“ママノリア日記

ママノリアの独り言

風のじゅうたんⅢ

2006年11月30日 | アリノママノリアの日々
「じたばったするなよ・・・・」
僕は昔聞いたことのあるアイドルの歌を心で口ずさむ。

てんとう虫は僕の上に寝転んだまま、空を見ている。
僕は少し苦しくて、風が吹くのを待っている。
どれぐらい時間がたっただろう。
居眠りをはじめたてんとう虫についに僕は話かけた。
「てんとう虫さん、」
「・・・・・」
「てんとう虫さん、」
「・・・・・」
「少し重くて息苦しいよ」
「・・・・ん?」

てんとう虫は長い触角を少し振り回し、
居眠りの終わりを締めくくろうとしている。そしておもむろに僕をみた。

「落ち葉君、君はどこから来たのかい?最近は見ない顔が増えたよ。」

「僕は、本当は人間なんです、朝会社へ行く途中、風が吹いて。そうしたら
落ち葉になっていたのです。」

「あ~君もかい?さては風のじゅうたんの仕業だね」
「風のじゅうたん?」
「あーそーだ。風のじゅうたん」

てんとう虫はよく見ると、白いあごひげを蓄えている。そして七つの斑点も
少し色褪せていた。

「人間に戻りたいんです・・・」

するとてんとう虫の老人は、僕に投げかけるように語りかけた。