ボクシング・テレビ&ビデオ観戦記

VTR整理の為DVDへダビングついでにブログを設定し記録保存します。

No843 曹仁柱(韓国)vs徳山昌守(金沢)

2007年07月31日 06時55分52秒 | ボクシング
(WBC世界S・フライ級タイトルマッチ)
 開始前のセレモニーで「我らの願い」が流れる中、公式的には初の南北朝鮮対決となった一戦。

 徳山陣営は一つの賭けに出て初回ゴングと同時に前へ出ていく、不意をつかれた曹はこの攻撃に苦笑い。2Rに入っても徳山の攻撃は続き、3R予想もしなかった展開に府立体育館は大歓声に包まれる。

 4R更に試合は大きく動き、徳山の狙いすました1・2がものの見事に炸裂し曹プロ入り初のダウンを喫す

 7R~9R中盤になっても徳山の手は緩む事無く進行し。

 11R曹はバッティングで額より大量の出血もあり、12R無敗の曹も失点を跳ね返す余力無く試合終了。

 3-0と大差の判定で見事徳山が新王者となり、夢であった統一旗を纏いました。
(追伸)
 プロレスの神様カール・ゴッチ氏が亡くなりました。ワールド・ワイドな評価は決して高くなかったとはいえ、日本に与えた影響は多大なものがありました。
 心よりご冥福をお祈り申し上げます。

No842 ベク・ジョングォン(韓国)vsホエル・カサマヨール(キューバ)

2007年07月30日 18時08分52秒 | ボクシング
(WBA世界S・フェザー級王座統一戦)
 22戦負け無しの正規王者ベクと20戦全勝の暫定王者カサマヨールが統一を目指して本場米国のリングで激突。

 初回中間距離からパンチの交換でスタートも、カサマヨールの左ストレートがカウンターとなりベクが腰砕け。2R乱戦に持ち込みたいベクだが、常に自分の距離をキープするカサマヨールのジャブ~1・2~右フックで入り込む事が出来ない。3Rこのクラスでも決して恵まれた体格とは言えぬカサマヨールに対しパワーを活かしたいベクだが、暫定王者は並々ならぬテクニックで凌駕し1・2で王者を突っ張らせると連打で圧倒しべクの左眼をカットさす。

 4Rサウスポーのカサマヨールに有効な右を増すベクだが、逆に終盤暫定王者の左を貰い今度は右眼をカットしてしまう。5R勝負を急ぎたいベクはプレスを強めるが有効なパンチを浴びせる事が出来ず、あくまでもリズム良く冷静なカサマヨールのパンチで出血の止まらぬベクを見たレフェリーは、ドクターのアドヴァイスを受けて試合をストップ。

 王座統一で無敗対決の好カードも終わってみればカサマヨールの圧勝で幕を閉じましたが、私の戦前の予想で100vs1の通りの結果になりましたね。
 その割には50vs1の内容でしたが、東洋人王者の質を問われる内容となった事も事実です。

No841 バルティト・ラミレス(米)vs”ミチュカン”・ルディ・マルティネス(メ)

2007年07月28日 11時55分26秒 | ボクシング
(フェザー級10回戦)
 米国vsメキシコのフェザー級ホープの対決、特にラミレスはゴールデン・グローブ王者のアマキャリアを誇る選手だが、プロ戦績が5勝2敗1分けとは何?

 初回お互いリードを中心とした偵察戦も、ラミレスは常にフォームを崩さずプレッシャーを与える。2Rラミレスが1・2でマルティネスにプレッシャーを与えコーナーへと追いやる。3ラミレスの1・2連打で後手に廻るマルティネスは手数が少なく打ち返しても手打ちの為有効打にはならず、回り込むフットワークが欲しい。

4Rマルティネスが不用意に出て行く所に、ラミレスの左ストレートが真正面からヒットするとメキシコ人の身体が仰け反る。5Rそろそろペースを引き寄せたいマルティネスだが、この回もガードを縫ってラミレスが左ストレートをヒットしその後細かい連打を浴びせる。6Rリズミカルに攻めるラミレスは、マルティネスをコーナーに詰めて連打する、只パンチが軽いのが玉に傷。

 7R一発狙いのマルティネスはコーナーに詰められ我慢するだけ、ガードを下げ誘ったりもするが、そこはアマキャリアのあるラミレスが引っ掛かる事も無く逆に連打を浴びせる。8Rマルティネスは手数を出さずに1分が過ぎ、連打を浴びて1分、コーナーに詰められ1分が経過しラウンド終了。9R早々コーナーに詰まったマルティネスだが、ハーフタイムで逆にプレスをかけ相打ちを狙いラミレスを乱戦に持ち込む事を試みる。

 10R此処まで多くのラウンドがそうであった様に、疲れの少ないラミレスが左右の細かいパンチで攻勢を奪ったまま試合終了。

 サウスポー対策を持ち得なかったマルティネスに一方的な大差をつけて、ラミレスが判定勝ちを納めましたが、凡庸なメキシカン相手に倒し切れなかった事に、元ゴールデン・グローブニストの限界を感じました。
(追伸)
 昨日猛暑の中、夏の全国高校野球広島県決勝を観戦に行きました。個人的には初の代表を目指す県立総合技術高校を応援していたのですが、強豪相手に延長迄粘った姿に勝敗を忘れて感動しました。
 優勝した広陵高校のナインも暑い中代表の座を獲得した喜びを、今度は全国優勝に向けて頑張ってもらいたいものです。

No840 ロイ・ジョーンズJrvs”ザ・デストロイヤー”・リチャード・ホール

2007年07月27日 07時05分03秒 | ボクシング
(WBA・WBC&IBF統一世界L・ヘヴィー級タイトルマッチ)
 3団体統一王者ジョーンズにWBAの暫定王者ホールが挑む好カード、24勝中23KOと倒すコツは知っているホールだが、PFPNo.1のジョーンズにどう挑むかに注目。ところで、今回かかるタイトルは3つ?4つ?、まあいいか、ハイ!スタート。

 初回両者が対峙すると随分の身長差(11cm)だが、ホールはサウスポーの利点をジャブを突くも、ジョーンズはこんなハンディでもスピードを活かして行き成りの右を当てていき返す左フックで先制のダウン、更にジャブに合わせた右ストレートで2度目、実力者ジョーンズが幸先の良いスタートを切る。2Rジャブで突き放したいホールだが、ジョーンズと比べるとスピードで劣る為逆に左右のパンチを浴び大きくフラつく。3Rホールの動きをい見切ったジョーンズは、サウスポーにスウィッチする余裕も見られ遊び感覚で試合を展開。

 4Rホールのパンチの終わりにジョーンズはフラッシュ・パンチを放つが、それでも暫定王者はジョーンズをコーナーに詰め接近戦を挑むが、王者は相手に攻めさせてもクリーンヒットを許さない。5Rジョーンズは大きく足を動かしながら鋭くステップインし連打を浴びせていく。6Rフェイントを利してホールをコーナーに追い詰める、こうなるとコーナーから出られぬ暫定王者は蛇に睨まれた蛙状態。

7Rロープに詰めたいホールに対し、ジョーンズは嘲笑うかの如く自在にパンチをヒット。8R打っても打っても倒れないホールに打ち疲れたのかジョーンズの手数が減り、自らコーナーに下がってメリハリをつける作戦に。9Rもホールに打たせてその打ち終わりに合わせるジョーンズのシャープなパンチ、お互いおどけた仕草をし合うが、こういう動きならやはりジョーンズに軍配が。

 10R流石に疲れの見られるジョーンズに、ホールはナチュラルな体格を利してプレスをかけると王者はガードを固めながらも上体が棒立ちになる、しかしジョーンズの左フックでホールが大きく仰け反る。11Rダメージの蓄積されたホールは反応が鈍りジョーンズのフラッシュ・ライトで挑戦者は再三仰け反る、更に王者が大きく振り回した右手からパンチを当てるとホールはコーナーで打たれっ放しとなりレフェリーが試合をストップ。

 王者同士の一戦ではあったが、初回にダメージを被ったホールが本来の実力を発揮する事も無く、ジョーンズの楽勝に終わりました。
 ジョーンズももう少し早く終わらせる事が出来たのでは?

No839 ”ディ・エキスキュースナー”・B・ホプキンスvsS・”ザ・ジュウェル”・ヴァンダープール

2007年07月26日 06時56分29秒 | ボクシング
(IBF世界ミドル級タイトルマッチ)
 キャリアを重ねても益々盛んなホプキンスが、カナダのホープを迎えての一戦。

 初回勢い良く出てきたヴァンダープールはサウスポー・スタイルから大きなパンチを振りホプキンスに迫る、その勢いに様子見の王者は何時もと違う展開に苦笑い。

 2Rもヴァンダープールのプレスを持て余していたホプキンスだったが、挑戦者の勢いもここまで。

 3R以降はペース配分にも勝るホプキンスがヴァンダープールの隙をついてショートレンジのストレートを浴びせ続ける。

 タフなヴァンダープールはパンチを貰っても倒れる事は無かったが、ポイントはズルズルと失い終わってみれば3-0と大差の判定でホプキンスの貫禄勝ちとなりました。

 前半勝負は間違いなかったものの、そこで決め切れなかったヴァンダープールに勝機は残っていませんでした。

No838 市川次郎(相模原ヨネクラ)vs米田力丈(伴流)

2007年07月24日 07時06分38秒 | ボクシング
(第一回フォースカップ ヘヴィー級トーナメント決勝)
 西島洋介山(オサム)に触発され雨後の筍の様にデビューしたヘヴィー級ボクサー達のトーナメントが催され勝ち上がってきた二人の文字通りの肉弾相打つ激突、市川が34歳のベテランなら米田は角界から転向し2連勝の新鋭という戦いだ。

 初回ゴングと同時に市川がタンクの様な体格を利して積極的に出て来ると、スラリとした米田は左腕を前に突き出して距離を取る作戦、左眼をカットした市川は更にプレスを強め米田に右を浴びせる。
 
 2R~3Rもペースを奪った市川に対し4R若さに勝る米田がスタミナを利してラッシュを敢行、ウィービングから左フックを返す等思わぬテクニックを見せ流れを引き寄せるとアップアップの市川に残り5秒で放った大振りの右がものの見事にテンプルにヒットしダウンを奪う、立ち上がった所でゴングが鳴らされ勝負は判定へ。
 
 裁定は1-0でドローとなるものの、トーナメント特別ルールで優勢点を取った米田が見事初代王者に輝きました。
 最後の最後迄勝負を諦めなかった米田の執念が、カップを手許に引き寄せた結果となりましたが、新人王戦の同じくグリーンボーイのトーナメントの面白さを十二分に発揮した一戦となりました。

No837 ユン・スクヒュン(韓国)vs加山利治(ワタナベ)

2007年07月23日 07時18分21秒 | ボクシング
(OPBF東洋・太平洋ウエルター級王座決定戦)
 17戦負け無しで日本王者の加山がステップアップを目指しOPBFの決定戦に出場、相手はジムの先輩吉野弘幸を破って1度は王者となった事もある2位ユンが相手だ、予想は5分5分。

 初回ユンを中心に加山がゆっくり左へ廻るが、粘り・スタミナ・手数で勝るユンが早速前に出る。

 5Rユンのプレスにサイドステップ出来ず下がるシーンが、ジャブ~右をヒットさせる場面もあるが加山はその後ユンの軽いながらも何発ものお釣りを貰ってしまう。6Rユンが下から顔面にパンチを散らすと加山は下がってしまう悪い癖が出てしまう、こうなると上半身の固い加山はスタミナもロスしてしまいユンの思うつぼに。

9R「加山コール」が沸き起こるがユンのペースは変わらず、ラウンド終了ゴング後苛立つ加山はロープを叩くシーンも。

 11Rになってやっと加山も腰を落としショートを放ち勝負に出るが、ユンの突進を止め切る事は叶わず。12R踏み込んで打つ様になった加山だが、ユンの手数は最後まで衰える事無く時既に遅しで無情にも終了のゴング。

 判定はOPBF戦にあるが如く、1人のジャッジはドローとつけたものの、後の2人は5~6点差の2-0でユンに2年振りの載冠を齎しました。

 吉野が失ったベルトをワタナベジムへ取り戻す事の出来なかった加山は、初黒星を喫したこの試合を境に上昇する事はありませんでしたね。
 悪い意味でターニング・ポイントとなった試合でした。

No836 メッグン・3Kバッテリー(泰)vs”イーグル・アイ”・マルコム・ツニャカオ(比)

2007年07月22日 21時42分56秒 | ボクシング
(WBC世界フライ級タイトルマッチ)
 川端賢樹を敗り初防衛を果したメッグンが20戦全勝のスタミナ抜群なファイターなら、15位ながらアマ出身で10戦全勝のツニャカオはセンス抜群なサウスポー、前王者の”パックマン”・マニー・パッキャオの仇を討てるかに注目。

 初回ワイド・オープンながらガードの高いメッグンに対し、シャープなフリッカー・ジャブを放ち力む事無くリラックスするツニャカオ。2Rツニャカオはパンチ・動きのスピードが際立つが、メッグンもドスン・パンチを挑戦者のボディへ送り込む。3Rメッグンが思い切りの良い右で出て来ると、ツニャカオは得意のサイドステップもままならなくなる。

 4Rメッグンのプレスにツニャカオはフットワークを止めて打ち合う作戦に変更するも、王者のボディを嫌がる表情が。5Rツニャカオの左の打ち終りにメッグンが右を狙い、更に王者の右が一段とヒートアップされる。6Rツニャカオのシャープな1・2が甦るも、メッグンもショートを返し激しい打ち合いを展開。

 7Rツニャカオのラッシュでメッグンがフラフラになるが右眼の出血でドクター・チェック、しかし再開前のグローブタッチをせずに挑戦者がパンチを放つシーンで注意が、反則でも可笑しくない程王者にダメージが見られるがお咎め無しで試合は続行、しかしメッグンは明らかに動きが鈍くなりツニャカオのパンチを浴び続け虚ろな目を見たレフェリーが試合をストップ。

 アジアの好素質な無敗対決は比国のホープが新王者へ就いたものの、決着が着く過程には大いに問題のある一戦でした。しかし王者の地元タイでの開催にも関わらず、メッグン側からクレームが訴えられなかったのは、考えられない事なのですが・・・。
 詳細な事情をご存知な方、是非ともコメントをお願いします。
(追伸)
 ホルヘ・リナレス(帝拳)が見事暫定ながらもO・ラリオスにTKO勝ちし世界王者となりました。
 これで日本のジムに所属する6人目の世界王者ですが、私個人はパウンド・フォー・パウンドNo.1は彼だと思います。
 でも先ずは正規王者との統一戦が大変楽しみです、日本から脱出しないでね。

No835 ソーンピチャイ・シンワンチャー(泰)vsヒルベルト・ゴンザレス(ベネズエラ)

2007年07月21日 14時37分10秒 | ボクシング
(WBA世界フライ級タイトルマッチ)
 18戦全勝のエキサイティングなサウスポーの王者ソーンピチャイの初防衛戦は、前王者R・ガメスの仇を討つべく送り込まれた2位ゴンザレスが相手、挑戦者は日本でも2戦している御馴染みの俊英だ。

 初回クラウティングに構える低目のソーンピチャイに、対するゴンザレスも前がかりと激闘の予感。2Rゴンザレスの1・2ショートでガクガクくるソーンピチャイだが、調子に乗った挑戦者に王者の左カウンターで今度はゴンザレスの動きが一瞬止まるシーンが。3Rソーンピチャイが大振りの左を狙うと、これが真正面に立つゴンザレスにヒット。

 4Rもソーンピチャイの左がものの見事にヒットし、ゴンザレスはヨロヨロとロープへ後退。5R相変わらずソーンピチャイの肩の入った左でフラフラと苦しいゴンザレス、返しの右フックは距離が短く仕留め切れないが、ならば必殺の左を連発し挑戦者が打たれっ放しになった所でレフェリーが試合をストップ。

 左だけでKO勝ちしたソーンピチャイがベネズエラのホープを見事葬りましたが、日本でも期待のゴンザレスは王者に対抗するには余りにも正直なボクサーでしたね。

No834 ワンディ・チョーチャレオン(泰)vsホセ・アントニオ・アギーレ(メキシコ)

2007年07月19日 22時15分50秒 | ボクシング
(WBC世界M・マム級タイトルマッチ)
 指名挑戦者アギーレが王者の地元タイで挑む一戦、リカルド・ロペスの後継者成り得るかに注目。

初回タイ人らしいコンパクトなワンディに、大きく構えるアギ-レには落ち着きが感じられる、お互い右のタイミングを測っている様だ。2R自身に満ちた戦い方を見せるアギーレに、ワンディも固いガードから飛び込むチャンスを伺うが、挑戦者は右とボディで楔を打つ。

 3R~5Rはアギーレの長く強いパンチでワンディは中へ入れず。

 6Rアギーレの左右ストレート~ボディに対し、踏み込みが中途半端なワンディはペースを掴めない。7Rロングを中心の大きなボクシングを展開するアギーレが軽量級らしからぬスタイルなら、アジアン・テイストでコンパクトなワンディとはリズムが違い、挑戦者の強いボディで王者は徐々に腰が引けてくる。

 11Rになってもロングなストレートを放つアギーレだが、スピードが鈍ってきたせいか打ち終りに合わせるショートフックでワンディは逆転を狙う。12R両者の固いパンチがお互いの顔面・ボディに決まるが、ワンディの右がカウンターでヒットしたところで試合終了

 試合展開よりも小差ではあったものの、自分の距離を守り強いパンチを放ち続けたアギーレが勝利を掴み取り、見事R・ロペスの真の後継者となりました。