古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

おらおらでひとりいぐも   若竹千佐子

2019-08-18 12:58:07 | 小説の紹介
河出書房新社   2017年


このタイトルがかっこいい。おらおらっていっておきながら、桃子さんという


三人称で物語はかたられてゆく。


この若竹さんっていう人は、人生は別れで満ちていて、しかも、それは悲しい



ってことを知っている。そうなのだ、63歳のこの作家は近来では目立ってきた



若い新人作家にはない目を持っているのだ。


人生は悲しみに満ちている。しかし、日常の中で人は光明を見いだそうと自然と


がんばってゆく。がんばらないと、人生なんて生きてゆけやしない。生きているだ


けで、すでにみんながんばっているんだと、思う。


そして、生きていることは楽しい、と僕は最近になってやっと思うことができるよ



うになったのだった………………合掌。


                           (鶴岡卓哉)


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