拓栄建設株式会社 社長のブログ

大田区の建築会社社長が感じた事・お役立ち情報、雑学・趣味である釣りの釣果・ペットのチワワの成長記録など
ご報告します。

都会の石垣事情・・・凝灰岩の風化・・・船原石でした

2018-09-20 10:34:26 | 建築
東京都大田区で拓栄建設の社長やってます
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昨日、お出入りさせて頂いている東京四谷に所在のお寺さんから
石垣の件でご相談を頂き、伺ってきました。

そのお寺には、墓地の南面に高さ≒3.5mの古い石垣が有り

その一部が剥れ落ちたので見てほしい!との事

早速、現場に行ってみると

お話の通り、石垣の表面が薄く剥れたような状態で
幾つかの破片が落ちていました。

触ってみると非常に柔らかく、持ち上げると割れてしまう程
ボロボロのスカスカ状態

割れた面を見ると土が付着していて随分前からひび割れが有り
そこから、雨水や泥が染み込み、草の根も入り込んでいた事が解りました。


念の為、石積みの緩みやズレなどを確認しましたが
特に見た目では異常は確認出来ません。

一応、石垣に使われている石の種類や特性を調べようと
お付き合い頂いている石屋さんに見てもらいました。

すると・・・持ち込んだ石の表面を研磨して

すぐに、伊豆で取れる石は間違いないが・・・

『船原石に近いと思う』との回答

伊豆方面一帯は、良質の石材を古くから採掘していて
産地により石の粒子の色や形状などが微妙に違うとか・・

代表的な物は、河津石・若草石・伊豆青石・船原石等々

これらの石は、凝灰岩で比較的柔らかい石材なので
加工がしやすく古くから多くの需要が有りました。

その凝灰岩で最も代表的なのは、『大谷石』
昭和中期位まで土蔵や土留めなどに多く使われ有名になりました。
帝国ホテルでも多くの大谷石が使われた事が有名です

ところが、近年になり石自体が風化し、表面の剥落や強度が
問題となって来ていて・・

大谷石の土留めをコンクリートの擁壁や間知積みに替える工事が
必要になって来ています。

ところが、大都会では、凝灰岩で造られた土留めを
現代の耐震基準に適合した物に作り替えたくても
隣接する住宅やビルが石垣にぴったりと隙間なく建てられている
場合が多く、思う様に事がすすまない場所がかなり有るのが
現状です。

詳細な調査を行わないと一概には答えられませんが
今回の石の剥落も各地でみられる大谷石の風化の問題と
同じような気がします。

今後、益々、この様な凝灰岩の風化問題が各地で
クローズアップされることでしょう!!
超難問です!!