中公文庫 1996年
先祖に憑依した姉のふくらはぎを見つめて
歩き、墓を探す姉妹の物語である。
先祖は大事であり、その先祖が祀ってある墓を
父の幽霊がつまらないから先祖の墓を探して
くれ、と言ってきた。というのも、とても怖い。
ちょっとヘンな人なのかな、今更ながら川上さ
んのことをそう思う。いや、相当ヘンな人だ。
キレイなのに、残念な人と言われてしまいそうだ。
部屋も汚いし、すごくエッチだしね、川上さん、と
勝手に思っているわてだった。
芥川賞を獲ってから27年も経っているのか。そうか
この作品も27年も前のか、それにしては、全然、
古びていない。それどころか、今の感覚ととても
合致するところがある。
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