道しるべの向こう

ありふれた人生 
もう何も考えまい 
君が欲しかったものも 
僕が欲しかったものも 
生きていくことの愚かささえも…

ま…いいか?

2021-03-20 18:01:00 | 日記



春分の日の土曜日の朝
初孫くんの送迎がないから
いつもより遅めに起きて
日課のジョギングに出かけようと
玄関を開けると…

ドアの近くにポツンと置かれた
少しだけ飲みさしの4合瓶の吟醸酒

何だコレ?
誰が置いていったのだろう?

すでに開栓されてるから
不用意に飲んだりできないような…

考えられるのは
チャラ息子くらいだが…

とりあえず
玄関の中に入れて
不思議に思いながら
走り始めることに…












一週間ぶりの土曜日(当たり前!)
曇り空にしてはやや暖かい(春?)

それでもまだ
半袖Tでスタートするには
勇気が要るくらいの感覚?
もちろん短パンなんて…

でも走り始めて3キロもすれば
汗が流れてくるんだろうなぁ…

それより
ひどく脚が重くて
ピッチも上がらないし
ストライドも全然広がらない

前日はゆっくり目の11キロジョグで
疲労抜きのつもりだったのに
抜けるどころか溜まってる?

準備運動のストレッチでは
そんなに重く感じなかったのに…

でも65歳のジジイだしなぁ…
スピードも出なくなってるし
キロ6分すら切れない感じの疲れ具合

3月中に1回くらいは
20キロ以上のロングジョグをやっておきたいと
そう目論んでいるけど…

初孫くんの送迎のない土日に
試みようと考えてはいるものの
今日の土曜日も無理な気がして…












結構スピードが出てるのだろう
ぐんぐんと近づいて来たランナー
白い半袖Tに黒い短パン姿

20代か30代か
それとも40代なのか?
見た目じゃ全くわからない…

あっという間に
僕の横をすり抜けて行った

速い!
もちろん
ジジイがついていくことはできない

何者なんだろう?
なんで走ってるんだろう?
それなりのアスリートなのか?

ま…いいか?
何者だろうと…




今度は反対側から二つの影
すれ違いざまにチラッと覗き見ると
たぶんJKって感じ…

中学生か?
そうでもないような…

黒っぽいジャージの上下
楽しそうじゃなく真剣な表情

前を走る可愛い方の子の額に
粒々の汗が弾けながら光っていた

部活がわりのランニング?
なぜ走ってるんだろう?

ま…いいか?
彼女たちの若さが羨ましいだけ…




ゆるゆると続く長い上り坂
上の方から近づいて来たのは
見覚えのあるフォームとウェア姿

女子マネだ!
久しぶりの遭遇
本当に久しぶりだ

最後に会ったのは
彼女のダンナの葬儀に顔を出したとき

2年ぶりになるだろうか?
たしかまだコロナ禍の前…

ダンナを亡くしてからは
全く連絡取ってなかったけど…

走る姿が見れたということは
それなりに元気になったということか?

僕と5歳違いだから
たぶんこの3月で定年のはず…

いや
定年って伸びてるのかも…

いずれにしても
ここ当分の間は
彼女と一緒に大会に出ることはないだろう

2度とないかもしれない…

こうやって
ジョギングの最中にすれ違うことはあっても…


50代にしてダンナを失った
彼女のこれからの人生…

何をどうやって
埋め合わせ?していくのだろうか?

走るだけのスタイルなら
まだ30代に見えないこともないけど…

ま…いいか?
ひとの人生なんて…


反対側の歩道で
笑顔で手を振りながら
駆け降りてくる彼女に…

手を振り返しながら
挨拶の合図を送りつつ
思わずガンバレヨ〜!と声を掛けると…

彼女は大口を開けて笑った

(ガンバレヨ〜って?)

何を頑張れというのか?
走ることを?
これからの人生を?
それとも…

声を発した当人の僕にも
判然としないまま…







結局今日は13キロで沈没
目標の20キロには届かず…

足首にスネに膝
そして股関節と坐骨神経痛?
身体中
痛いところだらけのポンコツジジイ…

いつ治ることやら…

ま…いいか?
どうせ素人ランナーのポンコツジジイ…