエッセイ。


猫が主人公ともいえる。


プチ旅行にいったときの紀行文は自分もどこかへ



行ってみたくなってしまう。


あぁ、ボクも片田舎に旅したいなあ……!
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向田邦子全集 新版10 エッセイ六 女の人差し指

2018-02-04 12:33:47 | 向田邦子
文藝春秋。


汲取り屋はいつからみなくなったのだろう。ボクが



子どものとき、七十年代はまだあったような気がする。


八十年代に入ってからみなくなったのかもしれない。


クソをするのが人間である、ということを忘れそうに


なるときがあるくらいだ。クソがクサいことも怪しく



なるくらいだが、たまにすごくクサくて、はっとさせら


れる。



それが人間の堕落の始まりなのかもしれない。



このエッセイ集の途中で飛行機事故にあわれて、亡くなっ


ている。


まだまだ作品を楽しめたのにと思うと、惜しむ気持ちが


先に立つ。悲しい、というよりだ。


ボクは向田女史を本でしか知りえないわけだから、それは



当然と言えば当然なことなのかもしれない。
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ビロウな話で恐縮です日記    三浦しをん

2018-02-03 12:14:54 | 三浦しをん
太田出版。



夢の話が出てくるのだが、夢を書くってことについては


むずかしいことも多々あるのだが、そこらへんはしをん


さん、上手ですね。


不条理を不条理として書けてる。


どんどんふくらむ体に悩み、BLマンガ、小説にあけく


れ、オリジン弁当をくらう。


部屋は汚部屋ですかね。


読む楽しさをわかっているっていう、ツボを押さえた文章


だ、と思う。


退屈しのぎに読むだけではもったいないかな、と思うが、い


まや、退屈をしのげる本がすくなくなってるから、貴重だと


思いますね。
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