武井武雄をあいする会

童画家武井武雄が妖精ミトと遊んだ創作活動の原点である生家。取り壊し方針の撤回と保育園との併存・活用を岡谷市に求めています

生誕120年記念「武井武雄シンポジウム」が7月6日(日)岡谷市カノラホールで開催されます

2014年06月28日 08時08分47秒 | 武井武雄の世界
武井武雄をあいする会の設立趣旨入会申込み生家の保存・活用を求める署名生家保存・活用のための募金

生誕120年記念 武井武雄シンポジウム「ラムラム王の正体を解明する」



 岡谷市の主催による生誕120年記念 武井武雄シンポジウム「ラムラム王の正体を解明する」が下記のとおり開催されます。
 入場無料です。


   2014年7月6日(日) 14:00 カノラホール小ホール 入場無料

   開場:午後1時30分
   開演:午後2時

 武井武雄は童画界の第一線を走り続け、多くの子どもたちに夢を与えてまいりました。その一方で童画だけでなく、版画、刊本作品などの幅広い創作活動も行っており、大人たちにも多くの影響を与えました。
 武井武雄とは一体何者なのか。多くの疑問をあらゆる方向から検証し、武井武雄の実像を明らかにします。

13:30 開場  
14:00 開演 開演のごあいさつ 岡谷市長 今井竜五
基調講演 松居直氏(福音館書店相談役)
「武井武雄と私」
14:50 休憩  
15:00 研究発表 イルフ童画館学芸員
15:40 シンポジウム
パネラー
シンポジウム「武井武雄とは何か?」
小野明氏(編集者)
仙仁司氏((元)多摩美術大学美術館学芸員)
田中栞氏(書物研究家)
西山純子氏(千葉市美術館学芸員)
(司会進行 : イルフ童画館館長 山岸吉郎氏)
17:20 閉会  

   ⇒詳細は、イルフ童画館のHPをご覧ください。


武井武雄の本が発売されました

2014年02月24日 22時41分46秒 | 武井武雄の世界
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 イルフ童画館の監修により平凡社から別冊太陽 日本のこころ216 「武井武雄の本 童画とグラフィックの王様」が発売されました。

 この1冊に武井武雄のすべてが凝縮されていると言っても過言ではないほど盛りだくさんの内容です。

 是非、お買い求めください。イルフ童画館のホームページへ


目次



<武井武雄世界>へのいざない  上笙一郎

おとぎの国へようこそ  山岸吉郎・河西見佳
 おもちゃの国から
 童話集の挿絵
  『アンデルセン童話集』の挿絵
  『日本童話選集』の挿絵
 初期の絵雑誌
 装幀のデザイン
 魔法のワンダーランド
 こどもたちの愉快な毎日
 イソップのおはなし
 ピノキオの冒険
 日本の童話の世界

本の宝石 書物芸術の世界  田中 栞
 珠玉の刊本作品
  刊本作品全リスト
 武井武雄の「制作ノート」

孤高の銅版絵本『地上の祭』  田中 栞
 『地上の祭』の詞文

モダン版画ギャラリー  山岸吉郎・齋藤正惠
 前衛的な作風
  鳥の連作
 おもちゃ絵諸国めぐり
 愛蔵こけし図譜
 蔵書票
 年賀状

王様のらくがき帳  齋藤正惠
 気侭画帳
 日本郷土菓子図譜

おもちゃ万華鏡  齋藤正惠
 イルフトイス
 ミニアチュール
 RRRのアイウエおもちゃ
 カルタ
 トランプ

武井武雄アルバム 山岸吉郎
 妖精ミトの思い出
 画家を夢見た中学時代
 東京美術学校時代
 童画家としての出発
 戦争と疎開
 刊本作品の周辺
 児童文化への貢献
 ジャズマニア
 「刊本作品ひとりごと」「親類通信」
 アロハシャツコレクション

新しいイラストレーションの先駆者  宇野亜喜良
絵本の王様のお弟子のしっぽ  せなけいこ
「日本郷土菓子図譜」に魅了されて  伴田良輔

武井武雄年表
イルフ童画館



 

タッシェン(TASCHEN)のアンデルセン童話集に武井武雄の童画が使われました

2013年11月21日 06時05分50秒 | 武井武雄の世界
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 2013年10月にドイツに本社がある出版社タッシェン(TASCHEN)から出版されたアンデルセン童話集(The Fairy Tales of Hans Christian ANDERSEN)に武井武雄の童画が使われています。

 この童話集は、ノエル・ダニエル(Noel Daniel)氏により編集されたもので、全部で23話が収録されており、それぞれの話に別の童画家による挿し絵をつけるという趣向になっています。
 日本人の童画家として選ばれているのは、武井武雄ただ一人です。


【収録されている童話と童画家】
 1.エンドウ豆の上に寝たお姫さま(The Princess and the Pea)
    - Tom Seidmann-Freud,German,1921
 2.小夜啼鳥(さよなきどり)(The Nightingale)
    - Georgii Ivanovich Narbut,Ukrainian,1912
 3.豚飼い王子(The Swineherd)
    - Einar Nerman,Swedish,1912
 4.父さんのすることはいつもよし(The Old Man Is Always Right)
    - Hertha List,German,1940
 5.農家のおんどりと風見のおんどり(The Farmyard Cock and the Weathercock)
    - Theo van Hoytema,Dutch,1898
 6.人魚姫(The Little Mermaid)
    - Josef Palecek,Czech,1981 & Lotte Reiniger,German,1980
 7.皇帝の新しい着物(The Emperor's New Clothes)
    - Harry Clarke,Irish,1916
 8.かがり針(The Darning Needle)
    - Maurice Sendak,American,1959
 9.駅馬車で来た12人(Twelve by Mail Coach)
    - Hertha List,German,1940 & Laura Barrett,British
 10.しっかりしたすずの兵隊さん(The Steadfast Tin Soldier)
    - Kay Nielsen,Danish,1924
 11.雪の女王(The Snow Queen)
    - Katharine Beverley & Elizabeth Ellender,nationalities unknown,1929
 12.ノミと教授(The Flea and the Professor)
    - Laura Barrett,British
 13.親指姫(Thumbelina)
    - Gustaf Tenggren,Swedish-American,1953
 14.仲よし(The Sweethearts)
    - Vilhelm Pedersen,Danish,1849
 15.睡魔(Ole shut-eye)
    - Takeo Takei,Japanese,1928

 16.さやから飛び出た5つのエンドウ豆(Five Peas from a Pod)
    - Heltha List,German,1940
 17.みにくいアヒルの子(The Ugly Duckling)
    - Theo van Hoytema,Dutch,1893
 18.イーダちゃんの花(Little Ida's Flowers)
    - Heltha List,German,1940
 19.羊飼いの娘とエントツ掃除人(The Shepherdess and the Chimneysweep)
    - Kay Nielsen,Danish,1924
 20.空飛ぶトランク(The Flying Trunk)
    - Takeo Takei,Japanese,1928

 21.マッチ売りの少女(The Little Match Girl)
    - Arthur Rackham,Britsh,1932
 22.火打箱(The Tinder Box)
    - Heinrich Strub,Swiss,1956
 23.ペンとインク壷(Pen and Inkstand)
    - Laura Barrett,British

ろばたの会主催「武井武雄についての講演会」レポート

2013年06月15日 09時29分07秒 | 武井武雄の世界
武井武雄をあいする会の設立趣旨入会申込み生家の保存・活用を求める署名生家保存・活用のための募金


平成25年6月14日金曜日に開催された、ろばたの会主催による「武井武雄についての講演会」に出席された方から投稿がありました。

ろばたの会主催の イルフ童画館館長による 武井武雄氏についてのお話しの会に行って参りました。

今日はざっと武井武雄さんのお仕事について、映像を交えてのお話しでした。美術史の中での武井武雄さんが見落とされてきた点について、また、童画を取り上げられることが多いが、版画に氏の仕事の重要性が見受けられる等、芸大同期がパリに行く中でパリに行かなかった点、ある種の挫折感が童画に向かわせたのではないか等々、今後、より研究を深める必要があるとおっしゃってました。とても理解の深い館長さんです。

館長さん曰く、夢二と北原白秋、白樺派の影響が濃いというお話しでした。「お仕事を見ていると民藝の影響についても少なからずありそうなのに、その痕跡が見あたらないこと」について質問をしたところ、館長さんも、「時代背景としても、刊行本や郷土玩具の収集をとっても、民藝との交流は必ずあったと思うが、火事で資料が焼けたこともあり、なかなか見つかりません。」とおっしゃっていました。

最近アメリカの編集者よりアンデルセンの挿絵に是非武井武雄さんの挿絵を使いたいという要望があったそうです。来年生誕120周年を控えて、世界的にも再発見の兆しがあるようです。

それにつけても、生家は保存するべきだという思いを新たにしました。

武井武雄略年譜

2013年03月13日 20時16分57秒 | 武井武雄の世界
武井武雄をあいする会の設立趣旨入会申込み生家の保存・活用を求める署名生家保存・活用のための募金


明治27年(1894年)6月25日 長野県諏訪郡平野村(現岡谷市)西堀に生まれる。
明治41年(1908年)平野村小井川尋常小学校 高等3年終了。
大正2年(1913年)県立諏訪中学校(現諏訪清陵高等学校)卒業。
大正8年(1919年)東京美術学校(現東京芸術大学)西洋画科を卒業。この時より童画、版画を専攻。
大正10年(1921年)「子供之友」その他に子ども向きの絵を描き始める。中村梅子と結婚。
大正11年(1922年)「コドモノクニ」「赤い鳥」「金の船(星)」「コドモアサヒ」「キンダーブック」など多くの児童雑誌が、この頃創刊され、大正の児童文学の波がおこった。
大正12年(1923年)処女童話集「お伽の卵」(目白書房)発行。
大正13年(1924年)東京銀座資生堂にて初の個展「武井武雄童画展」を開き、「童画」という言葉を創造。
大正15年(1926年)郷土玩具の収集が一万点に及び北原白秋より”蛍の塔”と名づけられる。長篇童話「ラムラム王」(叢文閣)を発行。父・慶一郎亡くなる。
昭和2年(1927年)日本童画協会を同士6人と結成。特集「花園の車」(フタバ書房)を発行。
昭和4年(1929年)”イルフ・トイズ(ILF.TOYS)”展を東京日本橋三越で開催。
昭和5年(1930年)「日本郷土玩具・東西篇」(地平社)を出版。
昭和10年(1935年)私刊本「十二支絵本」を創始し芸術の分野に造本美術を新しく加えることを提唱。これが刊本作品の第1号となる。
昭和13年(1938年)母、長男、次男を失う。エッチング(銅版、絵本の名作「地上の祭」)を発刊する。
昭和16年(1941年)この年4月より3年がかりで「武井武雄愛蔵こけし図譜・全60葉」を吾八より刊行。
昭和20年(1945年)5月の空襲で池袋の家が全焼。作品および貴重な資料を失う。岡谷に疎開。文化団体「双燈社」を起こし、芸術文化の運動を行う。
昭和23年(1948年)東京の荏原に単身仮寓。
昭和24年(1949年)板橋区南常盤台に新居を構え、”一掬庵”と称す。
昭和34年(1959年)児童文化に貢献した功績により紫綬褒章を受ける。
昭和35年(1960年)授章記念と刊本作品No.40開頒を兼ね、第1回全国友の会を開催する。従来の武井武雄私刊豆本の呼称をNo.22より「武井武雄刊本作品」と改める。造本美術の随筆集「本とその周辺」(中央公論社)を出版。童画の作品は12,560点に達する。
昭和37年(1962年)旧同志とともに戦争で解散されていた日本童画協会を復活。この時より毎年秋に白木屋(現東急)にて童画展を開催。
昭和42年(1967年)勲四等旭日小綬章を受ける。
昭和43年(1968年)ソ連文化団体の招請により「児童文化訪ソ団」を結成し、その団長としてソビエト各地を歴訪する。
昭和46年(1971年)11月3日~15日 市立岡谷美術考古館にて「武井武雄作品展」を開催。
昭和50年(1975年)童画の代表作をのせた本「武井武雄作品集」が東ドイツのライプチッヒにて「世界で最も美しい本」として1975年のグランプリに選ばれる。この年で著書262種。
昭和54年(1979年)紺綬褒章および賜杯を受ける。
昭和57年(1982年)7月31日~8月8日 第四書票集、書票原画を中心として、市立岡谷美術考古館で「武井武雄作品展」を開く。
昭和58年(1983年)1月15日 日本橋たいめんけんにて刊本作品NO.137「ABC夜話」開頒。2月7日 心筋梗塞のため逝去。89歳。
昭和59年(1984年)5月27日~6月10日 市立岡谷美術考古館で特別展「武井武雄の世界」を開催。展示作品700点。
西堀区編「にしぼり 区誌文集」(平成9年)より