稲葉明雄・訳 ハヤカワ文庫 1977年
SF好きにとって必読書を今更ながら古本で
読みました。多元宇宙ものの決定版であり、
ブラウン氏のベストとも言われる本書。
SF好きなら夢中で読むこと間違いなしだ。
なにせ、SFヲタクの妄想する異世界に飛んじ
ゃうのだから、月への旅行や、火星、金星へ
ジャンプして飛んでいくのは勿論、月人とか、
月ジュースとか、その小道具も面白い。
装丁もいい。〈驚異の宇宙〉というベティ・ハ
ドリーと思われる女性の短パン、ブラジャー姿
のイラストが表紙の雑誌。この雑誌、本書でも
キーとなるのだが、それが宇宙服の顔の部分にある。
バックは砂漠だ。WHAT MAD UNIVERSE. なんて
狂った宇宙だ、にある通り、狂った世界が描かれて
いるが、これぞ、70年代のSFといえるものだった。
70年代好きにもたまらん一冊。