“ママノリア地球放浪記”

ママノリアのウタウタイの日々と🌏のこと

風のじゅうたん

2006年12月25日 | アリノママノリアの日々

愛する人がいますか。
愛されてますか。

どれだけ人を愛しても愛しぬいても、やっぱり僕らは孤独で。抱きしめて抱きしめて、愛を確かめ合っても足りない。

やっぱり彼女の悲しみは彼女だけのもので、きっと僕の悲しみも僕だけのもの。
でもそれでいいんだ。それがいいんだ。
やっぱり僕らは孤独で。

だから人を愛するんだね。

誰かを愛するたび自分を知る事ができるね。

ありがとう。

君を本気で想えたから、簡単に言える気がするよ。

ありがとう。


「ピーノ。」

僕は笑って泣いた。
海の音。
僕を包む。

僕は笑って泣いた。



風のじゅうたんⅩ

2006年12月22日 | アリノママノリアの日々
迷路のようなトンネル。

僕は、一人うつぶせになっていた。
雨音が聞こえる、そして沢山の悲しみたちが残酷な歌を歌っている。

首が痛い。
どうやら振り向いた瞬間ブラックホールに吸い込まれたようだ。

光がない。

ここは闇の部屋だ。

人が大人になると落としていくものとは何だろう・・・・。
僕は過去を振り返った。

泣かなくなったな・・・・
何故?
心が締め付けられる程の感動がなくなったな・・・・・
何故?
傷つかなくなってきたな・・・・・
何故?
・・・・・・

一つ一つ問いかけてみる。

すると、心に海が広がった。
限りない海が・・・・。

もっと問い詰めてみる。

僕は、何がしたい?
僕は、何故生きている?
僕は、恋人を愛しているか?
僕は、あいつを信じているのか?

そして、一つ一つその問いに答えていく。

何の汚れもない、素直な、生まれたままの感情で。


海は果てしなく広がっていった。どんどんどんどん。
まぶしい・・・・・。

さざなみが押し寄せるたび、心が憂いに染められて、心地よい。
何の苦しみもない、何の悲しみもない、満ち溢れた幸せがただ頬を伝う。

生きているんだ・・・・・・

僕は生きているんだ。
それでいいんだ・・・・。

限りない海、限りない心・・・・
終わりがない。

「終わらねーさ、ははは・・・はははは・・・」

笑いがこみ上げてくる。
力の限り、思いっきり笑っていた。

おもいっきり笑っていた・・・・。






風のじゅうたんⅨ

2006年12月16日 | アリノママノリアの日々
渦を巻いたブラックホール。
一歩ずつ近づくたびに震える心。

まるで憑依されたかのごとく、悲しみが募って。
僕は泣いていた。

いつの間にか泣いていた。

ブラックホールは、渦を巻いている。
強い強い風が吹いている。
吸い込まれそうな自分を必死でこらえて。


肩を叩かれた。

振り向くと・・・・・・


てんとう虫の老人。
てんとう虫の老人は、おもむろに語る。

「残骸じゃ。これはすべて、残骸じゃ。年をとるとな、捨てなきゃいかんものがあるらしい。」
僕は、老人から背を向けもう一度ブラックホールを覗いた。



風のじゅうたんⅦ

2006年12月14日 | アリノママノリアの日々
夢の国。
そこはプロミスランド。

僕は落ち葉。
落ち葉は僕。

目の前には大きなゴミ捨て場。そして渦をまいた心がぐるぐる回っている。

愛情が埋もれてる・・・・。
僕は歩く事ができた。

「優しさを忘れてないかい?思いやりを忘れてないかい?人は皆愛されて生まれてきたのに。生まれてきたのに…。」

お経のように、だけどメロディアスに渦をまいた心のブラックホールから歌が聞こえる。

怖くなった僕。
「ピーノ、ピーノ、どこだい?ピーノ」叫んでみた。

風のじゅうたん。
今頃気付いた。
今更気付いた。

夢の国。
そうここはプロミスランド。

僕はゴミ捨て場へ一歩ずつ、一歩ずつ近づいた。

確かな自分のこの足で。


風のじゅうたんⅥ

2006年12月07日 | アリノママノリアの日々

僕は落ち葉。落ち葉は僕。
涙も流れない。

それでも僕は泣いていた。
それでも涙は出ない。

泣くって言うのは、涙を流す事じゃなくて、心が泣くことなんだ、そんなことを
考えていたらいつの間にかシャボン玉が朝の闇を彷徨っている。

僕は何度生まれ変わったんだろう?
前世は何をしてたんだろう?
なぜそれを知りたいんだろう?

僕は落ち葉・・・・。

シャボン玉は消えたらどこへ行く?


僕は何から逃げているんだろう・・・・?
てんとう虫の老人が言っている意味がわからなくて。
チャンスってなんだろう・・・?

「ピーノ・・・・会いたい・・・・・」

恋人よ、今君はどこだ。

「ピーノ・・・・君もこの空を見ているのかい?
今、会いたい・・・」

感情が、あふれ出そうな瞬間冷たい、冷たい風が吹きすさんだ。
僕は風のじゅうたんとも気づかず、吹かれるまま身を任せた。