あそこのおじいちゃんちにたどり着くまでに、いくつかのカーブをまがり、何人かの人とすれ違い、時にお話をして。
田んぼのあぜ道を抜けて、二つ目を左に曲がるとあそこのおじいちゃんちだ。
おじいちゃんのお話はとても長いから、たどり着く前にコンビニで弁当を買って食べる。
今日はどんなお話が聞けるんだろう??
あそこのおじいちゃんは、いい人。
いい人に理屈はない。
とにかくいい人だ。
だってこんな僕を可愛がってくれるのだから。
毎週毎週、あそこのおじいちゃんに会いに行くのが、僕の仕事。
そして毎週毎週僕に話してくれるのがおじいちゃんの仕事。
一回きりじゃない、素晴らしさ。
それがおじいちゃんの素晴らしさ。
だから一生懸命、耳を傾けるよ。
一生懸命心も傾けるよ。
だっておじいちゃん一生懸命だから。
今日も長かったおじいちゃんのお話。
それでも、その時間が、とても大切だと家に帰っていつも思うよ。
おじいちゃんのお話の本質。
それはきっとゴミ捨て場の歌のよう。
いつも問いかけてくる。
あなたにとっての優しさは何??
あなたにとっての思いやりは何??
何かを守るためすべてを捧げられますか??
十代のころ反発していた、自分を思い出す。
そして現状に胡坐をかきはじめた自分にきづく。
何かを手に入れるために、何かを捨てなければならない。
よくあるセリフ。
しかし、それが何かにすべてを捧げることかもしれない。
しかし、それが間違っていることかもしれない。
ない頭が少し動くよ。
とにもかくにも。
ありがとう、あそこのおじいちゃん。
また来週。
SATDAY・・・