くそくらえ！…なのだ

○○くんの方が

ジイちゃんより先にコペン買ってきたよ〜！

我が家へ着くなり

トミカのミニカーを自慢げに手に持ち

ニコニコしながら

駆け寄ってきた初孫くん

おそらくどこかのお店で

パパであるチャラ息子に

買ってもらったのだろう

屋根が外れるんだよ〜！

ホラっ！

そう言いながら

得意げにミニカーのルーフを外す初孫くん

ホントだね〜

ジイちゃんのクルマも外せるんだよ〜

○○くんネ〜

このコペンが

クルマの中でいま一番好きなんだよ〜

へぇ〜

そうなんだぁ〜

ジイちゃんのホンモノのコペン来たら

真っ先に隣に乗せてあげるね！

うん！

たのしみ〜！

初孫くんに

一度は屋根のないクルマに乗せてあげたいと

そう思って注文したオープンカー

初孫くんが

こんなに喜んでくれるなら

カミさんの反対を押し切ってまで

買うことに決めた甲斐が

あるってもんだ…

何年か後

僕が死んだあとに

そういえばジイちゃんって

屋根のないクルマに乗ってたなぁ〜

そう思い出してくれれば

それだけでいい…

あと何年生きられるか

わからないいま…

薄い髪を伸ばして

茶（金）髪に染めたり

速くもないマラソンを走ったり

生まれて初めてのオープンカーに乗ったりと

できる限り好きなことを…

悔いを残さないよう…

別れた彼女への心残りみたいな

相手がいると

できることもできないこともあって

すべて好きなようにはできないけど…

自分だけでできることなら

精いっぱい好きにやっていこうと…

だからもう

ありふれたジジイのジョーシキなんて

くそくらえ！…なのだ

カタい会社で

幹部まで務めた名残など

もういらない

これからは破天荒にいくさ

破天荒なジジイで死んでいきたいさ

もう…

（こんな想いってちっちゃいか？笑）