ボクシング・テレビ&ビデオ観戦記

VTR整理の為DVDへダビングついでにブログを設定し記録保存します。

No1590 フレッド・ガラン(比)vs”浪速のロッキー”赤井英和(三和愛寿)

2010年01月31日 11時17分49秒 | ボクシング
(S・ライト級10回戦)
9戦全勝の赤井が迎える初の外国人選手は、1階級上の比国ランカー3位ガランが相手。

 初回外国人相手でも委細構わず出て行く赤井は、上のクラスなんか関係ねえとばかりに右ストレートを叩きつけると、ガランはロープ下にダウン、立ち上がったガランへラッシュすると防戦一方となるも、ジャブを浴びせるだけで決して無理には倒しに行かず。

 ジャブを顔面・ボディと打ち分けポイント的にも一方的になってむかえた4R、コーナーに詰めて出入りしながらジャブで追い詰め、手数・フットワークでも圧倒的に上回る。そして初めてむかえた5Rを、「けたくそ悪い」とばかりに長引かせたくない赤井がラッシュすると、ガランは早々にロープダウン、両目も腫れてきたガランはダメージもあり戦意喪失で再開に応じず試合終了。

 この日の赤井は、左から試合を組み立て落ち着いた試合運びを披露してくれた。

No1589 中尾和美(中日)vs”浪速のロッキー”赤井英和(愛寿)

2010年01月30日 10時31分04秒 | ボクシング
(S・ライト級10回戦)
 1階級上の日本4位中尾を迎えて、1位の赤井が自慢のパワーを試すべく行った一戦。

 初回赤井のパワフルな攻めに最初から防戦一方でガード一辺倒な中尾、其の内開始30秒で赤井の左ボディアッパーが決まり早くもダウン、立ち上がった所へラッシュを浴びせ左フックで2度目、此処まで1分でその後も右フックで中尾が大きく腰を落とし、今にも止められるかと思われたが、何とか耐え抜き滅多打ちにあいながらも、貝の様なガードと上の階級のランカーの意地で立ち続けて、ラウンド終了のゴングを聞く。

 2R一分間のインターヴァルで落ち着きを取り戻した中尾が反撃のパンチを放ち出すが、ジャブでリズムとりたじろがせ、続くボディ~右ストレートが中尾の顎を見事に打ち抜くと後頭部をキャンバスに激しく打ち付けるダウンを喫す、これは立ってこれないと判断したレフェリーが即座に試合をストップし試合終了。

 1階級上でも全く問題無く豪快にノックアウトした赤井が、デビュー以来の連続KOの日本記録を樹立しました。

 (追伸)
 赤松愛脱退後のオックスにキーボードとして加わり(当時は田浦ユカ)、その後俳優・役者として活躍した、夏夕介さんが胃癌で亡くなりました。
 またまた、昭和の名バイプレイヤーが・・・、合掌。

No1588 "浪速のロッキー"赤井英和(愛寿)vs桑田修孝(SB石丸)

2010年01月29日 23時50分14秒 | ボクシング
(S・ライト級10回戦)
 高校L・ウエルター級王者から近畿大在学中に新興ジムからプロ入り以降7連続KO勝利の赤井が、デビューからの連続KOを賭けて柔軟なテクニシャン桑田を迎えて行う一戦。


 アウトボクサー桑田相手に初回よりプレスをかける赤井のジャブが強く、直ぐにコーナーへ追い詰めてワイルドな連打を浴びせ、何とか脱出した桑田のでこに右フックを叩きつけると急いで体育座りする様にダウン、立ち上がった所へラッシュすると足を滑らせる様に2度目、最後はスルスルと後退する所に左フックをカウンターで振り抜きフィニッシュ。

 中堅日本人のテクニックなんか関係えねえとばかりに豪快な1Rノックアウトを飾った赤井、これでデビュー以来8連続KO勝利となりました。

 (追伸)
 私は新人王の西軍代表決定戦が福岡で行われ、笹川孝二(田川)と争った一戦を見たのが、赤井との初遭遇でしたが、その後全日本で東軍の尾崎富士雄(帝拳)を豪快にボディブローで沈めた試合を、誰か「YOU TUBE」あたりにアップしてくれないかな?

No1587 用階政弘(斉田)vs中根光幸(船橋) Ⅳ

2010年01月28日 06時49分52秒 | ボクシング
(日本ライト級タイトルマッチ)
 王者用階の2勝1敗を受けて一戦は、初めてタイトルが賭けられる事となった一戦、過去3度共リングサイドクラブから敢闘賞が贈られる熱戦故、両者の駆け引きが鍵となる。

 初回細かく上体を揺さぶる中根に対し、用階はゆったりとしたリズムからジャブを放つが、両者共目立ったパンチは見られない。2R細かいステップからサークリングする中根に、スロースターターの用階は未だ様子を伺い動きも少ないが、長身から右を振り下ろし始める。3R未だペースを掴めない用階だったが、セコンドの指示でフットワークを使いジャブを突き始めると、やっとリズムに乗って前にでる。

 4R中根はヒット&アウェイを心掛けるが、パンチが続かぬ為用階の重いパンチを浴びてしまう、特に王者切り返しの左フックに迫力あり。5R1年間の海外修行でファイターに転向していた中根だったが、この日は嘗てのボクサーファイターに戻り、手数とステップで勝負するが、用階は重い右ボディで挑戦者の動きを止めにかかる。6R前半を終えてまたまたリングサイドクラブから敢闘賞が出た熱戦は、用階が右ストレートの打ち下ろしからアッパーを狙い差が現れ始めるが、中根も叩きつける様な右で反撃し終盤には王者をフラフラにしホールを大いに沸かせ、タイトルへの執念を見せつける。

 7Rダメージが残り未だ回復しない用階にラッシュする中根の右フックがカウンターとなって王者を防戦一方に、距離も挑戦者の近距離となりロープに詰めて滅多打ち、只自身も打ち疲れてお互いフラフラで一発当たればどちらに流れるか分からぬ展開、凄げーラウンドだ!8R胸突き八丁なこの回、回復した用階の1・2でロープに詰まり動けなくなった中根は、王者の重いパンチを貰い足が止まり、手数では圧倒的に用階が勝るが一発逆転狙いの挑戦者も右に賭ける、しかしその中でも上下に打ち分ける王者に流れが傾く。9R流石にお互い疲れとダメージから、且つ最終ラウンドを見据えてか様子見も、用階が右ストレートからチャンスを掴むと果敢にラッシュ、しかしここでも中根の反撃の右二発を貰いフラつくシーンも。

 10R細かく上体を揺らす中根に対し、あくまでも連続KOを狙う用階はジッと構えては一発一発肩を入れてパンチを振り抜くも、倒す事が出来ずに試合終了。

 私の採点は2点差、オフィシャルも2-0、8試合振りの最終ラウンドのゴングを聞いた苦しく激しい試合を制した王者がV3を達成しましたが、強打が魅力の用階も今後はディフェンスを強化しないと世界へは行けないと感じた課題の残る一戦でした。

No1586 用階政弘(斉田)vs高橋仁(トーア・ファイティング) Ⅱ

2010年01月27日 06時53分33秒 | ボクシング
(日本ライト級タイトルマッチ)
 7連続KO中同士の激突、王者用階が左右フックに威力を持てば、1位高橋は右に脅威を持ち、第1戦は高橋の判定勝ちだったが、とても最終ラウンド終了のゴングが鳴らされる事を予想出来ない指名試合。

 初回用階が自慢の左右フックで最初から迫れば、タイトル初挑戦の高橋は元来スロースターターな所に余計に固くなっていて、王者の左フックで大きくグラつきその膝に抱きつきながら、何とかダウンを免れる。

 2R減量苦のある用階は、早めに勝負を仕掛けると、高橋が打ち気に逸っている為ルーズなガードを突いて放った左フックがカウンターとなりダウンを奪う、ダメージの残る挑戦者は足に力が入らず激しく打たれ、スローな右アッパーに合わされた左フックで2度目、カウント9で立ち上がった高橋へ王者はコンビを浴びせ、最後も左フックでぶっ倒し試合終了。

 同じ7連続KOでも、その中にタイトルマッチを含み質の違いを見せつけた用階が、豪快に高橋を葬ると同時に雪辱を果たしました。

No1585 用階政弘(斉田)vs中根光幸(船橋) Ⅲ

2010年01月26日 06時54分34秒 | ボクシング
(ライト級10回戦)
 両者1勝1敗いづれもKOと、この日の第3戦でもKO必至の一戦。

 静かな立ち上がりの初回を経て迎えた3R、用階の打ち下ろしの右クロスが、中根の左頬にジャストミートしラッシュを浴びせる。4Rもっとリラックスしたい用階は、ウィービングする中ねの動きを読んで左で探りを入れていたが、一瞬の隙を突いた挑戦者の左フックがカウンターとなり王者大きく腰を落とす、これで俄然前に出て来た中根だったが、一発なら用階が勝り猛然と反撃し襲い掛かり、逆にスタンディング・ダウンを奪う、再開後もお互いフラつきながら打ち合う中でラウンド終了のゴングが打ち鳴らされる。

 7Rジャブで軽くいなす用階が、タイミングを見計らって左フックのカウンターから1・2連打を浴びせると中根がガクッと膝を折りダウン、フラつく様な足で立ち上がった挑戦者だったが、ダメージを鑑みたレフェリーが続行を許さず試合をストップ。

 雌雄の決着と王座防衛に成功した用階、タイトルマッチを重ねる毎に倒すコツを学んでいる様ですね。

 (追伸)
 今朝山陽道を走行中、新型となった「はかた号」に初遭遇しましたが、さすが”キング・オブ・高速バス”と言われるだけあって気品に満ち溢れていました。

No1584 用階政弘(斉田)vs根岸多美男(不二)  Ⅱ

2010年01月25日 23時06分10秒 | ボクシング
(日本ライト級タイトルマッチ)
 第1回チャンピオン・カーニヴァルの栄えある第1試合に選ばれたこの一戦、2日間で9試合行われる祭りに弾みをつけてくれ!

 初回前戦と違い挑戦者となった4位根岸が積極的に前に出ると、初防衛戦で力味の見られる用階は、パンチが大きく手数も少ない。

 2R根岸がコンパクトな1・2を放てば、用階は中間距離での攻防に持ち込み、王者の右ストレートがカウンターとなると挑戦者の膝がグラつき、更に攻めて右のクロスを浴びせて先制のダウンを奪う、立ち上がった根岸へ叩きつける様な右フックで2度目、ダメージの残る挑戦者は意を決して豪快に打ち合いを挑んでいくが、用階はラッシュし最後は右クロスを顔面に炸裂させると、根岸は半回転しながら前のめりに倒れ試合終了。

 倒したパンチは得意の左では無く全て右だった用階、更にKOのパターンを増やした模様です。

No1583 根岸多美男(不二)vs用階政弘(斉田) Ⅰ

2010年01月24日 20時05分33秒 | ボクシング
(日本ライト級タイトルマッチ)
 2度目の戴冠で30戦のキャリアを誇る根岸の初防衛戦は、高校L・ウエルター級王者から中央大を経てプロ入りした強打が魅力の1位用階との指名試合。

 初回両者が対峙すると頭一つ低い根岸が、下からダックを活用し中へ入り込み左フックをヒットさせると、初挑戦で浮き足立っている用階は上体が突っ立ってしまう。2Rもインファイトを挑んできた根岸だったが、用階の右アッパー~左フックがドンピシャとカウンターでヒットすると、王者は片膝をつく様にダウン、しかしダメージの少ない根岸は立ち上がると今までと同様に揺さぶりながら接近戦に持ち込んでいくが、出来ることならもっとボディが欲しい。3Rエネルギッシュに出てきた根岸が放った右クロスが決まると、決して打たれ強く無い用階の顔面にヒットし派手なダウンを奪う、これはダメージありありで立ち上がるもフラつく挑戦者をロープに詰め打ち合いへと持ち込んでいく王者だったが、用階得意の左フックがカウンターとなって王者をヨロめかせる、ここは両者一旦冷静さを取り戻したい所だ。

4R力んでいくとパンチを貰った所に効いてしまう為、肩の力を抜いてから出て行く根岸は、ベテランらしく第3のパンチも織り交ぜて中へ入っていく。5R左フックの振り合いも、その軌道がよりコンパクトで前へ出る分だけ根岸のパンチが先にヒットするが、用階の右フックで一瞬バックした所に左フックが炸裂すると、王者は後方へ弾かれる様にダウンする。6R背の低い根岸は、どうしても見上げてしまう為顎が上がる癖があり、用階のパンチを貰うとダメージを蓄積させてしまう。


 7R良い意味で肩の力が抜けパワーに切れが伴ってきた用階の右が叩きつけられる様になり、返す左フックにも腰の切れがみられてくる。8R根岸の下から突き上げる様なパンチで一瞬バランスを崩す用階、ポイントも競った内容だが挑戦者のパンチは大振りの為、的中率が低い。9R根岸のフックを貰った用階の動きが鈍り疲労度も増してくると手数も後手に回る、もっとストレートの距離を思い出したい所だ。 

 10Rスタミナ十分な根岸がエネルギッシュに攻めてくるが、パンチを振り抜く用階の左フックがカウンターとなって王者をグラつかせると、俄然勢いが出てきた挑戦者が反撃を開始し右を叩きつけると根岸がダウン、立ち上がってもファイティングポーズを構えられない姿を見たレフェリーが試合をストップ。

 1秒を残した所でのKO劇で新王者となった用階でしたが、逆に根岸にとっては泣くに泣けぬ王座転落と相成りました。
 チャベスvsテーラー戦をも凌駕するKO劇が、既に昭和50年代の日本にあったのですね、見るべし!

No1582 大場政夫(帝拳)vs"稲妻小僧”チャチャイ・チオノイ(泰)

2010年01月23日 22時15分04秒 | ボクシング
(世界フライ級タイトルマッチ)
 結局は大場最後の勇姿となってしまった一戦は、世界王者に就く事2度の30歳とベテランのチャチャイが相手、選手生活15年で77戦61勝のキャリアを活かして3度目の戴冠を目指す挑戦者を、王者がどう捌くかに注目が集まる中試合開始のゴングが鳴らされる。

 初回開始早々一発勝負に賭けたチャチャイが右スウィングで先ずは大場を驚かせ、出足に難のある王者のエンジンが暖まらぬ30秒に放った大振りの右ロングフックがテンプルを襲うと派手にダウン、その際に足を捻り酷い捻挫をしてしまった大場は絶望的なダメージと怪我の中、何とか立ち続けて大ピンチを脱す。

 右足を引きづり最も苦しい防衛戦となった大場が懸命に反撃し、ジリジリとペースを掴み始めた8R、良い意味で捻挫の痛みも麻痺してきてフットワークも戻ってきた王者が、1・2でチャチャイをロープに詰め、やっと大場らしく激しい追い込みが見られる様になってきた。

 11Rすっかりベタ足となってきたチャチャイへ、大場がショートのジャブ~1・2を浴びせてロープ・コーナーへと追い詰めていく、怖いのはカウンターだけで、終盤王者の右で挑戦者の顔が大きく跳ね上がった時にラウンド終了のゴング。

 12R逆転KOが目前となってきた大場に1万観衆は大歓声!チャチャイの顔が歪むが一撃必殺得意の左フックのカウンターを狙って3度目の戴冠に執念を見せる、しかし王者は打ち下ろしの1・2からチャンスを掴み、アモレス戦を彷彿させるラッシュに次ぐラッシュをあびせるとチャチャイ遂にロープに崩れ落ちる様にダウン、再開後1・2連打を此れでもかと浴びせ手が出なくなった挑戦者を見てロープダウンを宣すると同時にコーナーに座り込む、アナウンサーも「もう立てない」と言った程のダメージも、信じられない事に執念で立ってきたチャチャイへ大場が怒涛の1・2ラッシュで今度こそレフェリーが試合をストップ。

稀に見る大逆転KOで5度目の防衛に成功した大場、チャチャイの頑張りもあり私にとってはエヂ・タウンゼントが亡くなった日のファイトとなった、井岡vs李戦の様な感動的なファイトに映りました。

 此処まで私の拙い文章でブログって参りましたが、石塚紀久雄著「大場政夫の生涯」に詳しく記されていますので、興味のあられる方はお近くの書店へ、名著です。

No1581 大場政夫(帝拳)vs”黒い弾丸”オーランド・アモレス(パナマ)

2010年01月22日 06時53分35秒 | ボクシング
(世界フライ級タイトルマッチ)
 王者大場が迎える中南米の強豪は、10ラウンドKO宣言をする1位アモレス相手の指名試合、しかしリングイン直前にインタビューをするワイルドな時代だったんだと感心する中試合開始のゴングが鳴らされる。

 初回アモレスが護謨鞠の様に弾ける動きから左ロングフックが大場の顎の先端を捉えると、不用意に貰ってしまった王者が開始30秒でダウンを喫す、「しまった!」という表情で立ち上がってきた大場は、効いた風なダメージは無いものの真直ぐ下がってしまう為バッティングも貰い額から出血してしまう。2R1発目・2発目が当たらなくとも3発目を振るってくるアモレスだが、大場のコンパクトなジャブも当たりだし打ち合いの様を呈してくると、挑戦者のフックの合間に王者の打ち下ろしのジャブ~1・2が決まり、逆にカウント8のダウンを奪う。

 3R荒々しいアモレスのボクシングと、大場のストレートながらも強気なボクシングが融合し、指名試合らしい打ち合いとなるが、挑戦者をロープに押し込み王者がラッシュすると、フックとストレートの差が出始め徐々に差が現れてくる、焦るアモレスは度重なるバッティングで減点1をとられる。4Rアモレスはウィービングを駆使しながら一段とプレスを強めてきたが、「回るんや!」と言うセコンドの指示もあり、大場も下がるだけではなく強気に打ち合うものの、挑戦者の迫力に押され気味。

 5R大場はジャブの連打でアモレスの動きに楔を打つと、挑戦者早くも口をパクパク開けだしスピードとスタミナが落ち始め、王者が右ストレートからアモレスをロープに詰め動きを止めると、20秒は続いたラッシュで崩れ落ちる様にダウン、カウント8で立ち上がるもフラつきファイティングポーズをとる事が出来ずにレフェリーが試合をストップ。

 倒し倒されの激闘は王者大場に軍配が上がり、大逆転で4度目の防衛に成功したこの試合で、昭和47年度のMVPと年間最高試合賞を獲得しました。

 (追伸)
 小林繁・ミッキー安川・淺川マキと、昭和の名バイプレイヤー達が今週相次いでお亡くなりになられています、合掌。