どの大河ドラマも独自のカラーというものがあるけど、今回の話は『どうする家康』という作風を全力でやりきった回だと思います。
家康の妻・瀬名は武田や北国の諸大名と貿易同盟を結ぼうと企てます。米がとれなくて不足の国があれば、余裕のある国が融通する。特産物があれば交換する。こうすることで助け合えば戦は起こらず平和になり、いずれは天下布武を唱える織田も仲間にはいるに違いないというアイデアです。瀬名はこれを「慈愛の国」と名付けます。
なるほど大河ドラマの女性キャラによくある平和主義的発想ですね。ただここからがすごかった。なんと家康と目下、家康の敵である武田勝頼がこの「慈愛の国」計画に乗ってしまうのです。まあ勝頼は最後に裏切るのですが徳川と武田は3年もの間ニセの戦をして織田信長の目を欺くのです。さ……さすがにその展開は無理があるのでは?
もちろんドラマなんだからどういう脚色をしてもいいわけですが、この手の平和主義がうまく行く展開を私は大河ドラマで初めて観た気がします。いい話ではあると思うのですが、ちょっと都合が良すぎる展開に感じてしまいました。まあ今回は次回への丁寧な前フリ。楽しみに来週を待つことにします!