ボクシング・テレビ&ビデオ観戦記

VTR整理の為DVDへダビングついでにブログを設定し記録保存します。

No145 チャナ・ポー・パオインvsカルロス・”プアス”・ムリージョ

2005年05月31日 07時03分05秒 | ボクシング
(WBA世界Mマム級タイトルマッチ)
大橋秀行を破って王者になったチャナが27戦全勝ならば、地元パナマではロベルト・デュランの再来との期待のかかるムリージョが20戦全勝と最軽量級ながら生唾ものの指名試合。1R敵地タイでは倒さないと勝てないとばかりに積極的な挑戦者に対し王者も足をあまり使わず対抗する。2R王者は挑戦者の前進をボディ・ブローで止めにかかる。3Rあからさまなボディをこのラウンドも続けるとムリージョの動きも止まってくる。4Rムリージョはサイドに動いて外側からのパンチ、チャナはインサイドから小ちゃなパンチと対照的も両者本当に良く打ち合う。5Rムリージョ劣勢とばかりに今迄より以上に前進し王者をロープに押していく。6Rチャナは横殴りのフック連打で反撃。7Rムリージョはセコンドの支持からか足を使い出し今迄よりも大人しいラウンドとなり、そこにチャナのカウンターがヒットする、明らかな作戦ミス。8Rムリージョは前半のオーヴァーペースが祟ったかハイスパートは鳴りを潜め連打にも切れが無くなりチャナの右カウンターでガラリとペースが変わる。9Rチャナも疲れが見え馬力のあるムリージョのラッシュでポイントを奪い返す。10Rチャナ下がりながらのパンチも当たるが攻勢を取り続けたムリージョのラウンド、しかし流石に両者手数が減ってきた。11Rムリージョが前に出る所の出鼻や回りこんでの右カウンターが3発程ヒットしチャナのラウンドもムリージョの良い所はそれでも前に出て反撃する所。12R両者自分がここまでポイントをリードしているかの如くお互い無理をせずムエタイの最終ラウンドを見る様でイーヴンのまま試合終了。後半を確実に獲ったチャナが初防衛を果たしましたが、無敗同士の実力派対決は期待に違わぬ好ファイトでしたよ。

No144 ポール・”ホコ”・ホドキンソンvsグレゴリオ・”ゴーヨ”・ヴァルガス

2005年05月30日 07時11分46秒 | ボクシング
(WBC世界フェザー級タイトルマッチ)
22勝中21KOの王者ポールの地元リヴァプールでの一戦。1Rファイターの王者と典型的メキシカンの挑戦者故打ち合い必至、先ずはヴァルガスの右がカウンターやボディ・アッパーとなってポイント奪取。2R逆に王者の右がカウンターとなる。3R両者の違いは連打の後に必ず左ボディを返すヴァルガスがホドキンソンの前進に楔を打つ、が構わず前に出て右カウンター3発をヒットする王者。4Rラッシュの中の1・2でペースを掴んだ王者、まあとにかく手数は良く出ますなあ。5Rロープに詰めての右がヒットする王者、両者のスタイルが融合したラウンドとなったがヴァルガスの手数が少ない。6Rビジー・ファイターの王者に対し手数は少ないもののヴァルガスの危険な角度の左フックでグラつかせる。7R出入りが鈍った王者に対し前のラウンドでタイミングを掴んだヴァルガスが左フックカウンターでダメージを与えラッシュからの左ストレートでダウン、立ち上がった王者に右アッパーで2度目のダウンを追加した所でセコンドが試合ストップ。マルコス・ビジャサナが奪われた王座を再びメキシコへ取り返しました。

No143 ”東京三太”M・A・ゴンザレスvsヘクター・”トレロ”・ロペス

2005年05月29日 17時18分28秒 | ボクシング
(WBA世界ライト級タイトルマッチ)
ソウル五輪代表のゴンザレスにロス五輪銀メダリストのロペスが挑むメキシコ人同士の一戦。1Rスロースターターの王者に対し広いスタンスの左前足にウェイトを掛けて前に出るロペスの滑り出しが好調。2Rロペスの逆1・2のタイミング良ければ、ゴンザレスのカウンターのタイミングが良く終盤激しい打ち合いも。3Rなかなかピッチの上がらない王者はエドウィン・ロザリオ風なロペスのタイミングのせいか。4Rロープに詰めての接近戦となるがロペスの大きな右フックでゴンザレス
大きくぐらつく。5Rお互いの右目が腫れてきたのは相手の左を貰う為か。6R調子の出てきたゴンザレスの手数が増えてきた。7Rダブルの右でクリーンヒットのあったロペスのラウンドとなる。8R細かい連打の応酬で一進一退の攻防、両者素晴しい技術の持ち主である。9Rバランスの良いゴンザレスは打ち合いの中でも相手の打ち終わりを狙い撃ち好印象を与える。10R右目が完全に塞がったロペスは王者のパンチを被弾する事が多くなってきた。11R出てくる所を打つ作戦が功を奏したゴンザレスは肩でフェイントをかけ打ち込んだ右がジャストミートしレフェリーが一瞬ストップしかけるシーンもあったがロペスも何とか打ち返しTKOを免れる。12R右目の腫れでドクター・チェックを受けたロペスに気を良くしたゴンザレスが連打を繰り出した所でゴング。終盤の追い上げが功を奏したゴンザレスの防衛となりました。さすが両者アマチュア出身で技術もしっかりした隠れた名勝負となりました。

No142 辺丁一(韓国)vsホセフィノ・”チェポ”・スアレス(メキシコ)

2005年05月28日 07時29分03秒 | ボクシング
(WBC世界バンタム級タイトルマッチ)
王者辺はソウル五輪代表というよりも判定を不服とした座り込み事件が有名、だがプロで世界王者になったので立派なものだ。サウスポーの辺にオーソドックスのスアレスという戦いは1Rから意外展開、右足を前に出しつつスローな右を放つという世界戦では前代未聞のパンチには吃驚させられたスアレスだが入るか入らないか躊躇している間に王者のいきなりの左ストレートでダウンを奪われる。2Rしつこいスアレスはボディを中心に形振り構わず入ってくると辺も強気に打ち合い強烈な左ストレートを当てる。3~4R打っては離れ相手が怯むと連打を放つ辺はスウィッチも披露する。5~6ペースを奪うべくスアレスはボディを中心にして乱打戦の様相を呈してきたが、スピードで優る辺の有効打が多くカウンターの右も当てるがパンチが軽い為なかなかグラッとこない挑戦者だ。7~8R打たれ疲れたスアレスは辺の打っては動くスタイルに段々ついていけなくなってきた。9~10Rここにきても手数の減らない辺のスタミナは凄く、スアレスは口を開け右目も腫らし苦しくなってきた。11Rバランスの悪いスアレスの打ち終わりに王者がラッシュをかけた時1Rのダウンに次いで観客が沸いた。そして最終ラウンド迄無尽蔵のスタミナで動いた辺がフルマークで初防衛に成功しました。

No141 勇利アルバチャコフ(協栄)vsイサイアス・”キッド・ショータイム”・サムディオ(米国)

2005年05月27日 07時04分26秒 | ボクシング
(WBC世界フライ級タイトルマッチ)
勇利が曲者指名挑戦者を迎えた一戦。初回は勇利を中心にサムディオが時にスウィッチを織り交ぜながら様子見の展開、常にイニシャティブを取った王者のラウンドか。2R勇利の右ストレートの隙間を突いて、いきなりの右~1・2や左アッパーを返していくサムディオに戸惑う王者、これは強かな挑戦者だ。3R勇利が追っているというよりも右に注意しながら誘い込んで反撃している感じのサムディオ、だが勇利の右ストレートはやはり鋭く王者のラウンド。4Rこの試合初めて勇利の右ストレートがクリーンヒット、しかしサムディオも追撃にはしっかりとガードしてやり過すとお返しとばかりにしっかりと反撃する。こうやって攻防相容れず僅差のラウンドが続くが、常に先手を取っていた勇利が苦戦しながらも判定をもぎ取り指名試合の防衛に成功しました。日本クラスが相手だと早いラウンドで勝負がつき隙の無い強さを醸し出していた勇利でしたが、この日のサムディオや陳潤彦といった粘り強い強かな選手が相手だと単調なスタイルといった弱点をさらけ出した格好となりました。でも日本人が勝てるとは思わないけどね。

No140 ”プリンス”チャールズ。ウィリアムスvs”オンリー”ヘンリー・マスケ

2005年05月25日 06時46分13秒 | ボクシング
(IBF世界Lヘビー級タイトルマッチ)
元ソウル五輪ミドル級金メダリストのマスケが地元ドイツで世界の頂点に挑む一戦。初の世界戦で緊張からか動きの硬いマスケに王者の圧力で先制、上体を小刻みに動かしポイント奪取。2Rアマ時代より強固にそのスタイルを維持するマスケは兎に角アップライトから右リードに左ショート相手のパンチにはスウェーとクリンチ、更に入ってくると左ボディを叩きつける。3R往なされてリズムに乗れないウィリアムスはサウスポーにスウィッチしたりと考えてはいるがマスケのパチパチ・パンチにペースを奪えない。4Rこれではならじと今迄よりプレッシャーをかけたウィリアムスのラウンドも故意のバッティングで減点1、何やっとんじゃい。5R上体を振ってウィービングしている時は良いがそれが一瞬でも止まるとマスケのショートの1・2が蛇の様にしつこく当たる。6R常に先手を取っているのはウィリアムスだが、その左ジャブが何発か当たる。マスケはその打ち終わりに右を引っ掛け接近戦になりそうな時は上からクリンチ、実に戦いが憎らしい。7Rマスケは様子見かウィリアムスのの右や左にダックしたが、特に左にダックし左斜め下から右上へアッパーが当たる。このパンチは後生に持っておいて下さい。8Rウィリアムスガマスケをロープに詰めてクリンチをさせずに突き上げる右アッパーがヒット、王者の圧力に挑戦者少々疲れて右強打を貰う。9Rこのラウンドは徹底してジャブ~1・2に徹したマスケ、下手な色気を捨てて勝ちに拘った挑戦者に対し当日計量で500gオーヴァーした影響か動きが失速してきた。10R失速が手数にも影響してきて明らかに王者のパンチが減ってきた。11Rスタミナ不足のウィリアムスは何とかしようと気が焦り、そこにマスケのジャブ・ジャブ・1・2・クリンチ。12R精魂尽き果てたウィリアムスは出足は良いがいつの間にか手数が少なくなりマスケの細かいパンチを浴びた所で試合終了。後半失速した王者の負けは明らかで、統一ドイツ初の世界王者がここに誕生しました。この前にも、エックハルト・ダッゲやラルフ・グラジアノのロッヒジアニ兄弟等もいましたが今のドイツの勢いはこの試合から始まったといっても過言ではありません。イッヒ・リーヴェ。

No139 オーランド・カニザレスvsクラレンス・”ボーンズ”・アダムス

2005年05月23日 07時02分28秒 | ボクシング
(IBF世界バンタム級タイトルマッチ)
27歳の王者に挑むのは18歳8ヶ月のアダムス、史上3番目の若さで王座奪取なるかに注目。さて試合は1Rより若さ溢れるアダムスのスピーディなパンチにカニザレスもこの日はスピードで対抗し逆1・2や1・2~左フックをヒットする。2Rアダムス勇敢にパンチを出すが王者のシフト・ウェイトやサイド・ステップ、カウンターとキャリアの差を見せ付ける。3R早いラウンドから積極的にいくという若い芽を摘み取る典型的な戦いにアダムスはここまで成す術無しの状態。4Rアダムスの粋の良い1・2も当たるが王者のカウンターの右を狙い撃ちされる。5R戦い方を変えたアダムスは常に足を使いカニザレスの射程から離れストレートを積極的に放ち初めてラウンドを取る。6Rこのラウンドも積極的なアダムスのラウンド、特に逆1・2はスピードがあったが飛ばしすぎが祟ったかカニザレスの手数が少なくなってきた。7R足を使ってペースは若干アダムスだったが劣勢を悟った王者の良く踏み込んだ右や左フックでグラつかせる。8Rジグザグに追うカニザレスに対しアダムスは足を更にギアアップし距離をとり、繰り出す連打も1・2だけではなく3・4や5・6まで纏めてポイントを奪い返す。9R共にクリーンヒットは無いもアグレッシブに出続けた王者のラウンド。10Rこのラウンドも同じような展開、しかしカニザレスは打った後同じ場所に居ないカニザレスには感心するし良く動くアダムスにも感心する。11R王者の軽いパンチだったが右ストレートがヒットするとこれまでのダメージもあったのかアダムスは急に失速し手が出なくなる、また顎の具合も悪い事もあって半ばギブアップする形でTKOを宣告されました。最後はあっけない幕切れでしたが、アダムスは大いに善戦し直にでも世界に届きそうな印象を我々に与えました、が実際は頂点に立つまで更なる年月が必要になった訳ですが。

No138 ”ラティゴ”ファン・マルティン・コッジ(亜)vs吉野弘幸(ワタナベ)

2005年05月22日 13時38分07秒 | ボクシング
(WBA世界S・ライト級タイトルマッチ)
サウスポーとオーソドックスの違いはあるが共に左の強打を武器とする二人の戦い。本来のクラスから1階級下げ未経験のゾーンへ踏み入れた吉野だが初回から得意の左フックを振って行くスタイルは変わりなし、が結果論だが吉野の強打を警戒していたコッジに対しプレッシャーを与えて対平仲戦の様に王者を慌てさせたかった。2Rリング中央での戦いだと中間距離からの鞭の様にしなうコッジの左が突き刺さる。3Rこのラウンドの吉野はロープに王者を2度ほど詰めてボディを叩く、更に顔面まで返せば言う事無しだが積極的な吉野のラウンドに。4R今まで控えていたコッジの右が多くなり吉野の左をコントロール、逆に王者追撃の左が鞭の様にアッパーやフックとなって襲い掛かる。5R吉野の左に合わせた王者の狙いすました左が当たりダウン、立ち上がった挑戦者に打ち合いの中での右フックが当たり半回転する様に2度目のダウン、顔面鼻血まみれの吉野はそれでも戦うが王者必殺の左ストレートが顔面を捕え3度目でTKOとなりコッジ2度目の防衛となりました。必殺の左フックが当たればと後楽園ホールにつめかけた満員の観客の願い空しかったのでしたが魅力の強打は期待を抱かせるものでした。

No137”カオサオノイ” ピチット・シスバンプラチャンvsアントニオ・ペレス

2005年05月22日 08時38分53秒 | ボクシング
(IBF世界フライ級タイトルマッチ)
後々にチャチャイ・メッグン・ソンクラーム・ポンサクレックと引き継がれるタイ国伝統の上体ガッチリ型フライ級王者の一人ピチットがメキシコの曲者を相手の一戦。初回足とジャブを使うペレスを相手にクラウチング・スタイルから良く踏み込んだ左フックが一発ヒットする。2Rボクサー相手に先ずはボディから攻めるピチットに対し常に足を止めず王者の追撃から距離を取るペレスのラウンド。3R左ジャブの返り際に右ストレートを合わす王者、距離感が合えば左フックの確率も上がってきた。4R更にタイミングの合ってきた王者に対しペレス自慢のストレートも腰が引けそのプレッシャーに呑み込まれて来た、そして右から返しの左フックで遂にダウン。ダメージの中良く立ち上がってきたペレスはアッパーも繰り出し抵抗するがピチット構わず迫力あるパンチで連打を重ねペレスがコーナーで打たれっ放しになった所でレフェリーが試合ストップしTKOで王者防衛となりました。パワーだけではなく逃げる相手を追い込む巧さも見せたピチット、しかし同じ階級とは思えない上半身をしていました・・・。おっとこれ以上のコメントは差し控えさせていただきます。

No136 葛西裕一(帝拳)vsジュン・リャノ(比)

2005年05月21日 12時14分44秒 | ボクシング
(OPBF東洋・太平洋S・バンタム級タイトルマッチ)
屈辱の1RKO負けの世界戦から再起しOPBF王者となった葛西の初防衛戦はこの試合で50戦のキャリアとなる1位リャノが相手、かつて原田剛志(ハラダ)をもKOした実績を誇り葛西にとっても決して楽な相手では無い。初回長身の葛西に対し頭一つ小さいリャノは低い位置から比国人特有の両足をしっかり着いてパンチを放つ、その右を一発貰うが葛西もパンチのスピードでは上回り略イーヴンのラウンドとなる。2Rリャノも流石に歴戦の兵で小刻みに体を振り葛西のスピード・ブローのヒットを許さない。3R徐々に打ち合いとなるが葛西の足が少ない為か混戦になるとガードの隙間を突いてリャノのパンチがヒットする。5Rあくまでも強気な葛西は接近戦から左ボディを交えるとリャノは苦しい表情を浮かべる。6Rボディが効いて来たのか動きが無くなってきたリャノに葛西の大きな右が顔面を捕え大きく腰を落とす。7R開き直ったリャノのジャブから始まり右フックも至近距離から葛西を抉る、開き直~るそのパンチ~が侮れないの~よ~。8R葛西ボディ狙いの為手数が少ないが何発も当てられると明らかにリャノは嫌がる、がしぶといリャノは思い切りの良いパンチを返す。10R中間距離の打ち合いの中ここまでKO負けした事無いリャノにカウンターの右ストレートがグサリと決まり腰から崩れ落ちる様にダウン、もがきながら立ち上がろうとするがカウント10迄間に合わず葛西苦しみながらも初防衛に成功しました。思う様なボクシングが出来なかった葛西でしたが悪いなりに戦いKO勝ちした一戦でした。