武井武雄をあいする会

童画家武井武雄が妖精ミトと遊んだ創作活動の原点である生家。取り壊し方針の撤回と保育園との併存・活用を岡谷市に求めています

武井武雄生家「岡谷の誇り」 あいする会が専門家招きシンポ

2013年03月23日 08時45分47秒 | 新聞記事
武井武雄をあいする会の設立趣旨入会申込み生家の保存・活用を求める署名生家保存・活用のための募金

 岡谷市出身の童画家、武井武雄の生家(同市堀ノ内)の保存を目指す「武井武雄をあいする会」(小口基実代表)は20日夜、建築の専門家を招いたシンポジウムを同市のカノラホールで開いた。主催者側の「予想を上回る」約130人が参加。閉会後、小口代表(65)は「皆さんから大きな力をいただいた」と喜び、今後については保存に向けた寄付の募集や署名活動を含め、賛同者から意見を募りながら検討していく方針を明らかにした。

 シンポジウムのテーマは「武井武雄とその生家について」。建築家で東大名誉教授・工学院大学教授の藤森照信さん(茅野市出身)、古民家再生を手掛ける建築家の降幡広信さん、元県文化財保護審議委員で信濃建築史研究室工学博士の吉沢政己さんが講師となり、造園史研究家で庭作家の小口代表が司会を務めた。生家の価値、残す意義をそれぞれの分野から語った。

 藤森さんは人間だけが感じることができる「しみじみ」や「懐かしさ」という感情について話した上で「武井武雄の作品はどこでも見られるが、生家という物的証拠は岡谷にしかない。生家は大人にとっては『しみじみ』や『懐かしさ』、子どもにとっては『誇り』を保証するもの。生家の存在は、武井武雄が岡谷の誇りであることを示している」と述べた。

 降幡さんは市が生家解体後の跡地を保育園の整備用地とする計画を踏まえ「保育園と生家を共存させることは可能。武井武雄記念児童図書館を保育園に併設してはどうか」と主張。「手を入れれば力強い生命力を持って蘇る」と持論を展開した。

 吉沢さんは県宝の旧渡辺家住宅(同市長地柴宮)と武井武雄の生家を市内に残る2軒の武家屋敷として対比させながら紹介。「武井家は板ぶき、渡辺家はかやぶき。屋根のつくりが違う武家屋敷が同じ市の中にあるというのは珍しい」と説明した。

 参加者からは「武井武雄の生家の価値は正しく評価されているのか」、「保存のための寄付を集めるというのであれば協力する」といった声が上がった。会場では1口1000円で会員を募り、37人が登録。会員数は約60人に膨らんだ。

 シンポジウムは生家の貴重さを多くの人に知ってもらい、保存の実現につなげようと初めて開いた。

平成25年(2013年)3月22日付け長野日報


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