ボクシング・テレビ&ビデオ観戦記

VTR整理の為DVDへダビングついでにブログを設定し記録保存します。

No508 ”リトル・ハンズ・オブ・ストーン”M・カルバハルvs”エル・ピントソ”M・パストラーナ

2006年07月31日 07時02分08秒 | ボクシング
(IBF世界L・フライ級タイトルマッチ)
 ベテランの域になりつつあるカルバハルの相手は軽量級ながら15戦全勝13KO勝ちを誇るコロンビアンのパストラーナ、このクラスらしからぬ強打戦でKO決着濃厚を予想されたが。
 試合は初回から意外な展開となり王者がストレートで追うと挑戦者はサークリングと出入りを駆使し引っ付けばパンチをまとめる戦法をとる。
 3Rにはパストラーナの強打に膝を揺らしながらロープへ後退する場面もあったが、概ねは予想を裏切るパンチの避けあいに終始。
 そしてお互いスタミナを残したまま最終ラウンドを迎えるが、ここに来てもカルバハルのストレートをパストラーナはサークリングでかわし試合終了。
 オフィシャルも2-1と割れたが、勝ちに徹したパストラーナがスピリットで判定を捥ぎ取り全勝で見事王者となりました。
 強豪同士の一戦でしたが、私はこのVTRを見直す迄こんなカードが行われた事すら忘れていました、カルバハルといえばU・ゴンザレスとの連戦のイメージが余りにも強くその後の戦いは印象に残っていないというのが正直な所でした。
 

No507 ”ノーディール”フィリップ・ホリディvsアイヴァン・”マイティ”・ロビンソ

2006年07月30日 16時17分25秒 | ボクシング
(IBF世界ライト級タイトルマッチ)
 29戦全勝の王者ホリディが無尽蔵のスタミナを誇るファイターなら、23戦全勝の1位ロビンソンが長身技巧派のボクサーという好対照な両者の指名試合。
 初回身体にバネのあるロビンソンのジャブが長く羨ましいパンチを放つが、セコンドのブライアン・ミッチェル似のボディワークでホリディは其れを掻い潜り下から下から攻めていく。2R両者早くも手数全開だが長い距離から放つ挑戦者の1・2・3・4が優勢。3Rロビンソンの右ストレートが伸びるがホリディもスウェーで何とか避ける、王者の仕掛けるインファイトはクリーンヒットが少ない。
 4Rホリディは構わず煩い位上下の打ち分けを繰り返すとロビンソンは流石にボディが効き始めた様だ。5Rロビンソンも長いパンチだけでなく接近戦でボディを返していくが、終了間際にホリディの右カウンターがヒット。6Rホリディのインファイトでロビンソンは長い距離で対処し切れなくなってきた。
 7Rロビンソンはセコンドの指示かプレッシャーを掛けポイントを奪取も打ち合いのペースに巻き込まれている。8Rも手数の多い打ち合いに終始するが、それにしてもお互い良く手が出る。9Rラウンドの序盤は切れのあるパンチを繰り出すロビンソンだが、其のうちホリディのプレッシャーに後手に廻り左ストレートで挑戦者は顔を跳ね上げられる。
 10Rホリディのラッシュにめっきり足を使えなくなったロビンソン。11Rお互い疲れから乱戦の中ボディワークの鈍ってきたホリディは被弾が多くなる。12R顎の上がっていた所にロビンソンの右ショートを貰うホリディだが、最後迄ラッシュを繰り出しオーヴァーハンド・ライトをロビンソンに浴びせた所で試合終了。
 私の採点は4点差、オフィシャルも3-0のユナニマウスで王者の手数を支持しホリディが無敗対決を制しました。
 只指名試合兼無敗対決の割りには尻窄みの観は否めませんでした。
(追伸)最年長王者の越本でしたが、真夏の福岡マリンメッセ決戦で残念ながら初防衛なりませんでした。序盤3回迄は得意のアウトボックスを展開も4R以降はユース王者のパワフルなアタックに防戦一方、最後はストップと同時にレフェリーに抱きかかえられるとと同時に崩れ落ちるKO負けにヒヤッとしましたが控え室で敗戦を振り返ると共に引退も発表、今後はジムの会長業を引き継ぎ九州から自身の出来なかった防衛を重ねる世界王者を育てて頂きたいと思います。
 本当にご苦労様でした。

No506 ”ザ・ターミネーター”デヴィッド・トゥアvsデヴィッド・”アイゾン”・アイゾンリティ

2006年07月29日 14時40分05秒 | ボクシング
(WBCインターナショナル・ヘヴィー級タイトルマッチ)
 バルセロナ五輪ヘヴィー級準決勝の再現、この時はアイゾンリティが3Rにボディでダウンを奪いポイント勝ち、結局アイゾンリティが銀・トゥアが銅となったが4年後の今は王者がトゥアと立場逆転、さてさて今回のリマッチや如何に?
 初回アイゾンリティがジャブで様子を見ればタイソン・スタイルのトゥアはボディワークで肉迫し恐ろしい程の左フックを振るう。2Rアイゾンリティもストレート系だけではなくアッパーやボディを交えるがインファイトはトゥアのお手の物で迫力が違う。3Rトゥアのプレッシャーにアイゾンリティは決定的なブローは浴びぬもののロープ・コーナーから動けなくなる場面も。
 中盤を凌いだアイゾンリティは7~8Rとストレートで距離をとりポイントを奪い返す。
 が、9Rトゥアはペースを取り戻すべく再びボディワークで距離を詰めると王者のリズムとなる。10R顔の腫れが目立ってきたアイゾンリティにトゥアがパンチを浴びせるとガードを固めて苦しくなる、特に王者の左フックで一瞬身体が浮く程のダメージも。11Rトゥアが顔面~ボディへ連打するが、ここに来てのボディはアイゾンリティにとって効くだろうな。
 12Rお互いコーナーの指示もあり力の篭った打ち合いを展開もトゥアの左フックがアッパー気味にヒットするとアイゾンリティはロープに腰掛ける様にダウン、そのまま深く座り込む様なダメージにレフェリーはカウントアウトを宣告し、王者が見事KOで防衛と雪辱を果たしました。
 4年という歳月は当時19歳の若者にキャリアとパワーを授けたのでした。

No505 リディク・”ビッグダディ”・ボウvs”ホワイト・ベア”アンドリュー・ゴロタ

2006年07月28日 07時13分38秒 | ボクシング
(ヘヴィー級10回戦)
 前戦が反則決着となったダーティファイトの再戦、この時はボウが勝ったのだがヨレヨレの内容だっただけにその戦いぶりにも「はい注目!」
 初回前戦より17ポンド減量して挑んだボウだが、あらら細くなっちゃってまるでステロイドを断ったダイナマイト・キッドの様だ、只序盤は両者ダーティファイターらしからぬジャブの飛ばし合いで流石はソウル五輪の銀&銅メダリスト同士の戦いだ。2Rゴロタがジャブから右がボウの左テンプルに強烈にヒットしよろける様に後退しながら膝が突っ張り逃げ惑う様にダウン、その後もロープに詰められパンチの雨霰も連打の最中にゴロタはヘッドバットで減点1の嫌な予感、これで時間を稼いだボウは何とか終了のゴング迄生き延びる。3Rボウが接近戦からの右フックやアッパーでポイントを返すが、ゴロタにとっては勿体無いぞ!
 4Rボウのオーヴァーハンド・ライトで今度はゴロタがグラつき続く連打から右アッパー~左フックでダウン、左眼からの出血もあり途端に苦しくなる、しかし第1戦の様なゴロタのローブローで又もや減点1と自信のピンチを故意の反則で乗り切るなんざあ・・・。5R逆転KOのチャンスを迎えたと思われたボウだったがパンチがえらく大きくなり逆に体力を使い果したかゴロタが右でチャンスを掴み逆にダウンを奪う、大苦戦のボウはグロッギーになりながらもロープ・ア・ドープ作戦で何とかピンチを乗り切る。6Rウエイトを落とし過ぎた影響でパワーが感じられないボウと比べてゴロタの脇を絞ったパンチがヒット。
 7Rゴロタの1・2にボウはロープを背負う苦しい展開。8Rボウの1・2がヒットし左眼をカットもタフなゴロタはケロリ。
 9Rスタミナを消耗のボウはパンチを打ちながらもふらつきヨレヨレ、後一歩で勝利を思われたゴロタだったが”ポーランドのごろつき”の本性が出てしまったかあからさまなローブローで崩れ落ちるボウを見てレフェリーは失格負けを宣言し、元世界王者はリングに横たわったまま勝利者コールを受ける事となりました。
 再度の失格負けに大漁を逃したゴロタのセコンド(L・デュバ)も口あんぐり、何とか勝利を拾ったボウも既にこの試合時には「壊れていた」姿に見終わって切なくなってしまいました。

No504 ”有斗魂”山口圭司(グリーンツダ)vsピチット・シスパンプラチャン(泰)

2006年07月27日 07時16分36秒 | ボクシング
(WBA世界L・フライ級タイトルマッチ)
 5大タイトルマッチのトリを努めるのは井岡弘樹を差し置いて名実共ジム頭となった山口、此処まで2-2のイーブンゆえここは何としても勝ちたい所、山口はC・”プアス”・ムリーリョ(パナマ)を2タテし評価を急上昇させているが、対するピチットも指名挑戦者故気の抜けない所だ。
 初回サウスポー同士ながらボクサーvsファイターの対決は両者が対峙すると3階級位の違いが感じられる、当然ファイターのピチットがガンガンと出て来るので山口は如何にアウトボックスするかがポイントだが挑戦者の踏み込むスピードがあり王者も左を伸ばすが行き成りのパンチは怖いぞ。
 2Rピチットの右ボディストレートが山口の注意を下に向ける誘い水となり、両者の身体が交錯した所に挑戦者の右フックが見事なカウンターとなり思い切り王者の顎に炸裂しダウン!、後頭部を強か打った山口は何とか立ち上がるものの足許がフラフラした姿を見てレフェリーが試合ストップ、電光石火の早業でピチットが2度目の挑戦をモノにしました。
 山口はR・デュランの再来を破った事もあり些か自信過剰な面もみられ、KOされたラウンドにはノーガード作戦等でおどけたパフォーマンスを魅せたつもりだったのでしょうが、その隙を突かれた失態を演じジムのイヴェントにミソを付けた格好となりました。
 またこの痛烈なKOでボクサーとしての山口が「壊れた」瞬間であった事も、後の彼のキャリアから考えてレトロ・スペクティブに証明されたのでした。

No503 町田和久(グリーンツダ)vsラフィー・モンタルバン(比)

2006年07月26日 07時08分49秒 | ボクシング
(OPBF東洋太平洋S・フライ級タイトルマッチ)
 グリーンツダ・ジムが次代の世界王者と期待する町田が迎える指名試合は1位のモンタルバン、童顔の暗殺者という表現がピッタリの町田に後に北陸石丸ジムに移籍しマンゴロー・イシマルに変身(?)する指名挑戦者という事もありKOが予想される。
 初回モンタルバンが右でリズムをとると町田はサウスポーに対する右ストレートを狙うが左に不得手ゆえ右廻りをしてぎこちなく自慢の強打を活かせない。2R距離を掴んだモンタルバンはリードから左ストレート・右フックとヒットさせると、町田は如何しても後手にまわる。3R試合運びに長けるモンタルバンに対し硬さの見える町田の手数が少なく、特に挑戦者の左ストレートが真正面から当たりだす。
 4R序盤の劣勢から1・を主体に手数を増やしていく町田だが上体の振りが少ない為右フックのカウンターを貰う、更に連打から左ストレートがヒットし遂にダウン。5Rモンタルバンのボディ~顔面へのパンチの打ち分けで一方的な展開から左フックが町田のテンプルを掠めてダウン、相打ち覚悟で反撃する王者だったが左ストレートを貰い再びダウン、と同時にレフェリーが試合をストップしモンタルバンが見事なKOでタイトル獲得となりました。
 浪速期待の町田でしたが、苦手なサウスポーに対し余りにも真正面で戦った事が敗因に見えました、まるで金縛りにあったかの様に。

No502 崔尭三(韓)vs安藤謙三(グリーンツダ)

2006年07月25日 07時07分01秒 | ボクシング
(OPBF東洋太平洋L・フライ級王座決定戦)
 塩浜崇(グリーンツダ)が返上した王座を同僚の2位安藤と世界3位でOPBF1位の崔が争う一戦、王座決定戦はこうでなくちゃ。
 日韓ファイター同士の戦いは初回から手数の多い激しい打ち合いを展開。2R崔は可也執拗にボディを叩くが流石に世界ランカー、一発の重みが違い顔面にもパンチを浴びた安藤の右目がカット。3Rも両者キビキビとした打ち合いを続けるが、安藤はもっとボディが欲しい所だ。
 6R今迄以上にファイターな崔のプレッシャーに安藤も呼応し左右フックで世界ランカーを襲う。8R安藤のプレッシャーに崔が下がる場面も。9Rしかし崔が再び圧力をかけると安藤がバランスを崩す。
 12R両者最後まで手数が衰えぬナイスファイトも決定的なダメージを与えられぬまま勝負は判定へ。
 結局上下にバランスよくパンチを打ち分けた崔が世界ランカーの貫禄を示し新王者となりました。
 安藤は戸高(日本王座決定戦)や崔という後の世界王者と互角に戦う実力を持ち合わせていたものの、その壁を乗り越える何かが決定的に足りなかった選手でした。

No501 ビニー・マーティン(角海老宝石)vs大東旭(グリーンツダ)

2006年07月24日 15時15分21秒 | ボクシング
(日本S・ウエルター級タイトルマッチ)
 王者マーティンがボクサー・タイプなら挑戦者大東はファイターという対決、前戦では立場を違えての戦いだったがマーティンののらりくらり作戦にまんまと嵌った大東にとっては雪辱戦になるが如何に?
 初回ジャブを突いて前に出るマーティンに大東は自慢の重いパンチを叩きつける。2R大東の右フックがテンプルにヒットしマーティンの膝が揺れる、これで王者のフットワークが止まり挑戦者はパンチの雨霰。
 3Rは時々単発ながらも怖いパンチを返すマーティンのペースになりかけ、4R更にリズムを取り戻すべくジャブを繰り出すマーティンに大東のフックがめり込み、左フックで王者がマリオネット状態になり続くコンビネーションで遂にスタンディング・ダウン、カウントが進む中ダメージを見たコーナーから赤いタオルが舞い大東がTKOにて王座奪還となりました。
 見た目よりタフなマーティンを初のKOで葬った大東、彼のキャリアの中でも改心の一戦ではなかったでしょうか。

No500 村松竜二(石川)vs本田秀伸(グリーンツダ)

2006年07月23日 10時26分12秒 | ボクシング
(日本L・フライ級王座決定戦)
 グリーンツダジム主催の5大タイトルマッチを此れより送る、先ずは戸高秀樹(宮崎ワールドリング)が負傷で返上した王座を争う一戦、しかし「4位(村松)と8位(本田)の決定戦かい!」と突っ込みを入れたくなったのだが。
 初回ハードパンチャー村松に対しテクニシャン本田が右ジャブを突いて足を使い距離をとる。2R本田は後退しながらも巧くコンビネーションを放てば、村松のパンチが大振りになる。3Rフットワークを止めると怖い本田は村松の出鼻をやはりコンビで叩く。
 4R村松のラッシュが激しくなり本田はロープに詰まる。しかしここでペースを奪えなかった村松はこれ以降ジリ貧となり、非力ながらも本田のテクニックの翻弄される。
 最終回まで一進一退の好ファイトを展開ゆえ両陣営とも「勝負!」で送り出すが、結局ジャブを突き手数を出しクリーンヒットの多かった本田をオフィシャルは支持し、見事初挑戦で新王者誕生となりました。

No499 イーグル京和(角海老宝石)vsイサック・ブストス(メキシコ)

2006年07月22日 07時20分54秒 | ボクシング
(WBC世界M・マム級タイトルマッチ)
 J・A・アギーレから奪ったタイトル2度目の防衛戦は前王者の同胞で1位のブストスが相手、指名挑戦者になって1年半待たされたしぶとい曲者ブストスは個々の能力ではイーグルに劣るもののこれまで33戦を戦ったキャリアもあり何が起こるか分からない。
 初回ブストスが仕掛けるが直ぐにイーグルはスピーディ且つ伸びる右を返しヒートアップ、微笑みの王者は良くリラックスしてパンチを繰り出すとこれがまたポンポンとヒットし両者の距離が近く早くも好戦的なファイトに。2R国外で戦うのが始めてのブストスは指名挑戦者の割りにデータが少なかったが戦績程ファイターではなく適度に足を使いジャブを突くとイーグル早くも鼻血を出す、只ブストスも左のガードが低い為王者の右を貰い早くも顔面が赤くなる。
 3Rイーグル行き成りの右が良くヒットし連打を敢行、しかしパンチの交換の最中王者は右の肩をグルグル廻し腕がダラ~ンとなり使えなくなる、チャンスと見たブストスがワイルドな左フックで攻めるとイーグルは上体の動きと左で何とかかわすので精一杯。
 インターバル中も肩を伸ばしたりしていたが1分という時間は余りにも短く4R開始のゴングが非情にも鳴らされる、当初はそれでもブストスとファイトしていたイーグルだったが痛みに耐えかねて自ら棄権を申し入れ試合終了、勝負は全く予想外の展開で王座交代となり新王者ブストス誕生と相成りました。
 試合終了直後は脱臼との報道も検査後骨折と判明、イーグルにとってはなんとも不運な結末でしたが、2週間前の練習で右肩にテーピングが見られたとの報道もありケアの大切さとともに其の時には既にヒビがあったのかもしれません。
 只ブストスもこれまでの評価の割りにはフットワークありジャブも打てしっかりしたボクシングで新王者の名に恥じない選手だと印象を受けました、しかしこの結果からイーグルには何としても再起して欲しいと思ったものでした。