ボクシング・テレビ&ビデオ観戦記

VTR整理の為DVDへダビングついでにブログを設定し記録保存します。

No565 ホセ・ルイス・ブエノ(メ)vs”アンタッチャブル”川島郭志(ヨネクラ)

2006年09月30日 17時57分34秒 | ボクシング
(WBC世界S・フライ級タイトルマッチ)
 ライバルの鬼塚や渡久地に遅れをとってきた男が帝拳マネージメントの王者ブエノに挑戦する一戦。
 初回リードの突き合いから川島の左ストレートがブエノのボディを抉ると王者のストレートも伸びるスタート、が川島の右フック~左アッパーが浅くヒットし上々の出だし。2R川島が巧みなフェン戸でプレッシャーをかけるがブエノも多彩な右を返す、両者共相手のパンチをかわしては打つパターンで勘の良さを物語る。3R川島の左ストレート~右ロングアッパーがヒットするが、ブエノがプレッシャーを強め終盤激しい打ち合いも挑戦者が有利。
 4Rになると神経戦を呈してきて、5Rブエノは川島が打った後パンチを返す等明らかに狙ってきて逆に川島もパンチの還り狙い強烈なブローもヒットする。6R世界レヴェルと戦うのは初めてと思えぬ川島の戦いぶりに緊迫の中からお互いフェイントをかけてストレートを放つ、しかし川島は王者の頭を押さえてパンチを放ち減点1を奪われる。
 7R川島の動きとスピードに今一つ付いて行けないブエノは挑戦者のフェイントにも惑わされ終了間際には防戦一方になる場面も。8R川島の左ボディで脚の止まるブエノにはメキシカン特有のボディが無く、逆に余裕の出て来た川島だったが王者の右ストレートも怖いタイミングで放たれだした。9Rアンタッチャブルな川島はブエノの右の右ストレートの射程から巧みに逃れるが逆に序盤と比べるとクリーンヒットも少なくなってきた。
 10Rになっても両者共動きに切れを失わずテクニックを駆使するが、川島は打たれても必ず打ち返すのでブエノに流れを渡さない。11R浅いながらもブエノのヒットを許し鼻血を滲ませた川島だが、左ストレートのカウンターでマリオネットにさせた所に追撃の左で遂に王者からダウンを奪う。12R逆転を狙うブエノが右ストレートを多用するが、川島の動きは最後まで衰える事無くかわしま(川島)くり試合終了。
 私の採点は4点差、オフィシャルも3-0のユナニマウスで挑戦者を支持し初挑戦で見事川島が世界王者に君臨しました。
 日本人の世界王者は概して防衛戦は大丈夫かと思わせる選手が多い中、久し振りに安心して見られる王者の誕生と喜んだものでした。

No564 E・”リアル・ディール”ホリフィールド(米)”ダブルM"・M・モーラー(米)

2006年09月29日 07時07分27秒 | ボクシング
(WBA&IBF世界ヘヴィー級タイトルマッチ)
 下のクラスから上がってきた実力者同士の一戦、無敗の挑戦者モーラーはL・ヘヴィー級時代築き上げてきたKOのヤマが王者に通用するかが見所だ。
 増量の影響か動きの重いモーラーに対しホリフィールドは初回よりギア全開で手数も多く体力で優位に立とうと試みる。
 ところが2Rになるとホリフィールドの立つ位置が中途半端でモーラーの鋭い1・2で後退する、しかし王者が右ストレート~左フックで反撃し挑戦者がバランスを崩した所でもありダウンを奪う。
 が、3R以降サウスポー嫌いが露呈したホリフィールドにモーラーのショートがコツコツとヒットしズルズルとポイントを失う。
 結局前半の貯金を吐き出したホリフィールドに対し体格不利を覆したモーラーが僅差判定を捥ぎ取りヘヴィー級初のサウスポー王者に君臨し、2階級制覇を成し遂げました。
 ホリフィールド、策が無かったぞ!
 

No563 ”テリブル”・テリー・ノリスvsサイモン・”マンテキーヤ”・ブラウン

2006年09月28日 07時05分45秒 | ボクシング
(WBC世界S・ウエルター級タイトルマッチ)
 中量級実力派同士の一戦、王者ノリスが11度防衛なら挑戦者ブラウンは元ウエルター級王者ゆえ攻防の妙が見られると予想されたが。
 初回早く攻める傾向のあるノリスを警戒しているブラウンはガードを固めてバックステップ、そして脚を止めて打ち合う中意識しないで放ったブラウンの堅いジャブでなんとノリスがダウン。2Rも至近距離でのパンチの交換の中ブラウンの右フックがノリスの左テンプルを襲い王者の膝をグラグラ帝国状態にする。
 3R有利に戦うブラウンは脚の動かないノリスに対し顎を突き出し両手を拡げ余裕のポーズ、終了ゴング間際にはブラウンの左右ブローが直撃し今にも倒れんばかりの状態も。4Rダメージで身体が棒の様に固くなったノリスのブラウンの打ち下ろしの右がヒットしお辞儀をする様にダウン、カウント中に身体を起こすもフラフラな様子をみてレフェリーが試合をストップし衝撃の王座交代となりました。
 今思えば、この頃にはノリスの左テンプルは既に壊れていたのでしょうが、詳細は今年前半の「ボクシング・マガジン」に連載されていましたね。

No562 ホルヘ・ハーレー(米)vsアルマンド・カルデナス(メ)

2006年09月27日 06時42分16秒 | ボクシング
(USAvsメキシコ アマ対抗戦165ポンド級)
 右と左の喧嘩四つ。
 初回軽量級ではレヴェルの高いメキシコ勢もこのクラスになると日本と同じく途端にボクシングの質のレヴェルが下がりカルデナスもパワーは認めるもののセンスは感じられない。
 2Rハーレーがクリンチの際に右ボディを連発する、しかし離れると体格有利なカルデナスに押され気味となりクリーンヒットは奪えない。
 3Rカルデナスのパワーを駆使した連打とスタミナは衰える事無く、ハーレーも右強打を返すもののお互い明確なポイントを奪えぬまま試合終了。
 微妙な判定は常に前に出たカルデナスが僅差で勝利を掴みました。

No561 ダニエン・フラー(米)vsアルセオ(メキシコ)

2006年09月26日 07時02分36秒 | ボクシング
(USAvsメキシコ アマ対抗戦132ポンド級)
 右(アルセオ)と左(フラー)の喧嘩四つの一戦。
 初回フラーのタメのある左でガクっとするアルセオ。
 2Rファイターのアルセオがワイルドに攻める中、フラーの左がカウンターとなりメキシコ人が横倒し、その後もフックで攻めるアルセオに対しサウスポー・スタイルからのジャブ~ストレートで叩くフラーが試合をコントロールしロープに詰めてストレートの連打を浴びせアルセオの手が出なくなった所でカウントを奪う。
 3R劣勢のアルセオの攻める力を利用しフラーがカウンターの右フックでメキシコ人の膝が突っ張りダウン、試合再開もパンチの交換の中アルセオの鼻血が酷くなりドクター・チェックにて試合続行困難と判断され終了。
 フラーのセンスの良さを感じさせた一戦でした。

No560 リカルド・”ロッキー”・ファレス(米)vsセサール・モラレス(メ)

2006年09月24日 21時29分38秒 | ボクシング
(USAvsメキシコ 119ポンド級アマ対抗戦)
 シドニー五輪にも出場し現在世界を視野に入れて戦っているファレスの17歳の頃のアマでの一戦、しかしこの頃から”ロッキー”の仇名をコールされていたファレス、お前はいったい何者だ!
 初回身長で劣るファレスだが接近してからの左右のブローがモラレスを襲う、メキシコ人もファイター・タイプ故お互い左右のパンチがヒット。
 2Rモラレスが入ってくる所に左フックを合わせるファレス、米国人が強烈な右でメキシコ人の膝を折りボディ連打を浴びせ、更にオーヴァーハンド・ライトでレフェリーがカウントを取る、再開後もファレスの右ストレートがタイミング良くヒットす。
 3Rはモラレスが積極的に手を出すが時既に遅し。
 ファレスのファイト・スタイルはティーンエイジャーの頃から基本的には変わっていない事を確認出来ただけでも良しとしなければ。

No559 ヘスス・セルダ(米)vsマルティン・”エル・ガーヨ”・カスティーリョ(メ)

2006年09月23日 23時31分07秒 | ボクシング
(USAvsメキシコ アマ対抗戦フライ級3回戦)
 日本ではアマの試合といえば全日本選手権決勝をNHK教育で年1回放映するのが関の山だが、米国では若手選手の対抗戦をESPNとはいえ全国ネットで放映するんですね。
 さて18歳のメキシコ代表をどこかで見たと思ったら、名城に世界王座を譲って日本でも御馴染みのカスティーリョ君ではないですか!
 初回カスティーリョ右ストレートから左ボディで先手をとれば、セルダは左フックを打ち返す、カスティーリョのアマらしからぬ左ボディ攻撃に将来の世界王者のセンスが見られる。
 2Rカスティーリョはセルダのジャブにシャープな右ストレートを合わせるとお互いスムーズな連打から激しい打ち合いに移り、ラッシャーなセルダの回転にも歯車がかかる。
 3Rカスティーリョはフリッカージャブで様子見の後ポイント・リードを確信したアウトボックスでセルダを寄せ付けず試合終了。
 流石に後の世界王者なだけにティーンエイジャーながら非凡なセンスを感じさせたカスティーリョのポイント勝ちとなりました。

No558 ”貴公子”アレクシス・アルゲリョ(ニカラグア)vsアルフレド・エスカレラ(パナマ)

2006年09月22日 15時28分10秒 | ボクシング
(WBC世界S・フェザー級タイトルマッチ)
 1979年のクラシック・ファイトから、当時私は高校3年生で九州の片田舎に居た関係で「ボクシング・マガジン」だけが拠り所だった古き良き時代でした。
 さて試合は初回アルゲリョが何時もの如くジャブで探りを入れながらも積極的に左右を繰り出しフックから右ストレートを伸ばせばエスカレラ早くもグラつく、エスカレラ活つもりならもっと積極的にいかないと。
 4Rアルゲリョがロングの左フックを効果的にヒットさせ更に同じパンチでエスカレラ尻餅を着く様にダウン、その後も左を多彩にヒットさす。5Rエスカレラがアルゲリョのパンチを掻い潜るが左フックで弾かれる様にダウン、更に左フック~右ストレートで今や懐かしのスタンディング・ダウン、再開後右目を出血しながらも挑戦者はインファイトで反撃しラウンド終了のゴング、しかしアルゲリョの左フックは地面と水平なので相手にとっては見えないのだろう。
 6R接近戦でお互いアッパーを飛ばしあう。7Rエスカレラはセコンドにハッパをかけられたのかオーヴァーハンド・ライトや抉る様な右フックでアルゲリョが思わずクリンチ、70年代の中南米ボクサーのフックは概してキレイな軌道をたどっている。
 8Rアルゲリョのガードが高くなるがエスカレラの左フック5連発でたじろいでしまう。しかし後退しながらも王者の放つ左フックは怖いタイミングだ。9Rは様子見のラウンドも後半ラッシュのエスカレラ。
10R初回からのアルゲリョの左フックのダメージが蓄積されてきたが、両者出血も見られ激戦を呈してきた。11Rエスカレラの左フック・右アッパーがアルゲリョの左フックの間隙をついてヒットするが、アルゲリョは1・2のタイミングを掴んだ様子。12Rエスカレラのオーヴァーハンド・ライトでアルゲリョが後退、決してスピードがある訳でも無く「どうしてこんなパンチを貰うのだ」と思ってしまった。
 13Rアルゲリョが左フックのダブル~右ストレートをクリーンヒットさせた後ジャブで引き寄せエスカレラが右斜めへ出て来た所に左フックで痛恨のダウン、立ち上がってみたもののコーナーへ再びダイブする様に倒れこんだ姿をみてレフェリーが試合をストップ。
 終始ペースはアルゲリョだったもののエスカレラのパンチを貰っており「こんなパンチでも貰ってしまうのだ。」と感嘆。

No557 レノックス・ルイスvs”ビーンポール”・ヘンリー・アキンワンデ

2006年09月21日 07時01分22秒 | ボクシング
(WBC世界ヘヴィー級タイトルマッチ)
 英国人同士のヘヴィー級タイトルマッチは1位アキンワンデが挑戦者ながらWBO王座を無敗で返上した事もあり実質の王者同士の一戦でもある、しかしながらこの戦いが米国で行われる事に英国のファンはどう思っているのか?それは差し置いても注目の好カードだ。
 世界戦にしては小さ目のリングは離れてストレートを尽きたいアキンワンデにとって戦いづらそうで、ルイスの距離を詰め様とするプレッシャーに初回から早くもクリンチを多用。2R強打を駆使し予想以上の激しいルイスのプレッシャーにアキンワンデのあからさまなクリンチ・ホールドに早くも減点1、それでも止めない挑戦者に対しレフェリーはセコンドを交え失格をも示唆する注意を与える姿に嫌な予感が・・・。
3R相変わらずストレートをついてはクリンチするとアキンワンデは注意を浴びるが、その中でアキンワンデのジャブ~1・2がクリーンヒットするとルイスの
右手がキャンバスにタッチ!しかし一瞬だった為レフェリーが見逃しそのままダル・ファイトに逆戻り。4R再びクリンチが目立つ様になってきてルイスが打つとアキンワンデが賺さずホールド、こんな場面が何度も繰り返されるがその隙をついて王者の左フックが挑戦者にダメージを与える。
 5Rルイスが作戦を変えてクリンチに来られても右アッパーを突き上げる様になってきたが、それでも懲りずにクリンチするアキンワンデにレフェリーは「ファイティン!」と警告、しかしその後もますます酷くなり業を煮やしたレフェリーが両者を分け挑戦者を強引にコーナーへ還すとルイスの失格勝ちを宣しました。
 注目の最重量級英国人同士の実質王者対決も口アングリな珍しい決着となってしまいましたが、それもこれも己のストレートが突き放せないと悟ったアキンワンデが自分の戦法の限界を感じ、次の作戦をクリンチに頼り倒されない事に重点を置いた為に起こった一戦でしたが、ルイスのパワーがある意味証明されたともいえるのでした、ああ情けな!

No556 ウィリアム・”ジョップ”・ジョッピー(米)vsピーター・ヴェナンシオ(ブラジル)

2006年09月20日 07時11分43秒 | ボクシング
(WBA世界ミドル級タイトルマッチ)
 日本にもすっかり御馴染みジョッピー2度目の防衛戦はソウル五輪出場のブラジリアンで1位のヴェナンシオが相手。
 初回よりお互い強打を振るうパンチの交換からスタート、5cm身長の高いヴェナンシオだが積極的に前に出てジョッピーをロープに詰め右のカウンターを突き当てる。2Rもヴェナンシオのパワーと荒さの迫力在る攻撃にスピード自慢のジョッピーもロープに詰められる。3R基礎のしっかりしたジョッピーはジャブで立て直しを図るかの様に多用しだすとヴェナンシオの命中率が悪くなる。
 4Rヴェナンシオが気を抜いて油断し蟹の横歩きをしながらコーナーに詰まった所にジョッピーの右フックが2発ヒットすると思わず腰を落としダウンを喫す、もったいな!5Rもスリップながらダウンをするヴェナンシオはバランスに難あり、挑戦者を中心にジョッピーはジャブをつきながらサークリングすると、ヴェナンシオの手数が少なくなる。6Rのジョッピーは徹底して脚を使うボクシング、しかし残り30秒で両者行き成り激しい打ち合いを敢行、ヴェナンシオはノーガードで打って来いのポーズもそこにジョッピーの左ストレートがジャストミート、アホか。
 7Rは両者良く手が出るもジャブと脚でジェネラルシップは王者のもの。ジョッピーのバックハンド・ブローが目立つくらいの静かな8Rを経て迎えた9R、両者中間距離から積極的に手を出す様になってきて、特にヴェナンシオの左のダブルがクリーンヒット。
 10R竹原戦では目だったジョッピーのジャブもヴェナンシオのプレッシャーに押されるが、その間隙を突いて放った王者の右カウンターでヴェナンシオ思わず膝を着く。11Rジョッピーはジャブでリズムをとっているが、逃げ切りともとれて観客からはブーイング、しかしヴェナンシオもそれに対処出来ない。12R逃げに入ったジョッピーにヴェナンシオの右がクロス・アッパー・フックと決まり強引に入っていく場面があったものの、王者は足を使いジャブを突きクリンチして最終回のゴングを聞き試合終了。
 ダウンを2度奪った割には1点・2点・3点差と競った判定とはなったものの3-0のユナニマウスでジョッピーの勝ちとなり南米の強打者相手に僅差の防衛を果しました。