ボクシング・テレビ&ビデオ観戦記

VTR整理の為DVDへダビングついでにブログを設定し記録保存します。

No1512 クリサント・”クロー”・エスパーニャvsアイク・”バズーカ”・クォーティ

2009年10月31日 10時39分56秒 | ボクシング
(WBA世界ウエルター級タイトルマッチ) 
 30戦全勝の王者エスパーニャ(ベネズエラ)に、これまた25戦全勝の1位クォーティ(ガーナ)が挑む全勝同士の一戦、技vs力の激突に息を呑みながら観戦した記憶が蘇る!

 初回エスパーニャが長いリーチから撓う様な左右をぶつけるが、クォーティは固く頑丈なガードで此れを弾き返し強いジャブを放つ。2R手数の多いエスパーニャに対し、クォーティもパンチを出してきて自慢の”バズーカ"ブローを叩きつけると、王者は普段の試合よりも倍の手数を出して、ペースをとるべく仕掛ける。3Rもトップギアのエスパーニャだが、左を出した所にクォーティは右クロスを浴びせてくると、ショートレンジの打ち合いを呈してくる。

 4Rスピードと手数はエスパーニャ、強さと正確さでクォーティという展開が続くが、挑戦者の強烈な右で距離が詰まってくると、王者が左目尻をカット。5Rエスパーニャは左が良く出るが、其れを出した時に、クォーティが右を被せる為、王者は長いジャブで突き放せなくなる。6Rエスパーニャは撓う様なフック系、クォーティがジャブを中心としたストレート系の為、一瞬早く挑戦者のパンチが当たる。

 7Rマラソンランナーでもあったエスパーニャのパンチは止む事無く、クォーティの固いブロックを縫って右ストレート~1・2・3で顎を揺らす。8Rクォーティが右ストレートでボディを叩いてきて、今迄よりガードを楽にして手数を増やしてくると、強い左のボディ~フックのダブルをお見舞いする。9Rクォーティがジャブを連続で突き刺し右を叩きつけると、エスパーニャの左が活きなくなる。

 10Rにきて、シーソー状態のペースを引き寄せるべくお互いに手数を出してきて打ち合うが、的確性で挑戦者が優る。11Rエスパーニャが左右を放ちガードのあいた状態の所へ、クォーティの右がヒットすると王者の顔が大きくグラつき、続くコンビネーションでセカンドロープに腰掛ける様にダウン、再開後左右強打でラッシュするとエスパーニャは防戦一方になり、最後は強烈な右が炸裂すると大木が薙ぎ倒される様にキャンバスに叩きつけられ即フィニッシュ。

 実力者対決を制したクォーティが、ガーナ初のウエルター級世界王者となりましたが、此れまで1階級下で戦ってきたとは思えない身体の強さを兼ね備えた戦いぶりに、一気に彼のファンになりました。

No1511 イシュテヴァン・”ココ”・コヴァチvsアントニオ・”チェロ”・ディアス

2009年10月30日 06時46分04秒 | ボクシング
(WBO世界フェザー級王座決定戦)
 ナジーム・ハメドが返上した王座を、バルセロナ銅&アトランタ金の実績を持ってプロ入りし此処まで20戦全勝の2位コヴァチ(ハンガリー)と、しぶといファイターの3位ディアス(ドミニカ)が争う決定戦。

 王座を賭けた激しい一戦は、両者の意地がぶつかり合い迎えた11R,ディアスが左右フックで荒々しく攻め出るが、そのいくつかがローブローとなり減点1、更に両者タイトル奪取の気持ちが強く現れパンチを交換も、コヴァチのカウンターの1・2がグサりと決まると、バランスを崩していた事もありディアスが痛恨のダウン。

 12Rディアスのラッシュでコヴァチはフットワークを使って距離をとり、1・2を中心に突き放ち続けると、それでも遮二無二ディアスが出て来る所へ、コヴァチがフック気味の左アッパーから左フックを打ち抜くと耐え切れずにダウン、立ち上がるもダメージを鑑みたレフェリーが最終回という事も相まって試合をストップ。

 コヴァチがTKOで新王者となり、伝説のファイター、ラズロ・パップ氏が成し得なかったハンガリー初の栄誉に輝きました。

 (追伸)
 2週間の限定公開となったマイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」を観ましたが、本人は勿論の事、周りのスタッフ達も本当に実現したかったロンドン公演だったでしょうね、合掌。

No1510 ”プリンス”ナジーム・ハメドvs”ベビーフェース・アサシン”マルコ・A・バレラ

2009年10月29日 07時27分12秒 | ボクシング
(IBOフェザー級王座決定戦)
 IBO王座が懸かってはいるものの、35戦全勝で前WBO王者のハメド(英)と、1階級下のWBO王者バレラ(メ)が激突する、「フェザー級実質No.1決定戦」と銘打たれたビッグカード。

 入場時ロープを掴んで前方回転でのリングインがならなかったハメドは、選手コール時に勝利を誓いを宣誓するという前代未聞のセロモニーが終了し、試合がスタート。

 初回ハメドがいつものスタイルで調子こいている所へ、ジックリ構えたバレラの左ショートフックが鋭く決まり大きくバランスを崩す、その後もコンパクトな左でハメドを争わせる。2Rハメドはバレラのガードが固いので、空く瞬間瞬間を狙っているが、常に慎重なバレラを崩せない、しかしクリンチでバレラがリフトアップした所にハメドがヘッドロックを離さずレフェリーが注意、バレラの大人のスタイルがペースを握る。3Rハメドはフェイントを増やしバレラに手を出させようと試みて、いきなりの左も狙うがバレラのディフェンスは固い。

 4Rバレラの右フック~左フックがカウンターとなりハメドの顔が大きく揺れる、いつものバレラなら一気呵成に出て行くが、あくまあでも慎重さを忘れないスタイルにハメドは戸惑う。5Rフリッカージャブも有効打とならず明らかに攻め倦むハメドは入場時からリズムが悪いが、この回のバレラはいよいよ手を出さぬ戦法だ。6Rリズムを変えるべくオーソドックスに切り替えたハメドの方がプレスをかけバレラが足を使いだし、この戦法は成功した様に見えたが、残り1分でハメドは何故かサウスポーに戻してしまう。

7Rハメドの左フックがカウンターとなっても、バレラは決して無理には反撃せず、待ちの姿勢を貫き通す。8Rハメドが調子こいて打ってきた瞬間に放ったバレラの右が逆にカウンターとなり大きくバランスを崩すが、これでハメドは調子が狂ったか攻めていかれない。9Rハメドが強引に誘い出すが、マトリックス・スウェーした所にバレラの左フックが顔面を捉える。

 10R自在なスタイルで攻めるハメドだが、瞬間瞬間で勝負するバレラのスタイルにリズムが悪い、しかしバレラも守りに徹し過ぎて手数が少ない。11Rハメドの打ち終わりに、ジャブもしくは1・2を確実にバレラが返す。12Rやっと連打を出してきたバレラは、コンビネーションを浴びせてハメドをロープへ詰めるが、ハメドが空振りし背中を見せた所をフルネルソンで固めてコーナーに押し付けてバレラが減点1、ハメドも左の一発を狙うがダメージブローを与える事が出来ずに試合が終了。

 私の採点は1点差、オフィシャルも小差ながらも3-0でバレラを支持し、S・バンタム級に次いで実質2階級制覇を成し遂げましたが、待ちながら勝つ作戦がドンピシャに決まり、憎きハメドに初黒星を擦り付けました。

 (追伸)
 「鑑識・米沢守の事件簿」を観ました。
 「踊る大捜査線」と違い、スピンオフといえども、本家の主役(水谷豊・寺脇康文)が出演していたのに好感が持てましたね。

No1509 ホセ・ルイス・ラミレスvsパーネル・"スウィートピー”・ウィッテッカー

2009年10月27日 06時57分48秒 | ボクシング
(WBC世界ライト級タイトルマッチ)
 歴戦の兵ラミレス(メ)に、ロス五輪金の勢いをそのままプロにも持ち込み、此処まで15戦全勝で世界戦に漕ぎ着けた1位ウィッテッカー(米)が挑む一戦。

 初回サウスポー同士の一戦はジャブの突き合いからスタート、ラミレスがメキシカンなプレスでウィッテッカーに迫れば、挑戦者は軽快なフットワークで王者のコンビネーションを捌く。2Rラミレスが前進するのに加えて上体を上下へ揺らしながらプレスを強めていくと、比例する様にウィッテッカーはフットワークを駆使する。3Rクリーンヒットは許さぬものの、ウィッテッカーのフットワークは益々忙しくなり手数も減ってくる、しかしラミレスも折角上体を揺らすならボディを叩いておきたい所だ。

 4Rラミレスのプレスは、ウィッテッカーのとって経験した事の無い圧力を感じている様だ。5Rウィッテッカーにもやっとコンビネーションが見られる様になってきたが、6Rこうなると、ラミレスも連打を上下へ散らし、決してペースを譲らない。

 7Rラミレスのジャブに突き刺す様な力が加わり、ウィッテッカーは戸惑いを隠せない。8Rセコンドの指示で、ウィッテッカーもジャブだけではなく1・2のコンビでラミレスのプレスに抗する様になる。9Rウィッテッカーは膝を柔らかく使い出しパンチを上下へ打ち分けては、得意の左ストレートを打ち下ろす。

 10Rラミレスのプレスは相変わらず止む事は無く、ウィッテッカーはフェイントとフットワークで精一杯。11R肉薄し上下へ乱打するラミレスの攻撃に、ウィッテッカはジャブとクリンチで誤魔化すのみ。12Rフェイントとバックステップで捌くウィッテッカーだが、既に一発逆転のパワーは残っておらずに試合終了。

 接戦が予想されたこの試合だったが、私の採点は5点差、オフィシャルもラミレスを支持し、文句無い判定で王者が防衛成功と相成りました。
 この当時のウィッテッカーは身体の厚みに乏しく、ラミレスのプレスに後退しまくっていてはチャンピオンにはなれない。
 しかし、この日の敗戦を糧として、より柔軟なスタイルへと変身していくのでした。

 (追伸)
 「スラムダンク・ミリオネア」を観ましたが、最後のマイケル・ジャクソンの様な踊りは何?

No1508 ハロルド・ブレイザー(米)vs”ロッキン”ロビン・ブレイク(米)

2009年10月25日 17時16分29秒 | ボクシング
(NABF北米S・ライト級タイトルマッチ)
 60戦を越す戦う王者ブレイザーに、嘗てのホワイトホープ・ブレイクが挑む一戦。

 初回しぶとく強かなブレイザーが、長身サウスポーのアウトボクサー・ブレイクにプレスをかけると、挑戦者は得意の左ストレートを打ち下ろし、王者をコーナーへ追い込む。2Rもジャブを突きながら左ストレートのタイミングを測るブレイクに、サウスポーに対する右を狙い距離を詰めるブレイザー、一旦インファイトになれば挑戦者は苦しくなる為何とか圏外で戦いたいものだ。3R中間距離のブレイザーと、離れた位置からパンチを打ち下ろしたいブレイクとの主導権争いが続く。

 4R軽快なステップから細かな1・2でリズムに乗ってきたブレイクだが、右目をカットするとキャリアに優るブレイザーはそこを見逃さずに傷口を狙いジャブを多用すると、挑戦者も勝負を急ぎ出す。5R試合を長引かせたくないブレイクは、ショートの左アッパー~右フックのコンビネーションで距離を詰めてきて、被弾覚悟で勝負に出る、この攻撃が吉と出るか・凶と出るか?6Rコンビネーションが決まり出したブレイクは、腰を落とし臨戦体勢にすると、ブレイザーは後退し守勢に廻るが、後半挑戦者の打ち疲れに乗じて王者が反撃開始。

 7R打ち合いではマズいと考えたのか再びフットワークを使い出したブレイクだが、ブレイザーにロープへ詰められ防戦に回り次第に逃げ切れなくなり、左右フックを浴びると傷口が酷くなる。8R上体でタイミングを測っていたブレイクの見事な1・2がクリーンヒットしブレイザーがダウン、試合は一気にヒートアップするが、接近戦になると王者のフックも当たり先行きは不透明。9R左右へ動きながらブレイクがジャブを繰り出すが、その打ち終わりに合わせたブレイザーの右フックが顔面を捉えると形勢逆転、ヨロヨロと後退した挑戦者に王者がフック・アッパーを浴びせると崩れる様にダウン、立ち上がったブレイクへ左ボディフックを一発お見舞いすると我慢できずにダウン、その姿を見たレフェリーは試合をストップ。

 ブレイザーがダウン応酬を制し、TKOにて防衛成功と相成りました。

 (追伸)
 紅葉狩りに庄原市は吾妻山へドライブしてきました、登山家の眼で見ると来週の飛び石連休あたりが、一番の見頃となる事でしょう。
 帰りに比和温泉へのお立ち寄りをお薦めします。

No1507 ”シルク”マイケル・オラジデ(加)vsアイラン・”ブレード”・バークレー(米)

2009年10月24日 08時40分29秒 | ボクシング
(ミドル級10回戦)
 拳闘界の”マイケル・ジャクソン"ことオラジデと、荒くれファイター・バークレーとのランカー対決。

 初回グリッター(けばけばしい)な雰囲気を醸し出すオラジデのボクシングと、鋼の様な刃の如くパワーのあるバークレーとの展開は、バークレーを中心にオラジデがジャブとフットワークでチャンスを伺う。2R距離をとりたいオラジデだが、バークレーのプレスに詰められてしまい、オラジデが左フックを空振った瞬間と同時に放ったバークレーの左ショートフックでオラジデがダウン、チャンスとばかりにバークレーがローブローも厭わぬ荒々しい怒涛のラッシュ。

 3Rダメージからか足に力の入らぬオラジデを、グイグイと追い詰めるバークレー。4Rオラジデのジャブの戻りが甘い所へ左ロングフックを伸ばすバークレーだが、パンチが大きくなった所を今度はオラジデが左ショートフックを合わせてバークレーは半回転しながらダウンを喫す、俄然調子に乗ってきたオラジデが息を吹き返す。

 5R勝負をかけて攻め出てきたオラジデだったが、右ボディストレートの引きが甘くなった欠点をバークレーは見逃さず、左フックを合わせるとジャストミートなタイミングでヒットし、オラジデが派手にダウン、立ち上がってもフラフラなオラジデをロープに詰めて思いパンチを雨霰と浴びせて、防戦一方となった姿を見たレフェリーが試合をストップ。

 止められた直後、未だ戦えるとクレームるオラジデだったが時既に遅し、バークレーがTKOでランカー対決を制し、世界への階段を一歩昇りました。

No1506 スンブ・カランベイ(伊)vs”ボディ・スナッチャー”マイク・マッカラム(ジャマイカ)

2009年10月23日 07時02分12秒 | ボクシング
(WBA世界ミドル級タイトルマッチ)
 31歳同士の渋い一戦は、王者カランベイに、1階級下の元王者で全勝の1位マッカラムが挑む戦い、非力な王者が万能マッカラムをどう裁くかに注目の中試合開始のゴングが鳴らされる。

 初回S・ウエルター級で長年活躍してきたマッカラムだが、カランベイと見比べても決してひけをとらない体格からプレスをかければ、王者はゆっくりとしたサークリングから素早いジャブとヘッドスリップで対処し、早くも手数で勝る。2Rもジャブとスウェーとヘッドスリップをミックスさせたディフェンスでマッカラムにパンチをヒットさせないカランベイ、同じイタリアンでもパトリツィオ・オリヴァやジャン・フランコ・ロッシらのヨーロピアン・スタイルとは異にする、アフリカン・ミックスなスタイルだ。3Rカランベイの素早いジャブに戸惑いを隠せないマッカラムは、前に出るものの得意の右は狙い過ぎか届かない。

 4Rマッカラムが右クロスを中心いプレスを強めるが、カランベイは素早い1・2のボディショットを放つと、会場が沸く。5Rも煩い位のジャブで先手をうつカランベイの攻撃に、ドナルド・カリー戦でも露呈していたマッカラムの後手に廻ると手数が少なくなる欠点が、ここでも現れてくる。6Rジャン・フランコ・ロッシの場合、ジャブを打つ時にはもうスウェーも始動しているが、カランベイは出入りの頻度が多い為、相手がスローな時は踏み込んで打つオーヴァーハンド・ライトが効果的。

 7R"ボディスナッチ”どころか焦りからパンチが大きくなるマッカラムのプレスに、フロイド・メイウェザーが見せるショルダーブロックとスウェーを織り交ぜたガードでディフェンス。8R前の回手数の増えていたカランベイだが、再び素早いジャブ~1・2でマッカラムを翻弄。9Rやっとカランベイのスピードに慣れてきたのか、マッカラムはしきりに右クロスを被せて、多少被弾しながらもプレスをかけてくるが、お互いクリーンヒットは少ない。

 10R両者ジャブの制し合いの様相も、マッカラムの右クロスを外し様、思い切り返すカランベイの右ストレートが効果的で、会場が一気にヒートアップ。11Rスピードは衰えぬものの、突き刺す様なジャブでインファイトを許さないカランベイに対し、マッカラムハ追うのに精一杯で、体勢が崩れた所へ王者の連打を浴びて逆にピンチに陥る。12Rになって余裕のカランベイは、軽快なアウトボックスを披露すると、マッカラムも必死に右を振って一発逆転を狙うが、時既に遅し。

 私の採点は6点差、オフィシャルも文句無しでカランベイを支持し、王者の防衛となりましたが、この一戦はカランベイにとっても出色の出来栄えではなかったのでしょうか。
 敗れたマッカラム、ドナルド・カリーをKOした実力はこのクラスでも十二分に通用すると思われていましたが、予想以上に壁は厚く高く、彼に襲い掛かってきました。

No1505 ”プリンス”ナジーム・ハメドvs”フラッシング・フラッシュ”ケヴィン・ケリー

2009年10月21日 06時47分26秒 | ボクシング
(WBO世界フェザー級タイトルマッチ)
 28戦全勝の王者ハメド(英)の米国初進出の一戦は、元WBC王者で3位の米国人ケリーが相手、本場のファンにお手並み拝見といきまっしょい!

 初回サウスポー同士で質は違えどスピード自慢な二人、ケリーがスピーディなジャブを突けば、ハメドは柔軟且つ大胆な動きからパンチを放つが、無駄な動きの隙をついて王者のパンチをかわして放った挑戦者の右フックで、ハメドが早くもダウンを喫す。2Rハメドが大きな右フックを狙った瞬間、ケリーの右が一瞬早くヒットし王者バランスを崩しながら又もやダウン、チャンスとばかりに挑戦者が追い討ちをかえケリをつけにいくと、王者はトリッキーながらパンチを貰うものの、逆に一瞬のタイミングをついてオーソドックススタイルから行き成りの右を伸ばすと、ケリーは尻餅をつく様にダウン。

 3Rダウン応酬の割にはダメージの少ない両者だが、ハメドは動き自体本調子ではないのか、ケリーの左クロスを1度・2度とまともに貰いジリジリと後退して、得意のフェイントを交えたプレスをかける事が出来ない。4R相変わらずプレスをかけられるハメドは、いつもなら柔軟なスウェーでかわしまくるのだろうが、良く研究してきたケリーの攻撃にそれもままならない、その反面リスクも負った挑戦者は王者の左ダブルを浴びてしまいダウンを喫す、一気に攻めるハメドだが今度はケリーの右フックをテンプルに浴びてバランスを崩しキャンバスにグローブをタッチしてしまいカウントを取られる、だがダメージは挑戦者の方があり一気呵成に攻め出た所へお返しの左フックを浴びると再逆転のダウン、ダメージ深い挑戦者は膝をついたまま規程のカウント内にファイティングポーズをとることが出来ずにレフェリーが試合をストップ。

 お互い3度のダウンを奪い合った一戦は、ハメドのパンチ力が優り9度目の防衛成功と相成りましたが、王者にもボチボチしかし確実に夕暮れが近付いてきていると思わせる苦闘ぶりでしたね。

No1504 ”ポイズン”ジュニア・ジョーンズ(米)vsケネディ・”キング”・マッキニー(米)

2009年10月20日 06時44分42秒 | ボクシング
(WBO世界S・バンタム級タイトルマッチ)
 軽量級ながらパンチ力の強さと顎の打たれ弱さを併せ持つ者同士の一戦は、王者ジョーンズに返り咲きを狙う3位マッキニーとの激突、オリンピック国内予選でマッキニーに敗れたジョーンズのリヴェンジにも注目が集まる中ゴングが鳴らされる。

 初回お互いジャブ~ワイルドな右強打を狙うが、ジョーンズが終盤マッキニーをコーナーに詰めてラッシュをかけ積極的に攻める。2R早々ジョーンズは左右の強打を浴びせると、リング中央でマッキニーを防戦に追いやるが、王者がダックした所へ挑戦者も右を打ち下ろす、しかしそこへジョーンズが右のカウンターでマッキニーをロープに釘付けしスリリングな展開を繰り広げる。

 3R両者危険な距離で強打の交換を行うが、コンビネーションの中で大きな右を浴びるとマッキニーはゆっくりと両拳を着きダウン、立ち上がった挑戦者は左右のフックでジョーンズをロープへ詰める。4R大振りを狙うジョーンズに、マッキニーは綺麗に伸びる右ストレートをヒット、これでタイミングを掴んだかルーズなディフェンスの王者へ右をロング・ショートとヒットさせ右ストレートを打ち下ろすとジョーンズはキャンバスへ前のめりになるが、最後に挑戦者が引き落としたとみてレフェリーはスリップと裁定、しかしフラフラな王者へマッキニーが攻撃を強め、右のカウンターをまともヒットさせるとジョーンズは弾かれる様に正真正銘のダウン、一旦は再開も挑戦者へ向かっていく足許が覚束ず前のめりになった姿を見たレフェリーが試合をストップ。

 似たもの同士の対決だったが、マッキニーが大逆転KOで見事王座へ復帰しました。

No1503 ロナルド・”ウィンキー”・ライト(米)vsエイドリアン・ドッドソン(英)

2009年10月19日 06時46分28秒 | ボクシング
(WBO世界S・ミドル級タイトルマッチ) 
 テクニシャン・ライト3度目の防衛戦は、ソウル五輪ガイアナ代表・バルセロナ五輪英国代表の実績を持ってプロ入りし、此処まで18戦全勝でランク1位迄駆け上がってきたドッドソンを相手の指名試合。

 初回サウスポー同士の対戦は、ライトが最初から得意のジャブを繰り出し中間距離で突き放し、ドッドソンが挑むインファイトには、高く固いガードで鉄壁のブロッキング。2Rライトの固いディフェンスを意に介さず、左右のブローでグイグイと肉薄するドッドソンに対し、距離は握られているものの余程ブロックに自信があるのか、決して慌てずに対処する。

 3Rライトはフットワークを使い出しながらジャブに続く鋭く強い1・2を突き刺すと、ドッドソンは左右ボディを叩き王者の動きを止め様と試みる。4Rライトのジャブをしこたま浴びて左眼の腫れが目立ってきたドッドソンは、今迄以上にプレスをかけてきたが、王者はパンチの7割方をジャブでコントロールする。

 5R渋く堅実なボクシングを展開するライトの攻撃に、攻防分離傾向が強まり手数の減るドッドソン。6R自慢の左強打をクロスで当てたいドッドソンだが、ライトのジャブで捌かれ左眼から出血し益々腫れが酷くなり、視界が悪くなる一方の挑戦者。

 しかしこの回終了後のインターヴァルで腫れの酷さを考慮したドッドソン陣営がレフェリーに棄権を申し入れギブアップ。

 鼻骨の骨折の疑いもあり棄権を申し入れたドッドソン陣営でしたが、それなら徹頭徹尾勝負させる指示を出すのが、セコンドワークではないのでしょうか?
 まあ、ライトのV3に変わりはなかったのでしょうが。

 (追伸)
 昭和のプロレスラー剛竜馬氏が死去との事、ただただお悔やみ申し上げます、合掌。