昨日、ネット配信されているとある漫画家の自伝マンガが終了しました。終了ではなく一部完らしいのですが、二部が始まる可能性は低いでしょう。『スラムダンク』形式です。
そのマンガは主人公が『まんが道』の満賀道雄や『アオイホノオ』の炎尾燃のような作者のアバターで、作者が昔アシスタントで働いていた仕事先で出会ったライバル漫画家たちとの交流を描いた青春マンガでもありました。でも主人公が漫画家としてデビューする前に連載は終了してしまったのです。
読み終えて漫画家の自伝マンガって難しいんだなあ、とつくづく感じました。面白い自伝マンガには3つの条件があると私は考えています。
1.作者の身の回りに将来有名になる人物がいた
2.作者が過去にヒット作を生み出している
3.作者は道化にならなければいけない
この3つの条件が面白い自伝マンガには必要だと思うのです。というかこの条件を満たしていないマンガ家が自伝マンガを描いてもまず失敗すると思います。
1については例えば『まんが道』の満賀道雄なら説明する必要もない「トキワ荘」グループが側にいたし『アオイホノオ』の炎尾燃なら庵野秀明を始めとするガイナックスメンバーが同級生にいました。それら有名人たちの無名時代のエピソードを出すことで、読者は興味を持つのです。件の自伝マンガも同期アシスタントに超絶有名マンガ家がいるのですが、交流があまり深掘りされずに終わったように私には見えました。なんか主人公と超絶有名マンガ家二人だけのエピソードはなかったのか、と。
2に関して満賀道雄・炎尾燃の例を出すのは割愛しますが、件の自伝マンガの作者もメジャー雑誌で何度か連載をしています。まあ、その作品がヒットしたかと言われたら素直に頷けはしないな、という気持ちになりますけどね。そもそもヒット作のないマンガ家の自伝マンガなんて読みたいか、という話です。
3です。件の自伝マンガが一部完してしまった最大の理由が3にあると思うのです。満賀道雄は事あるごとにトキワ荘メンバーのマンガにかける情熱やひたむきさや努力に打ちひしがれます。そして「あいつはなんてすごいんだ。それに比べて俺は…」と眼鏡にヒビを入れるのです。自虐的なまでのリスペクトは読者に好感をもたせます。
炎尾燃はまだ漫画家デビューもしていない頃から上から目線で有名漫画家を評価します。その評価はときたま大外れすることもあり、その的外れの滑稽さやピエロっぷりがあるからこそ炎尾が目上の漫画家を軽く扱っても嫌味にならないのです。
しかし件の自伝マンガは主人公が周囲のライバルたちのすごさに打ちひしがれることもなく、ピエロになることもありませんでした。どちらかというとライバルたちに自分のアバターを持ち上げさせている感すらありました。さすがにこれは嫌味に見えます。実際、主人公(作者)よりもライバルたちの方が有名になっているんですから尚更です。要は主人公の魅力が乏しかったのが最大の欠点だったのでは、と。というか最終回は主人公が別のキャラクター(ライバルの一人)になってます。
あと件の自伝マンガはファンタジー寄りの内容で、ドキュメンタリー感があまりありませんでした。第一話の冒頭でドキュメントではないと作者が断言していましたが、それにしてもせっかくの自伝マンガなんだからもう少し現実よりにしても良かったんじゃないかなあ。第一話に登場した女性は結局誰だったんだろう。行き着く所まで考えちゃうと何を描きたかったんだろうかと疑問を持ってしまいます。
二部が来たら、とりあえずは読みます。
そのマンガは主人公が『まんが道』の満賀道雄や『アオイホノオ』の炎尾燃のような作者のアバターで、作者が昔アシスタントで働いていた仕事先で出会ったライバル漫画家たちとの交流を描いた青春マンガでもありました。でも主人公が漫画家としてデビューする前に連載は終了してしまったのです。
読み終えて漫画家の自伝マンガって難しいんだなあ、とつくづく感じました。面白い自伝マンガには3つの条件があると私は考えています。
1.作者の身の回りに将来有名になる人物がいた
2.作者が過去にヒット作を生み出している
3.作者は道化にならなければいけない
この3つの条件が面白い自伝マンガには必要だと思うのです。というかこの条件を満たしていないマンガ家が自伝マンガを描いてもまず失敗すると思います。
1については例えば『まんが道』の満賀道雄なら説明する必要もない「トキワ荘」グループが側にいたし『アオイホノオ』の炎尾燃なら庵野秀明を始めとするガイナックスメンバーが同級生にいました。それら有名人たちの無名時代のエピソードを出すことで、読者は興味を持つのです。件の自伝マンガも同期アシスタントに超絶有名マンガ家がいるのですが、交流があまり深掘りされずに終わったように私には見えました。なんか主人公と超絶有名マンガ家二人だけのエピソードはなかったのか、と。
2に関して満賀道雄・炎尾燃の例を出すのは割愛しますが、件の自伝マンガの作者もメジャー雑誌で何度か連載をしています。まあ、その作品がヒットしたかと言われたら素直に頷けはしないな、という気持ちになりますけどね。そもそもヒット作のないマンガ家の自伝マンガなんて読みたいか、という話です。
3です。件の自伝マンガが一部完してしまった最大の理由が3にあると思うのです。満賀道雄は事あるごとにトキワ荘メンバーのマンガにかける情熱やひたむきさや努力に打ちひしがれます。そして「あいつはなんてすごいんだ。それに比べて俺は…」と眼鏡にヒビを入れるのです。自虐的なまでのリスペクトは読者に好感をもたせます。
炎尾燃はまだ漫画家デビューもしていない頃から上から目線で有名漫画家を評価します。その評価はときたま大外れすることもあり、その的外れの滑稽さやピエロっぷりがあるからこそ炎尾が目上の漫画家を軽く扱っても嫌味にならないのです。
しかし件の自伝マンガは主人公が周囲のライバルたちのすごさに打ちひしがれることもなく、ピエロになることもありませんでした。どちらかというとライバルたちに自分のアバターを持ち上げさせている感すらありました。さすがにこれは嫌味に見えます。実際、主人公(作者)よりもライバルたちの方が有名になっているんですから尚更です。要は主人公の魅力が乏しかったのが最大の欠点だったのでは、と。というか最終回は主人公が別のキャラクター(ライバルの一人)になってます。
あと件の自伝マンガはファンタジー寄りの内容で、ドキュメンタリー感があまりありませんでした。第一話の冒頭でドキュメントではないと作者が断言していましたが、それにしてもせっかくの自伝マンガなんだからもう少し現実よりにしても良かったんじゃないかなあ。第一話に登場した女性は結局誰だったんだろう。行き着く所まで考えちゃうと何を描きたかったんだろうかと疑問を持ってしまいます。
二部が来たら、とりあえずは読みます。
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